訃報:デビッド・ワトキン
再び春先からたまっていた訃報を整理します。たぶん数日続きますのでご容赦を。
撮影監督デビッド・ワトキンが2/19にイギリス・ブライトンの自宅で亡くなりました。享年82歳。
1925年英ケント州マーゲート生まれ。第2次世界大戦に出兵。鉄道撮影のカメラ・アシスタントとして働いた後、60年代にコマーシャルの撮影を始めたのがきっかけで、レスターと出会い、『ナック』(1965)の撮影を担当。その後も2人は『HELP!四人はアイドル』(1965)、『ジョン・レノンの僕の戦争 』(1967)、『三銃士』(1973)、『四銃士』(1974)、『ロビンとマリアン』(1976)、『さらばキューバ』(1979)と多くの作品で組みました。他にも代表作は多数あり、『キャッチ22』(1970)、『肉体の悪魔』(1971)、『エンドレス・ラブ』(1981)、『愛のイェントル』(1983)、『ホテル・ニューハンプシャー』(1984)、『月の輝く夜に』(1987)など。シドニー・ポラックの『愛と哀しみの果て』(1985)ではアカデミー撮影賞を獲得しています。
いかにもヨーロッパ出身の撮影監督らしい色彩設計をする人で、中でも『炎のランナー』(1981)の美しさは白眉と言えるでしょう。この作品が、同じ英語圏でもアメリカとイギリスは何が違うかよくわからなかった当時中学生の私に、イギリスらしさ教えてくれた初めての作品でした。ご冥福をお祈りします。
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