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2008年6月12日 (木)

訃報:水野晴郎

 映画評論家の水野晴郎さんが6/10、都内の病院で肝不全で亡くなりました。享年76歳。通夜、告別式は密葬で営まれ、7月にお別れの会が開かれるそうです。ここしばらくケガや病気による入退院を繰り返していました。
 1931年岡山県で生まれ、1956年に20世紀フォックスに入社、日本ユナイト映画に移り宣伝総支配人として活躍していました。邦題にまつわるエピソードは多く、中でも『007』シリーズの第1作をわざと日本語としてはおかしい『007危機一発』とつけたのは有名な話です。他にも『史上最大の作戦』『ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!』『夕陽のガンマン』は水野さんがユナイトの宣伝をしたいた頃のものです。「水曜ロードショー」(後の「金曜ロードショー」)での解説役で知られるようになりました。荻昌弘、淀川長治に続き、これで私が子どもの頃にTV放映の映画解説をしていた方は(俳優の高島忠夫をのぞくと)故人となってしまいました。
 でもこんなに亡くなったことが大々的に取り上げられるのはやはり『シベリア超特急』のおかげでしょうか。私は作品としてはまったく評価していませんし、笑うこともできず、好きでもないのですが、いろいろな意味で水野さんらしいのかもしれません。正直映画評論家としては「?」という点がありました。キネ旬の投票作品などをみると驚くことがありました。今となってはやはり往来のサービス精神がそうさせたのかなと思います。
 またいろいろな働きかけをした方で、旧作の初公開とリバイバルで大きな功績を残した配給会社IP(インターナショナル・プロモーション)、日本アカデミー賞、日本映画批評家大賞なども水野さんが関わっています。
 かつて中学生の時、とあるイベントでゲストとしていらっしゃった水野さんにお会いしたことがありますが、本当ににこやかでおだやかな方でした。そして4人の弟妹さんの面倒をみているうちに自分は結婚の機会を逃したという話、警察官や山下将軍へのあこがれといった部分も、実はとても男らしい生き方をした人なのだと思っています。
 ご冥福をお祈りします。

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