『ベオウルフ』
☆1/2 膨大な手間の末の珍味。
ロバート・ゼメキスが『ポーラー・エクスプレス』に続いて作り上げたモーションキャプチャーによるフルCG作品は、なんともこれまた珍妙な味のする作品になっていました。
見せ物としての技術(モーション・キャプチャーに加えて3D映像も含めて)はすごいことはよくわかります。またこの時代を実写でやることが大変なのもわかります。それでも『ポーラー・エクスプレス』でも感じたのですが、やっぱりモーション・キャプチャーでやるのかがよくわからないのです(製作期間はモーション・キャプチャーの方がはるかに長い。撮影はあっという間だったらしいですが、ポスプロが大変だったようで。それとお金はこっちもすんごい予算をかけている)。実物とそっくりの容姿をしたキャラクターが動き回る不気味さ(レイ・ウィンストンとクリスピン・グローバーは実物とはかけ離れていますが、特にレイ・ウィンストンがかけ離れているのは深刻な問題ではなかろうか?)。アニメと呼ぶにはダイナミックな躍動感に欠け、実写と呼ぶにはひどく描写が軽い。ゆえにベオウルフのスペクタクル巨編になるはずが、なんか「男は、すっぽんぽんのアンジェリーナ・ジョリーを目の前にして我慢が出来るか?」なんてテーマに集約されちゃう程度の印象しか残さないのだと思います(大汗)。というわけで、『ロード・オブ・ザ・リング』がいかに奇跡のようだ出来事だったかをあらためて痛感します。
なお3Dでこの認識です。この手の作品は3Dでなくなると魅力が半減どころか論外になります。3Dバージョンでみたほうがいいでしょう。
(WMC港北ニュータウン6にて)
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