『アイ・アム・レジェンド』
☆☆1/2 前半最高、後半失速。
リチャード・マシスン原作の3度目の映画化は、ひょっとしたら映画史に残る傑作になれたかもしれないだけに本当に「惜しい! なんでそうなるのよ!」とぼやきたくなる作品でした。
とにかく廃墟となるニューヨークが圧倒的です。ロケもかなり行ったようですが、当然デジタルで何らかの処理は施してあるわけで、もうすごい!としか言いようがありません。ダークシーカーズの描写もよくできていて、こういった孤独と恐怖という感情を描いていることが、ウィル・スミス演じる主人公の心の葛藤を観客に想起させることに成功した要因です。ところが途中から急転直下。<以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>主人公の相棒サマンサが死んで、他の生き残りが登場するあたりからただのゾンビものになってしまい、全く面白くなくなってしまうのです。「地球最後の男」だったがゆえの緊張感がなくなったのは何ともしがたく、話もツッコミどころが満載に。生き残りの村がああいう形で出てきたのも興ざめですし、そもそもウィル・スミスの自爆ではレジェンドにはならんぞという感じです(あの場面は他にも選択肢はあるような気がするのですが)。ウィル・スミスは熱演は認めるものの、これはもう少し「オレサマ」キャラじゃない人がやったら・・・という感はあります。
とりあえずできるかぎり予備知識抜きでみてください。映画館に足を運ぶだけの価値はあります。ただ後半をどう受け取るかは人によって賛否両論でしょう。
(TOHOシネマズ横浜12にて)
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