DVD『デルス・ウザーラ』モスフィルム・アルティメット・エディション
黒澤明が旧ソ連のモスフィルムで製作した1975年のオスカー外国語映画賞受賞作。黒澤明の「優等生」が『赤ひげ』ならば、こちらは新生クロサワの最高傑作だと思う。
で、今回はIVCからリリースされたもの。モスフィルム秘蔵のマスターだということで、リリース直後に購入したものの、それほど期待した画像ではなかったので、全部みなかったのだが、今回最後までみて驚いた。どうも音声素材が違うようなのだ。現在東宝から出ているものはモノラル音声。しかし70ミリフィルム(資料によると撮影も70ミリ)で公開当時上映されているからステレオ音声の素材があるというのはずっと言われてきた。しかしLDの頃からずっとモノラルだったので東宝はモノラル素材しかなかったのだろう。ところが今回のIVC盤は5.1chにリミックスされているのだが、素材自体が違うようでところどころでSEが違っている。一番わかりやすい所でいくと最後の葬式の部分ではアルセーニエフが駆けつけるところで東宝盤は足音とスコップの音しか聞こえないのに、IVC盤は鳥のさえずりが聞こえてくるのだ。これは元々の音声素材にあったのか、それとも5.1chにリミックス時に後から付け加えられたものなのか、きちんと調べてみたい。そしてじっくりとききくらべてみたい。
なお画質は前述の通り、大した変化はないし、映像特典もお金を払ってほどという感じではない。またこちらは本編が2枚にかわれており、おもいっきりぶつ切りになる。値段もどっこいどっこいでどちらを買うかは一長一短。ブックレットの充実という点でいけば東宝盤か。
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