『フラガール』
☆☆ 予定調和とウェルメイドの差違。
ものすごく評判がよかったのですが、話の展開がみえみえでどうしても映画館でみる気がおきませんでした。で、WOWOWでオンエアしていたのを録画していながらしばらくほったらかし。地上波オンエアでちら見して、やっとみる気がおきた次第です。で、見終えてやはり感じたのはウェルメイドと予定調和は違うということでした。
なぜこんな前置きからはじめたかというとこの映画だけでなく、最近の邦画は3種類しかないように思うのです。難病物、苦労してサクセス物、内輪受け物。それで面白かったらいいのですが、結局それを当たり障りなくしか作れない現状で、はたして映画館に足を運ぶ価値がある作品を作っているかどうか、この点は大いに問われるべきなのではないでしょうか。もちろんこの映画がヒットしたのは喜ぶべき事です。しかしそれはシネコン隆盛からうまれた新しい受け皿ができただけであって、この作品自体が素晴らしかったという評価につながるのは少し違う気がしてならなかったからです。プログラムピクチャーとよぶには饒舌すぎるし(上映時間が証明しています)、アート作品としては軽すぎます。人物描写もステレオタイプ。またそれを支える演技陣も蒼井優のダンスには努力賞をあげるとして、松雪泰子、豊川悦司、富司純子の3名はじめ、脇を固める人たちはなんというか与えられたポジションでそのまんまという感じで、ありゃりゃでした。
懐かしむのは悪いことではありませんが、イギリスでは個性的な炭坑を舞台にした作品が多いだけにちょっと残念でした。
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