『ボーン・アルティメイタム』
☆☆☆1/2 圧倒的な緊張感。
おもしろかった! 見終わってそう言えたアクション映画は久しぶりではないでしょうか。完結編となるこの3作目は圧倒的な見せ場の連続を手に汗握る緊張感あふれる見事な構成でまとめていました。
ポール・グリーングラスはもともと『ブラディ・サンデー』で才気を感じさせていましたが、『ボーン・スプレマシー』には正直感心しませんでした。しかし『ユナイテッド93』で完全に次のステップに進化しましたね。そんじょそこらのドキュメントタッチではない、まさにグリーングラス独自のスタイル。緩みのないサスペンスシークエンスと、ふとしたディテールでみせるキャラクター造型の面白さ、これを絶妙なバランスでブレンドすることをフィクションの世界で成し遂げたということは、前作が素材ゆえにうまれた緊迫感なのかという指摘が間違いであり、これが彼のスタイルの完成だと示しています。シリーズ伝統の「こんな場所で?」的なロケーションの上手さは健在。今回もモロッコのタンジールと、アメリカNYのポートオーソリティにはびっくり! キャラクターの使い方(特に巨悪がCIAである点)には新鮮味が薄れているものの、みなツボをハズしていない所もさすがです。特に毎回出てくるボーンへの刺客が強烈な存在感を残していることは特筆に値します。ラストにはきっと数多くの観客がニヤリとし、拍手喝采を送ったことでしょう。
とにかくすぐに劇場へ足を運びましょう!(ただ少なくとも前2作はみておくべきです)。 こんな大当たりのアクション映画を見逃す手はありません。
(WMC港北ニュータウン2にて)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント