『リトル・チルドレン』
☆☆1/2 視点の面白さをいかしきれない。
トッド・フィールド(『アイズ・ワイド・シャット』のニックだよー、どこかでみた人だと思ったら。この人、俳優出身だったのね)の監督2作目は、現状への不安感を抱いた郊外の住宅地の住民たちをみつめたドラマです。この手の作品としては『アメリカン・ビューティー』などがあげられると思いますが、この作品はあれほどあからさまにシニカルではなく、かといって重厚さがあるわけではありません。ディテールの描き込み方も中途半端な印象で、エピソードの整理が足りない分、不要に長くなったと言えます。またキャラクターの描き方のバランスが悪く、主人公2人の造型はあまりにもつまらないと思います。パトリック・ウィルソンもケイト・ウィンスレットも役をつかみ損ねている印象です。一方でその周囲にいるロニーとその母、そしてラリーの描き方は冴え渡っており、中でもロニー演じるジャッキー・アール・ヘイリーの演技は鮮烈な印象を残します。
視点の面白さはありますが、それをいかしきれていない作品でした。
(ル・シネマ1にて)
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