『オペラ座の怪人』
☆☆1/2 映像的な再構築が不充分。
私の周囲では賛否両論だったこの作品。それほど悪くなかったというのが率直な印象です。劇団四季版はみていたものの、その舞台のあまりに凡庸な表現力(特に演技陣)にがっかりしていたのですが、少なくともオリジナルはそうでなかったことが確かめられただけでも収穫といえます。シュマッカーは正攻法で映像に置き換えようと試みており、オープニングのシャンデリアのシークエンスなどは見事です。ただあまりにも筋を追いすぎたキライがあり、かえって足かせになっている部分も(たとえばマスカレードのナンバーのところ)あって、映像的な再構築は充分だったとは言えません。ジェラルド・バトラーは歌はともかく作品にアクセントを与え、エミリー・ロッサムもその可憐な存在感と透明感のある歌声はぴったりです。あとパトリック・ウィルソンが出ていたのにはびっくり。
なおもう一つのトピックとしてさんざん盛り上がった戸田女史の字幕は、これに関しては相当難儀になる仕事だという覚悟が足りなかったのでは?と感じました。
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