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2007年7月31日 (火)

東宝の普及版という発想

黒澤明作品のDVDを低価格で再リリースするらしいのですが、<普及版>ってネーミングは何とかならなかったのでしょうか。まあ6000円台のものがほぼ半値近くで買えるのは素晴らしいと思いますが、もともとの値段も高いんですし。そもそも<普及>させようとしていないのはあなたたちじゃないですかって突っ込んでもいいですか?(笑)。しかも不安なのはアートワークが現在未公表なこと。うーん、こっちも安っぽくするのかなあ。

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2007年7月30日 (月)

気になるスマートフォン

今月はウィルコムの新しいスマートフォンが登場しました。すでにW-ZEROesユーザーな私も感心はあります。この機種もかなりいい線はいっていると思うのですが、なにしろ筐体がでかく、持ち運ぶ時にはやはり重くかさばります。で、今日さっそく店頭で実機をみてきたのですが、ほとんどサイズに変化はありませんでした。これであの値段はちょっとといった感じです。で、最近そそられているのがソフトバンクのスマートフォン。特にX-01Tがどんな仕上がりになるのかきになるところです。あと料金もどうなるのか。現在わが家は音声通話端末が2台とネット用端末の計3回線で月10000円を下回っているので、これより安くなることはないと思っているのですが、はたしてどうなのでしょう。

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2007年7月29日 (日)

DVD: RAY HARRYHAUSEN: THE EARLY YEARS COLLECTION(2枚組)

Dvrayha映画秘宝でも紹介されていたモデルアニメーションの神様、レイ・ハリーハウゼンの初期短編集。1946~1953年までに作られたおとぎ話10本の短編が収録されている。他にもテストフィルムなどが山盛り。短編はいわゆる子ども向けの作品が中心なのだが、これが素晴らしい出来映え。ヘンリー・セレックが『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』でやったような表情の変化とかも、この人はすでにここで完成の域にまで達していたというのが驚き。上の娘も興味津々。すごい人はやっぱりすごい! ディスクは2枚組。ケースにマルチリージョンと表示があるが、残念ながらリージョンは1。しかし一部分をのぞき、映像特典にまで日本語字幕がついていて(その代わり英語字幕がCCのみ)、もう買わずしてどうするという感じ。この手が好きな人は絶対に購入すべきDVD。

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2007年7月28日 (土)

東海道弾丸食べまくりひとり旅・2007夏 その4

 ここが今回の旅の最終目的地。前から食べたかった富士宮の焼きそばです。でもうなぎの混雑で、時間はやや押し気味。新幹線と身延線の乗り継ぎもヘビーなものになりました。つーか、新富士と富士のあの微妙な離れ方はなんなんだあ! まあ川崎と新川崎、横浜と新横浜なんか歩いて移動できないしな・・・(と勝手に納得)。

汗だくになって到着。しかしここでまたハプニング。目当ての店はまるで学校近所の駄菓子屋のような店構え。実質1つの鉄板を2つのエリアに分けて、2グループずつ食べている感じなので、客の回転が悪いのだが、その上待ち人は多く、炎天下で1時間以上待つハメになりました。なのにやたら前の男性2人組とおかみさんがトークしてるし。旅の醍醐味は交流だけれど、待ち人が多い時は後ろの人も気にしてほしいと切に願いました。

前島<焼きそば>☆☆
香ばしい風味はいいと思うのですが、富士宮焼きそばの特徴でもある麺の固さは好みが分かれると思います。私はダメ!おいう感じではなかったのですが、慣れるまでは少し食べなきゃだめそうです。でもこれを食べるために富士宮にもう1度来ようという気にはあまりならないかもしれません。

というわけでこのあと大あわてで仕事先へ。ひとまずおしまいです。明日は横浜のあたりをぶらついて帰ろうと思っていますが、すでにおなかがパンパンにふくらんでいます(笑)。浜松のギョウザは本当に最高です。今度は宇都宮かな?

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東海道弾丸食べまくりひとり旅・2007夏 その3

さあ、いよいようなぎだ!

ところがびっくり。土用の丑の日も近かったこともあるせいか、行こうとしていた所が開店30分前にすでに長蛇の列。あわてて並ぶとすでに12:30過ぎの時間でとのこと。どうもあと15分並ぶのが遅かったら、昼の部の営業はアウトだったらしいです。

あつみ<うなぎ>☆☆☆☆
Img086待った甲斐がありました! おいしかったあ!! 二段丼を食べたのですが、うなぎもタレもごはんも本当においしくて、やっぱり食事も映画館もトータルのパッケージなんだなあと実感(笑)。これで食後のメロンまでついて3000円チョイはリーズナブルだと思いました。品はあるのにヘンに格式ぶってない店構えといい(うなぎの寝床もありましたよん)、おやじさんの焼いている様子がちらちらと垣間見えて、最高です。本当はもう1件、うなぎを食べたい店があったのですが、そっちは東京にも支店があるようなので、がまんがまん。

さあ次の目的地へ。

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東海道弾丸食べまくりひとり旅・2007夏 その2

 浜松でのもうひとつの目的はうなぎ。一度本場の味を食べてみたかったのです。で、昼食は決定なので、午前中何をしようかと思案。

A:中田島砂丘
B:航空自衛隊浜松広報館エアーパーク

Img083  結局Bを選択。なぜなら帰り道に浜松城に寄れそうだから。シミュレーターや全天周映像、さらには実機のコクピットに座れたりします。ここはそっちの方面に興味のある人は燃えると思います。私? 別にぃという感じです。ただバスの本数も少なく、ましてやバス停からも距離は結構ありますので、足は車になると思います(というかここに今日徒歩できたのはオレぐらいか?)で、帰りに浜松城に寄りました。まあ大した場所ではなかったのですが、ここで初めて気がついたのですが、私は前回の旅で国宝に指定されている天守閣をすべて訪れたことになりました。それに浜松城(ここは復元)で気がつくというのもなあ(汗)。

 それから浜松市は今年の4/1から政令指定都市になったのですが、えらく面積が広くなっているのにびっくり。一応区があるのですが、地図をみると笑いますよ、あまりのバランスの悪さに。
Mapall2

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2007年7月27日 (金)

東海道弾丸食べまくりひとり旅・2007夏 その1

 今日から週末を利用して2月の東海道弾丸食べ歩きツアーの続き。はい、浜松より続きです。一度来た場所をまた訪れるというのは地理感覚が残っている時にはとても楽しいです。

というわけでさっそく浜松で。
Img082石松<ギョウザ>☆☆☆
池袋の餃子スタジアムに出品していた頃から、一度本店で食べたかったお店。うん、おいしかったです。浜松ギョウザは餡が野菜の味がしてすごく好みです。ただサイトの案内地図が不案内で往生しました。絶対浜北駅より小松駅からの方が徒歩では近いです。

で難儀してたら徒歩に時間がかかり、今日食べるはずのウナギを食い損ねました。仕方がないのでもう1件ギョウザ。

むつぎく<ギョウザ>☆☆☆☆
やっぱりもう1度食べたかったのです。今日もおいしかったあ。

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2007年7月26日 (木)

大盛堂書店本店が(とっくに)なくなっていた

 本当に今頃なのですが。たまたま渋谷の街を散策していた時に気がつきました。そもそも最近渋谷に行くということがほとんどなくなりました。結婚して子どもができて、本やCD・DVDもネットで購入し、映画もほとんどシネコンで鑑賞する今、よほどのことがないと行かない街になっています。さらにあっちの方面にはほとんど足を伸ばさないのです。専門書も数多く揃えていて、立ち読みもたっぷりとさせてもらい、さんざんお世話になった場所です。そういう場所が消えていくというのはやはり複雑な思いがあります(ラーメン屋「一蘭」が渋谷に出来ていたのにもビックリですが)。新宿同様、ここも私の学生時代の映画館はもうありません。
・渋谷パンテオン、渋谷東急、東急名画座、東急レックス(東急文化会館が閉館)
・渋谷東宝、渋谷文化(現渋東シネタワー)
・渋谷東映(現渋谷TOEI)
・渋谷宝塚(現シネフロント)
・渋谷ジョイシネマ
・渋谷文化(現渋谷シネパレス)
かつては映画祭のメイン会場であった渋谷も、映画の街という感じはせず、この後、インフラの整備により途中下車駅になる可能性のある渋谷という街はどこへ向かおうとしているのか、人ごとながら気になります。

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2007年7月25日 (水)

シネフェックス日本語版2007夏号

Ncinefex005で、こっちの方で興味があったのは『300』だったのですが、驚きが大きかったのはむしろ『ゾディアック』の方ですね。もうびっくり。デジタルドメインの技が冴え渡っていたことを再認識。一体何が邦画のエフェクツの違うのだろうかとため息が出ます。

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2007年7月24日 (火)

シネフェックス日本語版2007春号

Ncinefex004リニューアルしたシネフェックスもはや5号です。春号を買い忘れていたのでそれもまとめて購入。まず4号ですが、作品的にそそられるのがないので、流し読み程度で。気になったのは日本でも年内公開が決定した『フライボーイズ』。エフェクツもさることながら、これも全編HD撮影(パナビジョン・ジェネシス)ということで、別な意味で期待しています。でもシアターN渋谷でなんて・・・。こういうのは大きなスクリーンでみたいのですがねぇ。

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2007年7月23日 (月)

訃報:ラズロ・コバックス

 映画カメラマンのラズロ・コバックス氏が、22日米カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去、享年74歳。妻からの話としてハンガリー通信が伝えました。
 母国ハンガリーで撮影技術を学び、56年のハンガリー動乱を撮影。57年に渡米し、子供専門の写真家など職を転々とした後、69年公開の『イージーライダー』を撮影、世界的な名声を得るきっかけとなりました。その後も『ラスト・ワルツ』や『ペーパー・ムーン』など多数の作品を手掛けています。遺作は『トゥー・ウィークス・ノーティス』(2002)。ビルモス・シグモンドらと同様、ハリウッド外からやってきた撮影監督としてそのスタイルは大きな影響を与えました。暖色系の使い方が抜群にうまく、ドラマやコメディ作品の画調にも、ちょっとした品格を感じさせた人です。『ベスト・フレンズ・ウェディング』のルックは絶対に日本の映画人では真似のできないルックです。ご冥福をお祈りします。

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2007年7月22日 (日)

『トランスポーター2』

20070812171727☆☆ 娯楽度は高くなった。
 なんでおれ、これみたんだろ? とぼやきたくなるぐらい脳みそ空っぽな続編。でも前作より物語がシンプルになった分、娯楽度は高いかもしれません。ジェイソン・ステイサムは充分格好いいと思いますが、作品に恵まれていません。もっとシリアスな作品(私には『セルラー』の彼の方が7千倍近くカッコイイと思った)に出て欲しいと思います。彼の凄味と色気、そしてアクションは貴重です。

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2007年7月21日 (土)

DVD『大脱走』

Dvgreat ジョン・スタージェスの傑作。 →review ゆえにいろいろDVD出してもらうのはありがたいのですが、この作品、販売されているバージョンがありすぎ。そこまで思い入れはないので一番安い本編のみにしました(この本編は40周年記念版と同じ)。で、自分が鑑賞したのがハイビジョン版だったせいもあるのか、画質はもっさりとした感じ。素材をブラッシュアップして欲しい所。マスターに起因する傷を音は元気な5.1ch(というかオリジナル音声ってモノラルですか?)。
B-AVG.-5.96MB/sec.

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2007年7月20日 (金)

『直撃地獄拳 大逆転』

☆☆ おふざけのオンパレード。
 全編おふざけのオンパレードなんですが、私はおもしろくなかったです。まあ、こういうのもアリなんでしょう。やるならとことんあの3人組の面白さでいくべきで(郷鍈治サイコー!)、山城新吾のところなんていらないし、アクション場面が少なかったのもマイナスです。志穂美悦子と中島ゆたかがキュートでした。

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2007年7月19日 (木)

『極道戦国志 不動』

Dvfudoh☆☆ ハッタリ山盛り。
 ○○○で吹き矢、○○でサッカー、○○の殺し屋などが伝説の珍場面として語られている、三池崇史伝説のはじまりを告げた作品のひとつ。米国盤で鑑賞しました。この人の作品は下品だったりグロテスクだったりする場面がありますが、見せ物としてのいかがわしさをきちっと残す確信犯なので、それほど不快には感じません(でも痛い場面はみていて痛くなる)。『インプリント』なんて三池監督ならではの作品です。こういうハッタリは演出家には必要ですね。まあよくこんな場面を思いつくなと呆れるぐらいのサービス精神ですが(汗)。ただ『DEAD OR ALIVE 犯罪者』のような映画的な興奮には遠く及ばず作品としてはそれほど面白くはありませんでした。主人公が谷原章介では貫禄不足。キャラの立たせ方も不足気味です。

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2007年7月15日 (日)

『オーメン』(1976)

Dvomen☆☆☆ ゴールドスミスのスコアのマジック。
 もはやクラシックと呼べるオカルト作品をようやくみました。悪魔の子に関するネタばらしがもうちょっと神秘的であれば、また『エクソシスト』にはあった登場人物の心理的葛藤の食い足りなさ、そのあたりに不満は残るものの、それでもこの作品はよく出来てると思います。ドナーの職人的な演出もさることながら、やはりジェリー・ゴールドスミスのスコアの素晴らしさが功績大でしょう。どうしよう、世評的にはパート2以降最悪なのですが、みるべきか、みざるべきか・・・。

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2007年7月14日 (土)

『ゾディアック』

20070715222408☆☆☆ 膨大な事実。埋もれたエモーショナル。
 デビッド・フィンチャーが新作で、あの有名なゾディアック事件を取り扱う。そう聞いた時の胸騒ぎは映画ファンであればわかってもらえるでしょう。しかしながら新作の方向性はよくもわるくもそんな映画ファンの期待を裏切ったものになりました。
 ここでは「事実」が大きな柱になっています。わかっていることだけを再構築しようとした試みはとてもユニークなスタイルを作品に与えています。その異様なまでにディティールにこだわって再現されたサンフランシスコ、そして70年代の景色は(デジタルエフェクツの素晴らしさと共に)ため息が出るほどです。また『アポカリプト』と同様、ここでも全編HD撮影です。こちらで利用されているのはViper Film Stream Cameraで。これもまたすごいカメラですね。もしどこかでHDだと言われなければ全然わからなかったです。さらにこっちで驚いたのがもはやセット、ロケなどの区別など何の意味があるのかと言うぐらい、街のシーンではかなりの確率でデジタルエフェクツが使われていること(開巻早々のダイナーも実景プラスデジタル処理でっせ!)。『ALWAYS三丁目の夕日』なんて子どもの遊びレベルです。
 2時間30分近くをみせきる力量は見事だと思いますが、しかしながらここまで劇的な要素をそぎ落としてしまったことには違和感も感じるのです。『殺人の追憶』でポン・ジュノが達成したことを考えると、まるで殺人事件版『バリー・リンドン』のようなスタイルには乗り切れない部分があったのは事実です。特に事件を追いかけた3人の人生が狂っていく様子にもうひとつ切迫感が出てこなかったのは、きっと事実を並べたことで浮かび上がらせたい部分が、その圧倒的なディテールに埋没してしまったからではないでしょうか。それがフィンチャーの狙いなのかもしれませんが、ここは評価がわかれるところだと思います。キャスト陣は小さな役まで意外な名前が発見ができるほど目が届いており、また事実の一部として成立する材料となり得ています。中でもジェイク・ギレンホールはその成長ぶりには目を見張るばかりで、また次回作が楽しみになります。
 力作ですが観客の感性を試すようなトゲを持つ一筋縄では評価できない作品です。
(TOHOシネマズ横浜9にて)

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『ダイ・ハード4.0』

20070804233803☆1/2 マクレーンじゃなくても問題なし。
 思えば3のつまらなさに怒り狂ったのが、かれこれ12年も前なのだから、私も年をとるわけですな。このシリーズは実はいろいろと紆余曲折があり、たとえば2と3の間に5年のブランクがあったのは、最初の企画で豪華客船を舞台にしていたにもかかわらずセガールの『沈黙の艦隊』と内容がかぶるので白紙になったり、製作者側が交代したり(3以降はカロルコの片割れの会社が制作している)、さらには一度は4についても実は『ティアーズ・オブ・ザ・サン』が最初は4で話が進んでいたとか。そうやって考えるとなぜ今『ダイ・ハード』なのかはよく考えて欲しかったのです。つまり『ダイ・ハード』をシリーズとして続けるのはただのヒット狙いのブランドなのかということ。あれだけ心配させた『ロッキー・ザ・ファイナル』が奇跡的にギャグにならなかったことを考えると、ひょっとしてと思いました。
 結論としてこの作品はジョン・マクレーンが出てこなくてもまったく問題のない話になっています。シリーズ物として私が3に怒り狂ったのはそこであり、その点はこの作品も解消しませんでした。奥さんも出てこない、クリスマスでもない、エンディングで"Let it snow!"も当然かからない。マイケル・ケイメンの音楽ものぞめないし、拳銃までベレッタじゃありません。伏線なんてあったもんじゃない。せめてあり得ない状況を機知とど根性で乗り切る精神ぐらいは残して欲しかったのに、それすらまでなくなっている。凡百のアクション映画です。
 ウィリスが出てくるだけで『ダイ・ハード』にできるなら全部そうしちゃえばと、こっちがぼやきたくなる作品です。
(新宿プラザ劇場にて)

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新宿プラザ劇場

 今日は番組代わりな上に、『ハリー・ポッター』の先行上映もあって、軒並みシネコンでは小さな小屋に追いやられていたので、仕方なく新宿プラザへ。なんとここも3以来の鑑賞なので12年ぶり。客入りはなかなか良かったのでは?(仕方なく指定席でみました) ここは私が『ドラキュラ』でドルビーデジタルを初体験した思い入れのある劇場で都内で数少ない1000以上の座席数を誇る歴史ある劇場なのですが、ここの風呂場みたいなダイアローグの響き方には正直幻滅しました。いや、オケとかSEの音は悪くないのですが、シネコンなどの残響はフラット、直接音を中心にという新しいサウンドデザインの映画にはもはや絶対に相容れないのだと感じました。

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2007年7月13日 (金)

『アポカリプト』

20070715222405☆☆☆ そのエネルギーには抗しがたい魅力がある。
 こっちと『プレステージ』と共に最終日でどっちにするか迷ったのですが、こっちを選びました。いろいろとお騒がせなメル・ギブソンの新作は、前作『パッション』同様やはり物議をかもしました。確かに残酷な描写は出てきますし、未開の地の描き方は多分にモンド的だと思いました。でもジャングル版『マッドマックス2』とはよく言ったもので、途中つっこみどころはたくさんありますが、物語はとてもわかりやすく後半の逃亡劇は息をのむばかりの迫力です。そして私が同様に興奮したのはこの映画の撮影に関する技術的な側面でした。
 この作品はパナビジョン社のデジタルカメラ「ジェネシス」で撮影されていますが、これが大きく貢献しています。このカメラが初めて本格的に導入された『スーパーマン・リターンズ』のデジタル然としたルックと比較しても、このカメラが持っている本来の武器、つまりセットアップがフィルムカメラと変わらない気軽さ(従来のデジタルカメラはカメラ本体とは別に記録部分の聴きを接続する必要があった)と、絞りの部分でフィルムを遙かに凌駕する自由度を持っている点が、ついに本領発揮と言ったところです。オープニングのジャングルでのやりとりがまず驚き。そして逃亡した主人公を追いかける追跡者が松明で追いかけるシーンでさらにビックリ。『バリー・リンドン』でキューブリックとオルコットがやった蝋燭光をソースとした撮影の衝撃と同じぐらいの次元だと思います。確かにフィルムで撮影してもデジタルにインターメディエイトしてしまえば変わらないという人もいるかもしれませんが、これをみたら絶対に驚き、そして新しい可能性に興奮するはずです。
 そしてそんな新技術とギブソンの執念がうみだした活劇としてのエネルギーは尋常ではなく、抗しがたい魅力があります。
(WMC多摩センター6にて)

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WMC多摩センター(6)

6番スクリーン 席187 見*** 音*** 環***
最近のWMCは本当にどんどんコピーされて増えていく感じです。

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2007年7月12日 (木)

DVD『ストンプ・オデッセイ』

20061028_174128884 ドルビーのトレーラーでもおなじみのパフォーマンス集団ストンプを題材にしたアイマックス作品。なのだが肝心のストンプのパフォーマンスがほとんど収録されていない(涙)。レートが高い割には画質はあまりよくないし、まいったまいった・・・。
B-AVG.-9.16MB/sec.

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2007年7月11日 (水)

『300』

20070715222401☆1/2 コミックに近づいても映画の成功にはならない。
 フランク・ミラーのグラフィック・ノベルにはまったく興味がなく(『シン・シティ』も未見)、やはり個人的にポイントは『ドーン・オブ・ザ・デッド』のザック・スナイダーの新作だというところでしたが、正直期待はずれでした。
 かつてこういうヒロイックファンタジーの世界でいえば、『コナン・ザ・グレート』に燃えた身としては、やはりこれはウソの世界なのです。今みるとかなりしょぼいですが、でもやはりあのシュワの筋肉と大きな剣を振り回した世界は興奮しました。映画自体はウソの世界だというのは百も承知なのですが、心地よくだまされるかどうかというのは大きな違いがあり、あの筋肉も汗も嘘臭さが充満している以上、ここに描かれる血、痛み、そして心情も私たち観客に迫ってきません。ではデジタルエフェクツが満載なところに起因しているのか。いいえ、これは違います。それならば『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは評価できなくなります。そうするとつまるところウソのつき方、すなわち演出に問題が行き着きそうです。嘘臭さを観客が感じるのは、これは映画=モーション・ピクチャーであるはずなのに、なぜグラフィック・ノベルを再現した世界につきあわなくてはいけないのかというところです。これはコミックの映画化で成功する作品が少ないのと同じ次元の話になると思いますが、この作品で出た結論はどれだけコミックに近づいても映画は成功しないと言うことです。ひたすら怒鳴り続けるカリスマのかけらも感じないジェラルド・バトラーをはじめ、役者陣は完成後の作品をみて、俳優の仕事に疑問を感じるかもしれません。
 こういう世界がやりたければどうぞコミックで。映画が作りたいなら映画を作ってください。
WMC港北ニュータウン6にて)

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2007年7月10日 (火)

DVD『リトルショップ・オブ・ホラーズ』

Dvlittle 久しぶりにレンタルでみたら上の娘も大笑いで購入。『シュレック』といいこれといい、妙な所でアメリカナイズされているのだろうか?(笑) で、大好きというわけではないのだが、やはりプラクティカルエフェクツの素晴らしさには本当に感心。そういえば今年のSFXアニマトロニクス展「IT'S ALIVE!」にオードリーIIが展示されていました。インカメラエフェクツは、もっと見直されてもいいと思うのですが。それとスティーブ・マーティンは最高。画質音質は水準クラスだが、今となってはやや物足りない。コレクターズでぜひ再リリースを望むところ。
B-AVG.-6.15MB/sec.

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2007年7月 9日 (月)

『シー・オブ・ラブ』

Dvseaof☆1/2 いくらなんでもそりゃないよ。
 ワイラーの『コレクター』の後ですから、それだけでもハンデですが、いくらなんでもそりゃないよという作品でした。悪いけれど犯人探しはさくっとわかったし(だって【この後おもいっきりネタバレ】マイケル・ルーカーですよ! 彼が犯人なんて当たり前すぎジャ!)、アル・パチーノじゃなくてもいい役。エレン・バーキンはミスキャストだと思うし、ジョン・グッドマンはなんなのという無駄遣いぶりだし、笑えたのは売れる前のサミュエル・L・ジャクソンが登場したシーンだけ?

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2007年7月 8日 (日)

『リーグ・オブ・レジェンド』

Dvleague☆ 大味どころじゃないひどさ。
 なんかねぇ。大味とかのレベルではないような気がします。例の超能力4人組のよりひどいと思いました。じゃあなんでみたかって? これ、もらいものです。だってFOXのアンケートでもらえるDVDプレゼントで持ってなかったりみてなかったりした作品がこれしかなかったんですもん。

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2007年7月 7日 (土)

『コレクター』(1965)

Dvcollect☆☆☆ かみ合わない不毛な2人のやりとり。
 ウィリアム・ワイラーのサスペンススリラーをようやく。サイコスリラーというジャンルがいつ確立されたかというところはさまざまな議論があると思いますが、犯罪者側の歪んだ心理を描いたという意味では、この作品も禁じられた水先案内人になったというところでしょうか。
 もともとは舞台劇だったそうですが、やりかたを間違えると下品でつっこみどろの満載になるところを濃密な空間として描くワイラーの力はさすがです。2人のやりとりの不毛な様子に絶望的な恐ろしさを感じさせているからこそ最後のオチが効果的になります。このカッティングや技巧に走らない正攻法なスタイルは、ここ最近のスリラーにもお手本にしてもらいたい所です。
 そしてやはりテレンス・スタンプにつきます。リアルタイムでみている彼の出演作は、はっきりいってどうでもいい作品のどうでもいい役どころが多く、何がそんなにいいんだろうと思っていたのですが(ただし『イギリスから来た男』はのぞく。これはクールです)、なるほどこの当時のスタンプはものすごいカリスマを持っていたのがわかります。(『サイコ』のアンソニー・パーキンスもそうでしたが、こういう役どころがきちんとできる役者さん、この後はある意味つらいでしょうね) それに対してサマンサ・エッガーの方は、女性として、そして役者としての魅力を感じず、明らかにスタンプに負けていました。
 何度もみたくなるタイプの作品ではありませんが、一見の価値は充分にある古典です。

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2007年7月 6日 (金)

『追憶の街 エンパイア・フォールズ』

Dvempire WOWOWでオンエアされていたHBOのTVミニシリーズ。この間の『エンジェルス・イン・アメリカ』といい、本当にHBOのテレフィーチャーは凄いですね。テレビでしかできないことをたるという当たり前の発想をちゃんとやっています。この作品もピューリッツア賞を受賞したチチャード・ルッソ(『ノーバデーィズ・フール』)の原作を自らが脚本化。監督はフレッド・スケピシ(『愛しのロクサーヌ』『ミスター・ベースボール』)。そしてキャストがすごい。エド・ハリスにポール・ニューマン、ジョアン・ウッドワード、ロビン・ライト・ペン、エイダン・クイン、テレサ・ラッセル、デニス・ファリーナ、ジョシュ・ルーカス、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・フィクトナー、キャリー・ローウェルなどなど、さっと知っている名前をあげただけでもこれだけぞろぞろ出てきます。ゴールデングローブ賞でも作品賞と助演男優賞(ポール・ニューマン)、エミー賞でも助演男優賞と、評価の高さが伺えます。
 で、中身ですが見始めたら3時間ちょっとあっという間に過ぎました。まず演技陣が素晴らしい。お芝居を味合うということは映画の中で大きな楽しみの1つだと思います。で、こういう作品が日本で評価されない理由(そもそも私が日本のレビューで基本的に納得がいかないのが、なぜ演技についてもっと書かれないのかということ)としてお芝居的な見せ場がわかりにくいからなのだとしたら本当にもったいない! だってここに出てくる人たちのアンサンブルは見事としか言いようがないし、これほどわかりやすい例も少ないと思います。演技のベクトルがきちんと整理されていて、お芝居が浮いている人がいない。お見事です。ジョアン・ウッドワードの存在感、ロビン・ライト・ペンの悲哀、そしてヘレン・ハントの生活感。この女優陣のコントラストの鮮やかさ。そしてポール・ニューマンの懐の深さと苦渋をにじませる空気。そしてエド・ハリス! この作品世界をきっちりと支えたのはあなたの力です。今まで何度も何度もあなたに賛辞を捧げてきましたが、くり返しここでもお見事と言うほかはありません。そうか、あなたはポール・ニューマンの後継者にもなれる大きさを持っていたのかと嬉しい驚き。そうですね、彼で『暴力脱獄』とかみてみたい!(本当にリメイクしちゃイヤですが) またプロダクション・デザインも見事で、こういうちょっとだけ昔のリアリティをきちんと出せるのは素晴らしいと思います。
 大傑作というにはどうかという感じですが、少なくとも見逃すのはもったいない1本です。残念ながらソフト化はされていませんので、再度オンエアがあったらお見逃しなく。そのうち機会があったらHBOのこともまとめたいと思います。

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2007年7月 5日 (木)

『うつせみ』

Dutsusemi☆☆1/2 才に溺れた鬼才。
 アイディアも個性的だし、キャスティング自体も悪くない。でも『春夏秋冬そして春』と違ってこの作品は才に溺れた印象が強いです。というのもギドク監督が寓話性を強く求めつつも、日常の中でふとそれに気がつくというよな場面でリアリティがあまりにも欠如しているからです。このあたりはかつての日本映画の方がはるかに進んでいたと思いますし、映像の作り方も今回は奇をてらいすぎています。でもギドク監督の作品が強烈な個性がある故に、次に期待したいという気持ちを抱かせる点では何とも罪作りな映画作家だと言えるでしょう。

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2007年7月 4日 (水)

DVD『ドリームガールズ』(2枚組)

Ddreamgirls ミュージカルの楽しさを存分に味わえるビル・コンドンの快作。 →Review なお購入するなら絶対に2枚組のこっち。米国盤がほぼカンペキにローカライズされていて、その点でも大満足。いやあ、映像特典もひさしぶりにみていて楽しめました。やっぱり層の厚さが違うことを実感させられます。画質音質はなかなかなのだが、音質的にはもう一声すっきりしてもよかった気がする。
B-AVG.-5.82MB/sec.

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2007年7月 3日 (火)

『愛についてのキンゼイ・レポート』

Kinsey ☆☆ 真面目な人を真面目に描きすぎた。
 なんか今年に入ってから本当によくこの人をみかけます。そう、ピーター・サースガード。サースガードまつり? いえいえ別にそういうわけではないのですが(そういえばこの間はマシュー・ブロデリックとポール・ジアマッティまつりだったなー)。ビル・コンドンの監督作は、きわもの的な興味をきわめて真面目に取り組んだキンゼイ博士を、これまたきわめて真面目に描いた1本になりました。でもこの作品はそういうアプローチが正解だったか微妙だったといえます。キンゼイのアプローチが科学的な側面をもとに、人々の羞恥心に踏み込んでいく様を描いていくことになりますが、この映画はその様子をとらえきれずステレオタイプな描き方(特に古い価値観を持つ人)になったキライがあります。それゆえに性が人々の心を揺り動かし、開放し、逆に閉じこめてしまう様々な側面が、私たち観客に響いてこないのです。リーアム・ニーソンはハマリ役で、ローラ・リニーは逆に疑問(貞淑な感じもしないし、目覚めた感じもしない)。サースガードはそのとらえどころのなさがズバリ来ています。意欲作ではありますが、真面目に作りすぎて損をしてしまった作品です。

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2007年7月 2日 (月)

『力道山』

20070730230411☆☆1/2 ソル・ギョングをはじめ関わった人々の志は高い。
 評判は芳しくなく心配していたのですが、少なくとも『ALWAYS三丁目の夕日』よりは志が高い志が感じられました。それは時代を描くことで人の描き方をないがしろにするのではなく、その時代に必死になって生きた人を丁寧に描くことで、なぜそういう時代になったのかがわかるのではという点です。確かに演出が一本調子であるとか、冗長すぎて間延び気味の描写など、出来映えとしては問題があります。でもその体型や日本語の台詞も含めたソル・ギョングの演技、脇を固めた日本人キャストなど評価すべきポイントはたくさんあります。中でもソル・ギョングのお芝居だけでも絶対にみてほしい。こういう根性のある役者さんが魂をふきこんだことに私は感服するしかないのです。エンディングの神社でのエピソードは心にしみました。

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2007年7月 1日 (日)

『ユーズド・カー』

Usedcar☆☆ 展開がベタすぎ。
 ロバート・ゼメキスの初期作品で、なかなかDVD化されず見逃していた1本。何度も同じ事をかいていますが、こういう作品をぴかぴかの状態のプリントで上映されると言うことは滅多にない(しかも音響とかはさらに期待できないわけで)点でも、ホームシアターの恩恵は大きいと考えます。しかしこの手の低予算作品はかえって雰囲気がぶちこわしになることもあるのが難しいところ。のちの『バック・トゥ・ザ・フューチャーIII』を彷彿とさせるシーンがあったり、才気は感じられるものの、とりあえず大爆笑にはなりません。展開がベタすぎです。

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