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2007年7月14日 (土)

『ダイ・ハード4.0』

20070804233803☆1/2 マクレーンじゃなくても問題なし。
 思えば3のつまらなさに怒り狂ったのが、かれこれ12年も前なのだから、私も年をとるわけですな。このシリーズは実はいろいろと紆余曲折があり、たとえば2と3の間に5年のブランクがあったのは、最初の企画で豪華客船を舞台にしていたにもかかわらずセガールの『沈黙の艦隊』と内容がかぶるので白紙になったり、製作者側が交代したり(3以降はカロルコの片割れの会社が制作している)、さらには一度は4についても実は『ティアーズ・オブ・ザ・サン』が最初は4で話が進んでいたとか。そうやって考えるとなぜ今『ダイ・ハード』なのかはよく考えて欲しかったのです。つまり『ダイ・ハード』をシリーズとして続けるのはただのヒット狙いのブランドなのかということ。あれだけ心配させた『ロッキー・ザ・ファイナル』が奇跡的にギャグにならなかったことを考えると、ひょっとしてと思いました。
 結論としてこの作品はジョン・マクレーンが出てこなくてもまったく問題のない話になっています。シリーズ物として私が3に怒り狂ったのはそこであり、その点はこの作品も解消しませんでした。奥さんも出てこない、クリスマスでもない、エンディングで"Let it snow!"も当然かからない。マイケル・ケイメンの音楽ものぞめないし、拳銃までベレッタじゃありません。伏線なんてあったもんじゃない。せめてあり得ない状況を機知とど根性で乗り切る精神ぐらいは残して欲しかったのに、それすらまでなくなっている。凡百のアクション映画です。
 ウィリスが出てくるだけで『ダイ・ハード』にできるなら全部そうしちゃえばと、こっちがぼやきたくなる作品です。
(新宿プラザ劇場にて)

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