『イカとクジラ』
☆☆☆1/2 センスのよさが光る。
ようやくGWで年末から春先にかけて見逃していたものを追いかけ中。で、これなんですが、私にはウェス・アンダーソンの相棒というよりは、ジェニファー・ジェイソン・リーが選んだ男というわけで、気になっていた1本です。で、これが抜群によかったです。
まず描き方にヘンなクセがない。一歩間違うとやりすぎになるところをうまく抑えています。それから音楽の使い方もスノッブな感じがしません(『卒業白書』のタンジェリンドリームの音楽が出てきた時には笑いました)。役者陣の演技も見事なアンサンブルをみせていますが、このあたりも個性的でありながら同じ世界の住人であるリアリティが出ているのは、演出のうまさだと思います。ローラ・リニー、子役2人もさることながら、特にジェフ・ダニエルズには感嘆。本当にこの人はいい味が出ています。だってウディ・アレンでも、ジム・キャリー共演でも、硬軟自由自在。それでいて存在感もある。こんな役者さんはそう滅多にいるものではありません。
小品ですがセンスのよさが光る佳品です。
(早稲田松竹にて)
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