『スパイダーマン3』
☆☆1/2 いくらなんでも詰め込みすぎ。
いや、実はイヤな予感はしていたのです。それは音楽担当が前2作のダニー・エルフマンからクリストファー・ヤングに変わった事(正確に言えばダニー・エルフマンは『2』で、かなり衝突していたらしく、一部のスコアは違う人のものだという話)。え、そんなことで?とお思いの方、だって他の人気シリーズ物でそういうことがあるとどうなるか!(って結構そういうケースはあるのですが) 絶対に作風が変化するのです。で、今回はそれが当たってしまいました。しかも悪い方向で。
今回はとにかく物語が散漫な印象。話を詰め込みすぎです。個人的には『2』はよくできていたと思うのですが、あれは物語の進行が直線的で緩急のメリハリもあり、エンターテイメントとしての完成度は高かったと思います。今回もピーター・パーカーを巡る人間模様の面白さはさすがです。これは途中まではかなりいい線いっていたと思います。しかし後半になってくると話の整理に手一杯になり(特にベノムが登場してから)、それが展開にまったく効果をもたらさないのです。そう、なんというかスター・ウォーズの新三部作のように、じっくりみせてもらいたい場面が、いくつかの要素を同時進行させているためにとっちからっている印象だけが残るのです。そしてそれが観客にツッコミどころをたっぷり与えてしまった感じがしました。ですから当初の予定通りサンドマンのみにして、ベノムは出さなくてもよかった気がします。
サム・ライミが全方位の観客に愛される作品を作ろうとするなんて、時代も変わりました。
(109シネマズ川崎7にて)
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