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2007年5月30日 (水)

『白い巨塔』再放送終了

 BSフジでずっとやっていた再放送が終了しました。本放送では途中からしかみられなかったので(教授選挙の終わりのあたりから)、楽しみにずっとみていたのですが、ウン、やはり見応えがありました。男としては財前にも里見にも共感できる部分があるのではないかと思います。理想としては財前のバイタリティ、大河内教授の渋さ(笑)、里見の実直さを併せ持つ生き方ができるといいのかなあ。私? うーん、肩書き的なものへの上昇志向がまったくない人間ですが、仕事という部分では、いつもいつも前を向いて自分のキャリアを高めていきたいと考えているので、どっちかって言うと里見系の人でしょうか。うん、そういう部分で結果的にまわりに迷惑かけちゃう点も似てるかも(と自己反省)。ただ里見ほど実直ではないです。2人と決定的に違うのは「仕事人間」ではなく「趣味人間」であるところでしょう。ははは、なんかこういうサイトを運営している人間らしい自虐的なオチをつけてしまいました(爆)。

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2007年5月29日 (火)

DVD『オール・ザット・ジャズ』ミュージック・エディション

Datj ミュージック・エディションという形で再リリースされたボブ・フォッシー不朽の名作。なのだがまず最初に言わせてもらうと前回のリリースのものを処分してはいけません! ぜーんぜん仕様が違います。
まずビスタスクイーズ収録という点は一緒。画質は同レベルだし、日本語字幕も同じ。ところが一部字幕の出方が違います(ジョージ・ベンソンの"On broadway"は今回のリリース版では日本語字幕が出ない)。それから音声が5.1ch化。そして映像特典。

<通常盤>
ロイ・シャイダーの音声コメンタリー
ロイ・シャイダーへのインタビュー
舞台裏クリップ集
予告編

<ミュージックエディション>
ミュージックボックス
ある振り付け師の素顔
魅惑のサウンドトラック
ジョージ・ベンソンへのインタビュー
シング・ア・ロング1曲
スティル・ギャラリー

見事に一致していません(笑)。まあ、どっちも玉石混交な感じではあるのですが、この作品のファンは両方マストアイテムでしょう。特に今回の特典のドキュメンタリー2本はミュージカルステージのファンも必見です。著名演出家、振付家がばんばん出てきます。そうそう、ジャケットは絶対今回の方がいいです。引き延ばして飾りたいぐらいです。
B-AVG.-5.79MB/sec.

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2007年5月28日 (月)

第60回カンヌ国際映画祭結果

 5/27、第60回カンヌ国際映画祭が閉幕し、授賞式では最高賞のパルムドールにルーマニア人監督クリスティアン・ムンジウ の"4 Months, 3 Weeks, and 2 Days"が選ばれた。また、日本の河瀬直美監督『殯の森』が次席の審査員特別グランプリに輝いた。邦画の同賞受賞は1990年の小栗康平監督『死の棘』以来。最近の主要賞では、1997年に今村昌平監督の『うなぎ』が最高賞、2004年に柳楽優弥が『誰も知らない』で男優賞を受賞している。河瀬監督は1997年、初の劇場用映画『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭の新人賞「カメラドール」を史上最年少で受賞した。コンペティション部門への出品は2003年の『沙羅双樹』以来、2度目だった。6/23から東京・渋谷のシネマ・アンジェリカなどで公開。

【パルムドール】"4 Months, 3 Weeks, and 2 Days"
【審査員特別グランプリ】『殯の森』
【監督賞】ジュリアン・シュナーベル "Le Scaphandre et le papillon"
【脚本賞】ファティ・アキン "The Edge of Heaven"
【男優賞】コンスタンチン・ラヴロネンコ "The Banishment"
【女優賞】チョン・ドヨン "Secret Sunshine"
【審査員賞】"Persepolis" "Silent Light"
【カメラ・ドール】"Meduzot"(Jellyfish)
【60回記念賞】『パラノイド・パーク』

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2007年5月27日 (日)

DVD『レッズ』

Dreds オスカーも獲得したウォーレン・ベイティ渾身の監督作がついにDVD化。いや、これはすごい作品です。大体今頃初DVD化されたことでもわかるように、今、こういう企画が成立する事は想像できない(いや、その当時でも)。でもジョン・リードの「世界を揺るがした十日間」は名著だし、この作品に込められたパッションはみる人を圧倒するはず。映像特典ではベイティが嬉しそうに当時の思い出話を語りまくり、何か微笑ましいです。残念なのは予想されていたとはいえ本編が2枚にわたってしまったこと(まあ195分ありますからねぇ)。しかし画質は黒が締まり、今までオンエアされていたのは何なのよと言いたくなるぐらい状態が良く、名手ストラーロの映像設計に存分に酔うことができる。本編5.1chのリミックスもすっきりしていてマル。
Disc1-7.33MB/sec. Disc2-7.5MB/sec.

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2007年5月26日 (土)

DVD『悪魔のいけにえ2』(完全版)

0000_1  トビー・フーパーがキャノンフィルムの資本をバックに撮った怪作がスクイーズ化されて再リリース。東京ファンタにトビー・フーパーが来日して大騒ぎしながらみた思い出がある(サインまでもらった!)。米国盤がリリースされた時にこれは出ないかなと思っていたので今回の発売は素直に嬉しい。で、画質はもともとの状態もよくないのだろうが、スクイーズの恩恵はあり。音は変化なし。目玉は映像特典なのだが、とにかくキャストの皆さんのいい人ぶりがよくわかります、ハイ。未公開映像はちょっと画質ひどすぎで、うれしさ半分といったところか。デニス・ホッパーはキライなのかなあ、これ。
B-AVG.5.17-MB/sec.

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2007年5月25日 (金)

PS3、どうしよう?

 わが家はまだPS3は導入してませんし、ブルーレイもありません。もっとも手頃なブルーレイプレイヤーとなる可能性のあるPS3ですが、今日発表されたファームウェアのバージョンアップは、ちょっとした大騒ぎになっています。

ポイント1:HDMI出力端子から最高1080pでアップスケーリング出力できること。しかもこのスケーラーの質がかなりよいらしいのです。
ポイント2:ブルーレイディスクのダウンコンバート出力に対応。
ポイント3:ブルーレイディスクの1080/24p出力に対応。

しかしこれだけの機能をファームウェアのアップデートで実現できるのはちょっと驚きです。うーん、やっぱ買いかなあ。個人的にどうしても次世代ディスクの本命はブルーレイでもHD-DVDでもないと思っているので、しばらく様子見のつもりでした。でも酒井さんのところ読んでいると本当に欲しくて欲しくて仕方がなくなります。そういう前科もあるし(爆)。

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2007年5月24日 (木)

訃報:熊井啓

 『帝銀事件・死刑囚』『海と毒薬』『日本の黒い夏/冤罪』など幅広く社会的なテーマを扱ってきた日本を代表する社会派の巨匠、熊井啓監督が5/23、クモ膜下出血のために亡くなりました。76歳でした。
 長野県生まれで、新制の信州大学を卒業後、独立プロダクションの助監督を経て、日活撮影所監督部に入社。助監督時代は『五番町夕霧楼』などで知られる田坂具隆監督に師事。監督デビューは64年の『帝銀事件・死刑囚』。その後も『黒部の太陽』(1968)、『天平の甍』(1980)などの作品を残しました。『サンダカン八番娼館/望郷』(1974)と『海と毒薬』ではベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、2001年に功労賞も受賞しています。亡くなる直前まで、渡辺謙を主役にした20作目となる企画に取り組んでいたというが、黒澤明監督の遺稿の映画化『海はみていた』(02)が遺作になりました。
 正直かなり堅苦しい作品が多く(題材的にはキライではないのですが)、あまり好きな作品はないのですが、『天平の甍』を最初にみた時のあの感動は忘れません。唐招提寺で思いにふける普照の姿は、熊井啓の重厚さがあってこそ成立した場面でした。ご冥福をお祈りします。

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2007年5月23日 (水)

全米興収『シュレック3』

 注目の第2ラウンド。日本でもあまり受け入れられているとはいいがたいものの、アメリカ公開の歴代記録では恐ろしいことになっていた『シュレック』シリーズ。いよいよ3の登場。
 さて結果は興収1億2200万ドル(約148億円)を叩き出す快調な滑り出しで初登場1位。アニメーション作品に限って言えば『2』の記録1億0804万ドルを抜き、実写を含めても歴代で3位。まあ順調といえるでしょう。はたしてトータル成績がどこまでいけるかですね。『2』は4億ドルですからねぇ。
 ちなみに『スパイダーマン3』は2週目以降の落ち込みが激しく、かなりやばい感じです。すぐに『4』はないでしょう、これでは。

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2007年5月22日 (火)

素晴らしいスタッフ&キャストたち

 豪華なスタッフとキャストにもふれておきましょう。まず監督のマイク・ニコルズ。元々舞台の演出家であった彼ですが、『卒業』をはじめとして風刺の効いたコミカルな作品で佳作をたくさん残しています。この作品はそういった意味でも換えの集大成的アプローチがなされているともいえるでしょう。音楽はトーマス・ニューマン。『ショーシャンクの空に』『アメリカン・ビューティ』などで素晴らしいスコアを聴かせてくれましたが、ここでも印象的なオープニングテーマをはじめとして、さすがの仕事をしています。ビジュアルエフェクツスーパーバイザーとして、ILMやボスフィルムで活動したリチャード・エドランド。ボスフィルムスタジオが閉鎖されてからなかなか仕事が恵まれなかったようですが、彼のリアリティにポイントが置かれたビジュアルエフェクツがさまざまな場面で使われていました。衣装デザインには『めぐりあう時間たち』のアン・ロス。撮影は『リーサル・ウェポン』のスティーヴン・ゴールドブラット。
 キャスティングではまずアル・パチーノ。ロイ・コーンをさすがの貫禄で演じています。チャーミングでいやみたらしくて、ゲイの匂いも少しだけさせるところが心憎いです。女性陣では三役を演じたメリル・ストリープ。中でも典型的な保守的女性ハンナ・ピットを絶妙なさじ加減で演じます。この2人の役が古典的米国価値観を象徴するならば、若手のキャストたちは新しい流れと旧来の価値観の中で翻弄される米国人を演じます。中でもジェフリー・ライトの存在感は見事です。最後に狂言回し的な役割をするエマ・トンプソン。最近ケイト・ブランシェットが英国女性の典型として存在感が増すばかりですが、この人はもっと評価されても良いはずです。

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2007年5月21日 (月)

『エンジェルス・イン・アメリカ』自分の中での2つのツボ

 2つポイントがありました。
 ひとつめはローゼンバーグ夫妻が登場していた事に不覚にも気がつかなかった事。開巻間もなくアル・パチーノ演じる弁護士ロイ・コーンのオフィスに、この事件を伝える新聞記事が掲示されていたのです。そしてやがてエイズに侵されていくロイの幻覚に、エセル・ローゼンバーグ(メリル・ストリープ)が現れるようになります。このローゼンバーグ事件は1950年に原子爆弾製造に関するスパイ容疑をかけられた夫婦が死刑にいたるのですが、当時共産主義の脅威が言われはじめた時代故に、センセーショナルにとりあげられ、アメリカ近現代史の中では有名な事件のひとつです。またマッカーシズムで多くの人々がいわれなき罪で苦しんだように、このローゼンバーグ夫妻も本当に有罪だったのかはいまだに議論がわかれている事件でもあります。またこのローゼンバーグ事件は小説などでモチーフとしてとりあげられることもしばしばで、その中でももっとも有名なのはエドガー・ドクトロウの小説「ダニエル書」でしょう。ミロシュ・フォアマンの映画でも知られる「ラグタイム」の原作でも知られるドクトロウのこの小説は、ローゼンバーグ事件をモデルにして、残された2人の子どもを描いた名作です。で、この小説を知るきっかけはやはり映画で、実はこの小説も1983年に映画化されています。監督はなんとあの名匠シドニー・ルメットで、『評決』の後に作った作品です。しかし物語の難しさゆえにか、日本では劇場未公開。未だにDVDはおろかソフト化も日本ではされていません。何しろ私にとって映画好きの入り口で、面白さを存分に教えてくれた1人ですから、気になって気になって仕方がありません。やがて大人になって米国盤のVHSを入手しましたが、あまりの画質の悪さに耐えられずに、そのまま眠ったままになっています。いわば幻の1本です。
 ふたつめは実はそのロイ・コーンなる弁護士も実在の人物であった事を知らなかった事。赤狩りで黒幕と呼ばれた1人だったそうで、ローゼンバーグ夫妻を有罪にするにあたって、大きな影響力を持った人物でした。また当時共産主義者だけでなく同性愛者も攻撃したコーンですが、彼自身、男性との性交渉によって、後にAIDSにかかり、肝臓ガンと言い張ったというエピソードも実話だそうです。
 というわけでこの2つのポイントで、1950年代のような古き良きアメリカの価値観では生きていけない時代をどう現代人は生きていくのかというこの作品の視点を私ははっきりと持つ事ができました。映画の楽しみの1つに、ひとつの作品から新しい世界への扉になるということがあります。私が人よりはそういう面で好奇心旺盛になり、それなりの素養を身につけられた(といってもまだまだですが)のも映画のおかげです。
 もう1回だけ続きます!

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2007年5月20日 (日)

『エンジェルス・イン・アメリカ』全体の感想

 まず作品全体を見終えた感想。何から語ればよいのかのとっかかかりすら見つけるのが大変なのですが、まあひと言で言ってしまえば、神の不在を感じる現代で、生きていく事が苦痛に感じるほどの災いがふりかかってきたとしても、それでも人々は生きていく意味があるのかということが大きなテーマになっています。1980年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、物語はエイズという存在に不安を感じる同性愛者たちとその家族が主要人物になっていきます。背景には政治(民主党と共和党という機軸だけでなく、レーガン政権下で大きく変わった米国的な倫理観も出てきます。ホモセクシュアルに関する人権などの訴訟が出てきたのもこの時代です)、宗教(ユダヤ教とモルモン教)、人種などがあり、神の不在=絶対的な正しさが確信をもって言えない時代のドラマを紡ぎ出します。確かにこういう背景をしっていないと理解が難しいドラマではあるのですが、逆に言うと知的好奇心をおおいに刺激される作品です。で、私がなぜ今回一気にみられたのかも、ある部分で知的好奇心をおおいに刺激されたからなのです。
 というわけでまだまだ続く!

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2007年5月19日 (土)

『エンジェルス・イン・アメリカ』

51zbbeal ようやく見終えました。WOWOWがハイビジョンで一挙再放映をしてくれたおかげです。HBOがなんと7000万ドル(約75億円でっせ!)の制作費をつぎこみ、演出のマイク・ニコルズはじめ各方面の才能を集めた渾身のミニシリーズ。本当にアメリカの演劇テレビの賞をのきなみかっさらった作品でした(私もそれで知っていた)。

原作:「エンジェルス・イン・アメリカ―国家的テーマに関するゲイ・ファンタジア」
"Angels in America: A Gay Fantasia on National Themes"
2部作による戯曲で1993年ピュリツァー賞受賞

舞台:第1部「至福千年紀が近づく」"Millennium Approaches"
   第2部「ペレストロイカ」"Perestroika"
初演は1989年。ブロードウェイでは1993年より公演。
1993年に第1部がトニー賞最優秀演劇作品賞
1994年に第2部がトニー賞最優秀演劇作品賞

TVドラマ:
第56回エミー賞11部門受賞(単一作品としては史上最多タイ。ミニシリーズでは、あの『ルーツ』の9個を抜いて史上最多。ちなみに21のノミネーションも史上最多)
第61回ゴールデン・グローブ賞ミニ・シリーズ/TVムービー部門では獲得できる全5部門を完全制覇。

なので、私もすんごーく期待していたのです。もう、それはそれはすごく。
でも。
WOWOWで2004年末にオンエアをした時にみたのですが、実はチャプター2で挫折しました。いや、おもしろかったんです。けど面白さとしてはまあ、ボチボチといったぐらいで、はやく後をみたいという気にはなりませんでした。じゃあ、なんで今回は一気に進んだのか。しばらくこの作品をあつーく語りますので、おつきあいを。

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2007年5月18日 (金)

『何がジェーンに起ったか?』

31mck2d0☆☆1/2 もうひとつドラマとして食い足りない。
 別に姉妹つながりなわけではないのですが。とにかくベティ・デイビスとジョーン・クロフォードの存在感と、ビジュアルとしてのモノクロ撮影が心理的圧迫感を醸し出す事に成功しています。ただスリラーとしては上々の出来ですが、ドラマとしてはもうひとつ食い足りない所があります。おそらくここで描かれる男性のポジションが軽すぎる事、それから2人の心理的な葛藤を示す場面が少ない事で、作品としての「格」、同じ醜さを描いたワイルダーの『サンセット大通り』ほどの感銘はなくなったかもしれません。脚本家H・ファレルはこの後も熟女ホラーとも呼ぶべき作品を何本か残していますが、これはこえられず。

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2007年5月17日 (木)

『イン・ハー・シューズ』

20070528162349☆☆☆1/2 監督の確かな腕。
 監督は名手カーティス・ハンソン。周囲にいいよー!と連呼され、行く気はあったものの、結局見逃したこの作品でしたが、いや、ヨカッタヨカッタ。130分もあっという間(この長さもみる気が失せた要素のひとつ)、それにキャメロン・ディアズも(この人が主人公というのもやっぱりみる気が失せた要素のひとつ)、トニ・コレットも、なによりシャーリー・マクレーンも。
 私はシャーリー・マクレーンつながりで行くと『愛と追憶の日々』が大嫌いなのですが、実は物語の世界観はかなり似ています。けれどもカーティス・ハンソンは見せ方はオーソドックスでありながら、オフビートであり、そしてツボは外さない。無駄に湿っぽい世界にはせず、むしろ我々が見過ごしがちなところをきちんとみせ、エモーショナルな部分を構築しています。『8マイル』『L.A.コンフィデンシャル』、そしてこれと彼のフィルモグラフィを並べてみても、その腕の確かさはわかろうというもの。次回作(『ラッキー・ユー』、向こうのレビューはかなり悪かったけど)も楽しみです。

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2007年5月16日 (水)

『トランスポーター』

20070528162353☆☆ 突っ込むオレも野暮だが、作品も野暮そのもの。
 世界で最高にクールなハゲオヤジ、ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画。まあ、いきおいあまってみてしまったというのが実感なのですが、まあ目くじらをたてるほうが野暮なタイプの作品ですね。いや実際やり方さえ間違えなければかなりクールな作品に変身できたと思うのです。ところがこのあたりがベッソンがガキだと思われているところなのでしょう。結局ストイックさに欠けている気がします。目くじらを立てるのは野暮かもしれませんが、ポップコーンムービーとしてもそれほどの出来ではないので、そこだけは言わせてもらいました。

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2007年5月15日 (火)

まあ、たかが3ラウンドですが

久しぶりに笑った。

FOX、新アルティメット版「ロッキー」のDVDに誤記

12ラウンドと15ラウンドの違いなんて、まあ気がついた人もエライが、こういう作品に関わる基本的な商品の売り言葉を間違えることは、実は日常茶飯事ですよね。パブリシティが配給とは分業になってから作品への愛が本当に薄い。情けない。そういえばその昔、ウォルター・ヒルの『トレスパス』のサントラの日本語帯タイトルが『トレパレス』なっていた。この業界は愛情に飢えた作品と、ワープロ的誤変換による誤植でいっぱいなのですよ、ハイ。
 そんな私が過去一番おかしかった映画関係誤植。東宝東和配給『SF新世紀レンズマン』のパンフレットで、主題歌を担当したアルフィーのプロフィール。「たて続けに50枚を越えるヒットをとばし」。その程度の売れ行きじゃインディーズだってば。

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2007年5月14日 (月)

「「玉砕総指揮官」の絵手紙」

1krrd60f で、これはイーストウッドが直接映画を作るきっかけになった絵手紙集。確かにこういう絵手紙を残す人物が、あの激戦地での敵将であったということは、米軍側にするとまずは驚きの感情を持つ事は想像に難しくない。この本自体が栗林という人物を浮かび上がらせる一級の資料であるが、ただやはり背景に何があるかをしる必要もあるので、サブテキストとしておすすめしたい。

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2007年5月13日 (日)

「散るぞ悲しき」

1h2yv1j ずっと注文していて読んでいなかった『硫黄島からの手紙』関連書籍をGW前後からようやく。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した本作。なるほどの力作で出来事の検証も丁寧で説得力があり、栗林忠道という人物を俯瞰的にとらえていて、とてもわかりやすい。ただあまりにも栗林という人物のできたところのみがクローズアップされているような気がするのも事実で、ここは難しいところである。

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2007年5月12日 (土)

PLCってどうすか?

 さて昨年末から対応機種が出始めたのが電力線通信、通称PLC(Power Line Communications)。はやい話が家庭内のコンセントから電力線をネットワーク用の通信回路とすること。これから家電もネットワークが始まるとするとこういう形が便利だというのはすごくわかります。ただ電源にまで心血を注いで音をよくしようとしてきたオーディオファンには耐えられないでしょうね。わが家はあらかじめLAN配線を考えてあり、縦の有線、横で無線で使えます。しかもサーバーまでたててあります。いや、そこまでやるほど広くはない家なのですが(爆)。もう少し価格が手ごろになってきたら試してみたい気はします。

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2007年5月11日 (金)

『レオポルド・ブルームへの手紙』

31vz85e☆☆ ただの凡作。
 WOWOWの予告をみて気になったので鑑賞しましたが、正直がっかり。これ、ジョイスの『ユリシーズ』の翻案としてはかなり面白い着眼点(いかにも米国的家族再生を南部的倫理観でとらえようとしている)でいっているのですが、いかんせん話の展開が平板な上に、人物の描き分けがステレオタイプで、ただの凡作になってしまいました。中でも物語のキーパーソンはエリザベス・シュー演じる母親になると思いますが、彼女にしては珍しく説得力のかけらもない演技に終始し、私たちをしらけさせます。
 とりあえず見かけほどの感動は得られないハリボテの作品です。

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2007年5月10日 (木)

DVD『父親たちの星条旗』(2枚組)

Foofdvd イーストウッド硫黄島2部作のアメリカ編。→review こうやって劇場では「父親」「手紙」の順で鑑賞して、DVDでは逆の順番で鑑賞したが、本当に甲乙つけがたい完成度だったと再認識。しかもこちらは構成がストレートではないぶんだけ、私も好みは「手紙」の方なのだが、余韻という点ではずっと尾を引く作品はこちらでしょう。こちらも迷わず2枚組を購入。映像特典はこちらも豪華だが、やはりキャストのインタビューに国民性が出ているなと感じる。やっぱり自分の国の歴史や政治をきちんと常識として考えられることはとても大事だし、逆にそれができないと幼く感じるのだろう。
B-AVG.-6.45MB/sec.

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2007年5月 9日 (水)

『スパイダーマン3』オープニング成績

さあ、注目のオープニング。
5/4に史上最多4252館で全米公開された『スパイダーマン3』公開初日の興収5900万ドル。週末3日間の興行成績が史上最高額となる1億5100万ドル。これまで『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』が持つ1億3560万ドルを塗り替えた。ちなみに初日も新記録(これまでは同じく「パイレーツ2」の5580万ドル)、劇場1館あたりの興収平均(シアター・アベレージ)も3万5540ドルで新記録。ちなみに日本でも6日までで動員257万8255人、興収31億8756万5250円。ハリウッド映画の興収30億円超えの最短記録らしい。ただこの後、強力なライバルも多いし、どうもこれだけ一斉にいくと落ち込みが予想以上に激しくなるような気もするのですが・・・。

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2007年5月 8日 (火)

クリエイターの矜持

ちょっと唖然とした・・・。

ニュー・オーダーのDVDジャケット、デザインの盗作?

模倣か偶然の一致かは、クリエイターにしかわからないことです。でもこれはひどい。もしこれが偶然だとしたら、何でもアリですね。好きなアーティストゆえに、関わったスタッフがそういうことをされると、いつも以上に不愉快になります。

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2007年5月 7日 (月)

DVD: STRANGE DAYS

9595邦題『ストレンジ・デイズ』
 企画満点、出来は赤点を連発する(?)キャスリン・ビグロー監督の近未来サスペンス。いやamazon.comで衝動買いです。日本でも黎明期にジュエルケースで発売されたが、その後、他のヘラルド配給のもの(『ヒート』『トゥルー・ライズ』など)はトール化再発されたものの。これだけは未だに再発なし。キャストもいいし、発想は悪くないハズなのだが、話の展開がもたつく上に、リアリティに欠けるビジュアルも足を引っ張る。ただDVDとしてはなかなかの質で、THXらしい甘いフォーカスながら発色はよく、またサウンドデザインもかなりよい。以前所持していたdts-LDと比較しても遜色ない。
B-AVG.-6.81MB/sec.

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2007年5月 6日 (日)

DVD: NEVER CRY WOLF

Ncwdvd邦題『ネバー・クライ・ウルフ』
 キャロル・バラード監督の佳作。以前はAnchor Bayからリリースされていたが、いつの間にか権利切れで本家のディズニーから再リリースされていた。その割には日本では現在まで未DVD化。今回はスクイーズ化&5.1ch化、めでたく英語字幕も収録されたが、元々の映像素材にフィルムの傷みが多数あり、それらは結局修復されず、画質に関しては大幅な向上とは言えない。映像特典類は一切なし。マーク・アイシャムのデビュースコアの美しさは堪能できる。
B-AVG.-8.23MB/sec.

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2007年5月 5日 (土)

DVD: HAPPY FEET

20070422_222744217邦題『ハッピー フィート』 →Review
 というわけでわが家の娘(特に下の子)用に、リージョン1盤を購入。結局劇場ではフィルム版でしかみなかったのだが、これはもう絶対にDLPだったなあと痛感&後悔。ちなみにまったく別件だが、本当はこれ、アイマックスで3Dをやる予定だったとか。もしそうだったら品川のメルシャンアイマックスシアターのトリはこれだったのねと思うとかえずがえすも流れたのは残念。とにかくフィルム版とは氷の質感とかが全然違い、奥行き感のある映像をみせてくれる。ただ大人になったペンギンの気色悪さまでも倍増されている所があり(海の嘘くささなど)、そのあたりは痛し痒しなのだろう。音はダイナミックで歯切れが良い。特典はにぎやかで子ども大喜びでした。
(B-AVG.-6.98MB/sec.)

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2007年5月 4日 (金)

ユナイテッドシネマ豊洲(11)

 首都圏では入間、としまえんに次ぐ3番目のユナイテッドシネマ。2006年10月5日にオープンした。全館SRD-EXのみという設定もさることながら、注目はサウンドデザインをヤマハが行っており、スピーカーはヤマハが代理店をつとめるクリプシュのものが導入されていること(他だと舞浜のシネマイクスピアリ)。そう、わが家のセンターSPと同じだー。そのせいかとても耳に馴染んでます(笑)。イスはかなり大型の物でヘッドレストは頭よりも高いタイプ、ひじかけが各席に両サイドついているものになっている。としまえんと同様、豪華で金をかけた内装だが、相変わらずレイアウトは最悪で、なんで場内に入るのにあんなに遠回りしなくてはいけないのか、納得がいかない。トイレの便器のチョイスといい、わけのわからんカフェにあれほどのスペースをとる無神経さといい、少なくとも港北ニュータウンでみせたWMCの徹底したファミリー層への配慮という方向性とは真逆の方向で差別化をはかっているようだが、コンセプトは大間違いなのではないか。

スクリーン11
(席78 見**1/2 音*** 環**1/2)
豊洲では2番目に少ないキャパの所だが、その割にはスクリーンは大きめでみやすい。ただ遮光による工夫で廊下からの入り方を前方にもってきているため、スクリーン前を必ず通らなくてはいけないのは残念。集中をそがれる。

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『ドリームガールズ』

20070505175614☆☆☆1/2 お見事なエンターテイメント!
 実は前日猛ダッシュで銀座から豊洲に移動したにもかかわらず売り切れ(まあ、確かにキャパが80のところだったからねぇ)。なんで豊洲に2日連続でとぼやきたくなりましたが、いやあ、みてよかった! これはお見事なエンターテイメント、ミュージカルの映画化としては屈指の出来映えです。
 モータウン・レコードとシュープリームスをモデルにしたと思われる物語自体が、私のような洋楽ファンにはたまらないのですが、昨今失敗続きだったミュージカルの映画化の中で、ビル・コンドンの作り方も評価に値します。エネルギーはそのままに、しかし視覚的な楽しさを舞台から巧みに置き換えて、スクリーンに再現しています。ここがポイントでステージ自体が視覚的な楽しさがあるのならば、無理してそれをフィルム的表現に固執せず、そのままうつしとる方がよいのだと感じました。これならば舞台の方がさぞおもしろかったろうになどとは思いません。あの幕切れもいかにもステージ的で好きです。
 役者陣も素晴らしく、脇を固める人々もいい味を出しています。エディ・マーフィもよかったです。彼の存在がブラックミュージックがポピュラーになっていく部分での壁を体現していただけに、こういう儲け役でオスカーがもらえなかったのは残念でしたねぇ。反面、ジェニファー・ハドソンは過大評価されすぎでしょう。確かに抜群に歌はうまいし、演技もそこそこですが、同じように儲け役だったにすぎない気がします。
(ユナイテッドシネマ豊洲11にて)

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2007年5月 3日 (木)

銀座シネパトス2

(席130 見* 音*1/2 環*)
 とうとうここでみるはめになりました。とってつけたようなJBLスピーカー。小さなスクリーン。ドアがないトイレ。そして響き渡る地下鉄の走行音。二度と来ません。

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『パフューム ある人殺しの物語』

20070504143518☆☆☆1/2 毒を持った一級品。
 素晴らしかった! はっきりいって観客を選ぶ作品ですが、見事な出来映えであることには違いない作品です。
 一歩間違えるとただ下品なだけの作品になると思うのですが、背徳の美しさをきちんと表現している事が最大のポイントでしょう。そもそも芸術というものが主観的なところが多分にあって、それは人からみると滑稽であったり理解できない部分であったりします。そんな自分が美しいと思う物への思い入れには危うい部分があることをきちんと映像で表現しているところが見事です。また寓話としての側面も兼ね備えたところがこの作品の格を上げました。それはあのクライマックス。<以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>あの広場でおきた出来事の中で、彼自身のフラッシュバックの中になぜ最初の被害者が出てきたのか。そしてあの中でのみ、なぜ自分の性行動の映像が出てきたのか。人を愛し愛されるという事は自分がアイデンティティを持つ事に大きく関係するという点をはっきりさせた(究極の香水を自分が作り出しても、自分の想いが決してみたされることがなかった)ことで、ラストシーンで自らが食べられるというホラーまがいのショッキングなシーンも滑稽な中にも寂しさが漂う名場面になったといえます。
 ダスティン・ホフマンがその特徴的な鼻をいかして作品にアクセントを与え、アラン・リックマンは天才に振り回される常識人をいつもながらの渋い演技で見事な存在感を示します。この2人がいるといないとでは作品の香りは大きく違ったと思います。ナレーションはすっかり板についた(?)ジョン・ハート。『ドッグヴィル』でも見事でしたが、ここでも語り部としていい仕事をしています。
 こういう毒を持った一級品に出会えることはなかなかありません。そういう意味で私たちはその毒を食らいつつも、そこにしかない美しさを味わえることに感謝したくなる作品です。
(銀座シネパトス2にて)

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スカラ座よ!

 今日は日比谷スカラ座でみました。いわゆるシネコン以外の映画館でみるのは久しぶりだったのですが、今日がっかりしたこと。
なんでこんなに場内が明るいの???
非常口のランプが消えても、残置灯のスポットがついてたら意味ないじゃないでしょう。はあぁ。

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『バベル』

20070504143514☆☆ 3度目は効かなかった話法。
 菊池凛子のノミネーションに関係なくイニャリトゥ監督の新作として期待していたのですが、これは出来としては前作『21グラム』には遠く及ばないものになりました。
 この監督(というか脚本家も含め)の独特の語り口、つまり時制を並べ替え、複数でおきた出来事を並行して進める話法は、昨今ではそれほど珍しいものではありません。しかし『21グラム』では「主観」の差違で物語がほつれる面白さを示していましたが、今回のようにディスコミュニケーションをモチーフにするのであれば、絶対に話の規模を大きくしてはいけなかったはずです。それはくしくも監督が取材に対して発言しているように、本当の孤独は、大勢の中で自分が1人だと感じる瞬間であって、それが話を同時進行させる話法によって引き出される可能性はきわめて少ないように思うからです。事実日本を舞台にしたエピソードは面白いのですが、話のきっかけとなるモロッコや、メキシコの話はステレオタイプな描写に終始します。
 とりあえず同じ監督が3作ともおなじ話法を採用したわけですが、正直またかと思った部分があります。はたして次はどうするのか、いろいろな点で興味があります。
(日比谷スカラ座にて)

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2007年5月 2日 (水)

『スパイダーマン3』

20070504143521☆☆1/2 いくらなんでも詰め込みすぎ。
 いや、実はイヤな予感はしていたのです。それは音楽担当が前2作のダニー・エルフマンからクリストファー・ヤングに変わった事(正確に言えばダニー・エルフマンは『2』で、かなり衝突していたらしく、一部のスコアは違う人のものだという話)。え、そんなことで?とお思いの方、だって他の人気シリーズ物でそういうことがあるとどうなるか!(って結構そういうケースはあるのですが) 絶対に作風が変化するのです。で、今回はそれが当たってしまいました。しかも悪い方向で。
 今回はとにかく物語が散漫な印象。話を詰め込みすぎです。個人的には『2』はよくできていたと思うのですが、あれは物語の進行が直線的で緩急のメリハリもあり、エンターテイメントとしての完成度は高かったと思います。今回もピーター・パーカーを巡る人間模様の面白さはさすがです。これは途中まではかなりいい線いっていたと思います。しかし後半になってくると話の整理に手一杯になり(特にベノムが登場してから)、それが展開にまったく効果をもたらさないのです。そう、なんというかスター・ウォーズの新三部作のように、じっくりみせてもらいたい場面が、いくつかの要素を同時進行させているためにとっちからっている印象だけが残るのです。そしてそれが観客にツッコミどころをたっぷり与えてしまった感じがしました。ですから当初の予定通りサンドマンのみにして、ベノムは出さなくてもよかった気がします。
 サム・ライミが全方位の観客に愛される作品を作ろうとするなんて、時代も変わりました。
(109シネマズ川崎7にて)

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『リトル・ミス・サンシャイン』

20070504143507☆☆1/2 個性的だが今ひとつな完成度。
 で、2本立てのこっちが本命でしたが、正直期待はずれでした。
 いやロードムービーとしてはクリシェに陥ることなく、かなり個性的な試みをしているところはかえるのです。特にティム・サーステッドの撮影は構図、色の選択ともユニークで、技術的にもあの小さなワーゲンのバンでよく撮影できたなと関心できるぐらい、知恵を使っていることも察せられます。役者陣も適材適所で、トニ・コレットとアラン・アーキン、そしてステーブン・カレルはさすがです。
 ただこの作品の問題点はやはり最後のミスコンに関する部分。あの家族の女の子がミスコンというフィールドではおさまりきれない個性の子というのはよくわかるのですが、逆にミスコンでしか輝けない子もいるわけで。事実この子は地区では2位(くり上がり1位)になっているのですから。ちょっとそのあたりが釈然としない部分がありました。
 クスクス笑える個性的な作品ですが、完成度はそれほど高くはありません。
(早稲田松竹にて)

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『イカとクジラ』

20070504143511☆☆☆1/2 センスのよさが光る。
 ようやくGWで年末から春先にかけて見逃していたものを追いかけ中。で、これなんですが、私にはウェス・アンダーソンの相棒というよりは、ジェニファー・ジェイソン・リーが選んだ男というわけで、気になっていた1本です。で、これが抜群によかったです。
 まず描き方にヘンなクセがない。一歩間違うとやりすぎになるところをうまく抑えています。それから音楽の使い方もスノッブな感じがしません(『卒業白書』のタンジェリンドリームの音楽が出てきた時には笑いました)。役者陣の演技も見事なアンサンブルをみせていますが、このあたりも個性的でありながら同じ世界の住人であるリアリティが出ているのは、演出のうまさだと思います。ローラ・リニー、子役2人もさることながら、特にジェフ・ダニエルズには感嘆。本当にこの人はいい味が出ています。だってウディ・アレンでも、ジム・キャリー共演でも、硬軟自由自在。それでいて存在感もある。こんな役者さんはそう滅多にいるものではありません。
 小品ですがセンスのよさが光る佳品です。
(早稲田松竹にて)

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早稲田松竹

Img042(席153 見** 音** 環**)
 かつてここの前は何度か通ったことはありましたが、鑑賞するのは初めて。2001年に一度休館しましたが、2003年にめでたく復活。高田馬場からのアクセスもよく、やっぱり学生の街はこういう文化が強いですね。劇場の作りはやや古めかしい所はあるものの(リアスピーカーが壁に埋め込まれていたりとか)、シートなどは新しくリニューアルされて、音響もSRDが導入されている。新文芸坐までとまではいかないものの、こういう名画座は本当にありがたい。
 そうそう、場内で今日根岸吉太郎監督をみかけました(多分そうだと思うのですが)。声はかけられませんでしたが、なんかうれしかったです、ハイ。

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