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2007年4月18日 (水)

『ハッピー フィート』

20070422212819☆☆1/2 妙なバランスの悪さ。
 やっとこさ、字幕版で鑑賞しました。あの『マッド・マックス』の、いやあの『ベイブ』の、はたまた『ロレンツォのオイル命の詩』のジョージ・ミラーの新作は、不思議な魅力が妙なバランスの悪さの上に成立した作品でした。
 たとえばミュージカルとして。構図のとり方はバストアップにせずに、全身をうつすやり方なんて(苦肉の策かもしれませんが)往年のとり方ですが、もうぐるぐるまわり放題で、いかにもデジタル環境の作品という弊害も出ています。またナンバーのチョイスもよいセンスですが、かといって『ムーラン・ルージュ』ほどの冴え(物語上不可欠な要素になっていない)はありません。物語も同じでピクサー作品ほどの健全さはないですし、『シュレック』シリーズほどの毒もありません。<以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>そして極めつけは後半のあの展開。水族館までは許せるとして、背中に発信器、ラストはダンスでコミュニケーションだなんて単に人間へのすりよりじゃないのでしょうか? あれってペンギンと人間のハッピーエンドにはどうしても受け取れませんでした。ラテン系とのカルチャーギャップは笑わせてもらいましたし、赤ちゃんペンギンはもうとにかくキュートなんですが、このバランスの悪さは作品の評価をはっきりとわけると思います。
 はたしてこの居心地の悪さは狙ったものか、それと偶然の産物か。とりあえず言えるのは私はすっきりしない感覚が残りました。
(109シネマズ川崎9にて)

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