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2007年4月11日 (水)

『薔薇の名前』の不思議

20041114_222206585 今週はじめにBSフジでジャン・ジャック・アノー監督の『薔薇の名前』がオンエアされていました。すでにDVDにもなっていますし、BSフジはコマーシャル入りでオンエアしていますから。エアチェックする価値はまったくないのですが、これも先日の『十二人の怒れる男』同様、DVDになるにあたり、ひとつ変更がありました。それはある重要なシーンが削除されたのです。本編の最後の最後、モノローグが終わりエンドクレジットに入る前に、劇場では次の一節がテロップで挿入されました。「薔薇は神が名づけた名なり 汝の薔薇は名もなき薔薇」。
 原作者ウンベルト・エーコは記号論の分野でも有名な人です。この学問は簡単に言ってしまえば、ひとつの事象を別の事象におきかえて表現することについて研究した物で、「薔薇は薔薇である」のはなぜか?ということを考える学問です。映画本編に「薔薇」そのものはまったく出てきませんので、このテロップがないと、なぜ映画の題名が『薔薇の名前』なのかが、さっぱりわからないままになります。それはそれでも悪くないのかもしれませんが、なぜ劇場であったものがここで削られたのかがわかりません。それで私が注目したのは、今回のオンエア版にはあるのかどうか。

 結論から言うとありました。(でもそのあとのエンドロールをばっさりきりやがった!(怒))。画質がメタメタだったのをみるとDVDとは素材が違う物を利用したのかもしれません。うーん、じゃあ、なぜDVDだけぶったぎったのだ? 国内盤VHSにはありました。そうすると考えられるのがアメリカ公開版にはそもそもこのテロップがなくて、それを米ワーナーが素材として作ったという説。うーん、なぜそうなったのか知りたいです。そのためにはP AL版と米国盤のDVDが必要か??(爆)

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