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2007年1月31日 (水)

ブエナと東宝の春でした

1/30発表、日本映画製作者連盟(映連)の06年の映画産業諸統計。

国内公開作品
邦画417本 洋画404本 計821本(05年は731本)

興収:2025億5300万円
05年比 102.2%

邦画1077億5200万円
洋画948億200万円

観客総動員数
1億6427万7000人(前年比2.4%増)
スクリーン数
3062スクリーン

作品別興収ベスト10

【邦画】
1 『ゲド戦記』 76.5億(東宝)
2 『LIMIT OF LOVE/海猿』 71億 (東宝)
3 『THE 有頂天ホテル』 60.8億 (東宝)
4 『日本沈没』 53.4億 (東宝)
5 『デスノート/the Last name』 52億(ワーナー)
6 『男たちの大和/YAMATO』 50.9億 (東映)
7 『劇場版ポケットモンスターAG/ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』 34億 (東宝)
8 『映画ドラえもん/のび太の恐竜2007』 32.8億 (東宝)
9 『涙そうそう』 31億 (東宝)
10 『名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌』 30.3億 (東宝)

【洋画】
1 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 110億 (ワーナー)
2 『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』 100.2億(ブエナビスタ)
3 『ダ・ヴィンチ・コード』 90.5億(ソニー)
4 『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』 68.6億(ブエナビスタ)
5 『M:i:III』 51.5億(UIP)
6 『Mr.&Mrs.スミス』 46.5億 (東宝東和)
7 『フライトプラン』 31.2億(ブエナビスタ)
8 『チキン・リトル』 26.8億(ブエナビスタ)
9 『ワールド・トレード・センター』 24億(UIP)
10 『キング・コング』 23.5億(UIP)

まさにブエナと東宝の春ですなあ。(映画ファンには冬なのかもしれません)

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2007年1月28日 (日)

第64回ゴールデングローブ賞

16日、第64回ゴールデングローブ賞が発表されました。映画部門の結果です。(D=ドラマ C/M=コメディ/ミュージカル)
【作品賞D】『バベル』
【作品賞C/M】『ドリームガールズ』
【監督賞】マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【脚本賞】『クィーン』
【主演男優賞D】フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演男優賞C/M】サシャ・バロン・コーエン"Borat"
【主演女優賞D】ヘレン・ミレン『クィーン』
【主演女優賞C/M】メリル・ストリープ『プラダを着た悪魔』
【助演男優賞】エディ・マーフィ『ドリームガールズ』
【助演女優賞】ジェニファー・ハドソン『ドリームガールズ』
【外国語映画賞】『硫黄島からの手紙』
【アニメ作品賞】『カーズ』
【音楽賞】アレクサンダー・デスプラット"The Painted Veil"
【歌曲賞】"Song of the Heart"『ハッピー フィート』

まあ妥当な結果だと思います。エディ・マーフィ、いよいよオスカーウィナー?

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2007年1月27日 (土)

NHK「チャップリン 世紀を超える」

 これ実は7月にハイビジョンでやっていたそうなのですが、ちっとも知りませんでした。11月に地上波放送されたものをようやくみました。いやあ、すごかった。新事実やめったにみられないもののオンパレード。チャップリンファンは必見でした。今回のポイントは奇跡的に残ったアウトテイクス。まず驚くべきことはチャップリンが自作のアウトテイクスをすべて保管していたこと。これがまずスゴイ。その当時ではきわめて珍しい発想だったはずです。しかもそれらは創作の秘密が漏れるのを極端に嫌い死後すべてのの焼却を遺言していたにもかかわらず残ったのだから、奇跡としかいいようがないです。その数、約400巻。
 で、まず出てきたのが短編『移民』。実はこの作品がテイクを追うごとにどんどん変化していた様子がわかります。この頃からチャップリンがすごいこだわりを持って作っていたことは有名で、彼の伝記映画『チャーリー』の中にも、ペネロープ・アン・ミラー演じるエドナ・パービアンスが、豆を何度も食べさせるのに辟易しているシーンがありますが、それはチャップリンが完璧な演技を求めていたと思っていました。でも実はそこには創作上の変化があったのだとわかりました。そういった意味でこのアウトテイクスはまさに天才喜劇王の試行錯誤の証明だったわけです。彼が完全主義者だったことがわかるエピソードはいろいろ知られていますが、今回の極めつけはやはり『独裁者』がらみでしょう。
 まず驚きだったのは撮影風景がカラーで残っていたこと。カラーはようやく普及の道を歩み始めた頃で、撮影現場が記録されているだけでもびっくりなのに、カラーであることもさらにビックリ。さらにその場面が『独裁者』当初のエンディングで、しかもそれは兵士らが武器を捨て、踊り始めると言うものだったそうです。そしてとどめが幻の遺作『ザ・フリーク』のスケッチ・台本。ああ、淀川さんにみせたい!(笑)
 正直伊武さんの司会や福本さんのゲストはどうかと思いましたが、それでもチャップリンファンは絶対に絶対にみてくださいねという番組でした。はい、もう時間来ました! サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

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2007年1月26日 (金)

不評だった黒い涙

 アメリカ映画協会(MPAA)の海外管轄団体であるモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)がやっていた海賊版撲滅キャンペーンの広告が変わりました。2005年頃から始まったこの映像、観客からはとにかく不評で、クレームが多かったと聞いています。ところがこれ、勝手にはずせなかったんです。実は全作品についていたわけではなく、MPAに加盟しているいわゆるメジャー5社(ブエナビスタ、ソニー、フォックス、UIP、ワーナー)の配給作品のみでした。でも上映前に映写を義務づけていたそうです。まあ配給側の気持ちはわかりますし、啓蒙の必要性もわからなくはないですが、それにしてもセンスは必要かと。だってこれから楽しみにしている映画の上映前にドクロと黒い涙では(笑)。特にファミリー向けの作品も多いブエナでは怒り出す保護者がいても当たり前です。余談ですがドルビーのサウンドトレーラーのバージョンは最初は蒸気機関車(トレイン)、そしてヘリコプターがとびまわるシティでしたが、落ち着いたドラマの上映にはそぐわないとバージョンが増えました。また鑑賞マナーCMが出始めた頃、外資シネコンの元祖ワーナーマイカルのものは、ルーニーチューンズを使っている上にニヤリとさせられる面白さで、そのセンスには唸らされました。
 で、今度のバージョンは五月女ケイ子さんのイラストがフィーチャー。センスは・・・微妙。うーん、笑えるかなあ、コレ(汗)。黒い涙が懐かしい(?)人は日本国際映画著作権協会(JIMCA公式サイト)でみることができます。

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2007年1月25日 (木)

新宿バルト9概要

新宿バルト9(公式サイトは2月1日にオープン予定、ぎりぎりすぎないか?)のサービス概要です。

【施設設備概要】
・日本最高層フロア(9階~14階)に位置するシネコン
・ロビー内にオゾンやマイナスイオンを流し館名の由来である“バルト(WALD)=森林”の心地よい環境を再現するフォレスト・エア・システム
○全館DLPによるデジタル上映。プロジェクターはNECのNC2500SとNC800C。予告編は総てデジタルハイビジョンで上映。
?「広島バルト11」のシアター10で高い評価を獲得した非圧縮サウンドによる「ゴールドシアター」を導入(このリリースの説明ではさっぱりわからんぞ?)。
・身体工学に基づきこれまでにない心地よさを実現したオリジナルシートを全シアターに導入。

9F
 #1 70席  #2 138席  #3 149席
11F
 #4 81席  #5 228席  #6 409席
13F
 #7 81席  #8 253席  #9 433席
全9スクリーン 1842席(普通席1825席、車いす席17席)

【サービス】
◎シネマチネ(Cinematinee) 平日15:30~18:00に上映開始される特定作品は1200円で鑑賞できる。
◎バルトミッドナイト上映 平日含め連日深夜まで上映を実施。また「バルトスペシャル上映」として他では観られない特集上映やイベント上映を行う。(記念すべき楽日の上映作品は『タンポポ』『銀河鉄道999』『私をスキーに連れてって』(涙))
◎KINEZO キネゾー=パソコンや携帯電話からアクセスし、映画のチケットの購入・支払いが可能なチケット予約サービス。上映の2時間前までに清算すればOK。さらに日本ではじめての“モバイルSuica”でのチケット購入も出来る。

◎のサービスには注目です。特にマチネは定着するとスゴイと思うし、キネゾーの支払い方法の多様化も興味深いです。○はまあいいんだけれど上映作品にどれだけDLPがあるかわかりませんし(先行投資にしてはリスキーな気もします)、そもそもスケジュール表にはDLPや音響の表記はしてくれるのかしらん? 他にもコンセとかも売り物らしいのですが、空気清浄とか、どうもピントがずれている投資もあるような気がします。注目はロビー設計と接客。3フロアにわかれてどのようなオペレーションをするか(今までのシネコンでは、せいぜい2フロア)。そして従業員のサービス提供をどこまでのレベルができるか?です。

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2007年1月23日 (火)

『ファム・ファタール』

20070331155337☆1/2 つまらない上に洒落っ気もない。
 このサイトではみたけれど書くことができない感想があります。たとえば知己にこっそりと試写やプリントチェック上映に紛れ込ませてもらったとか、試写用の素材をみせてもらったとか、公表するには差し障りのある事情がある時なのですが、それでも自分の記録にはもちろん残しています。けれどもちゃんとみたのに記録を忘れる時があるのです。多分いまだにあると思うのですが、それが記録漏れであることを思い出す機会は意外になく、記録を整理している時やライブラリを追加している時、それから地上波やCATVでオンエアされている時に思い起こすことが多いです。で、今日の作品もそうです。前書きが長くなりましたが、本編にはあまりふれません。いろいろなところでぶっ叩かれていましたが、そう言いたくなる気持ちもわかります。技巧派デパルマが一番やっちゃいけないパターンですもん。つまらない上に『ボディ・ダブル』のような洒落っ気もないのですから。

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2007年1月22日 (月)

洋画配給会社別年間興行収入ランキング

今度は洋画配給会社別(邦画3社はのぞく)の興行収入ランキング。集計は2006年1月から12月で。(文化通信速報より)

1.ブエナビスタ(255億:同社新記録)
2.ワーナー(240億)
3.ソニー・ピクチャーズ(146億:同社新記録)
4.UIP(137億)
5.アスミック・エース・エンタテインメント(78億)

メジャーで入っていないのはフォックスだけで、独立系は軒並み下位。だってアスミック他が連合軍になってもブエナを抜けないというのだから状況は深刻です。

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2007年1月21日 (日)

邦画3社の年間興行収入

昨年の興行関係のデータがいろいろと発表されはじめました。まずは邦画3社の年間興行収入(1/17文化通信速報より)。ちなみに3社累計は861億で前年比110.2%。

松竹:140億5882万9700円(102.8%)
上位3作『武士の一分』(38億)『子ぎつねヘレン』(17.8億)『タイヨウのうた』(10.3億)
東映:133億2192万6950円(111.1%)
上位3作『男たちの大和/YAMATO』(50.9億)『明日の記憶』(22億)『永遠の法』(12億)
東宝:587億7720万9748円(111・9%)
上位3作『ゲド戦記』(76.5億)『LIMIT OF LOVE 海猿』(71億)『THE 有頂天ホテル』(60.8億)

東宝、ひとり勝ちは前からだけれどねぇ。こういう数字でみるとため息が出ます(悪い意味でですよ)。

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2007年1月20日 (土)

映画はしご観キャンペーン2007

 ユナイテッド・シネマのこのキャンペーンは、私のようにいつもシネコンでどかっとみる人にはちょっと嬉しいキャンペーンです。1日に映画を2本観ると、各日各劇場先着100名・全国合計8000名に同社オリジナルDVDマガジン(第79回アカデミー賞の大特集、07年公開の注目作予告編集など90分の映画情報、米ドラマシリーズ「ポイントプレザントの悪夢」第1話を収録)をプレゼントするそうです。またCLUB‐SPICE会員限定のキャンペーンも実施。1月20日~2月2日の期間中、U‐ONLINE(インターネット予約・購入)で対象4作品のチケットを購入した場合、通常の1・5倍のポイントを加算してくれるとのこと。でもなぜか毎年いけない。今年の実施日は1/20、21、27、28、2/1の5日間。今年もいけそうにないやん。できればポイントアップぐらい通年にしてほしいものです。

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2007年1月19日 (金)

「おちおち死んでられまへん」

2031007309 前作「どこかで誰かが見ていてくれる」の番外編。何しろあの本が出てからますますの活躍なわけで、主に『ラストサムライ』のエピソードが中心。メイキングからはわからないきわめてパーソナルな話が出てきます。つまりこういうエキストラやメーキャップ担当などの話は、取材する志を持つ人間が残さない限り、忘れ去られる可能性がきわめて高く、しかもデジタルエフェクツ全盛の現在はこういう撮影スタイルは過去の物になるかもしれないわけで、そういう意味でも興味深かったです。ただし絶対に前作から読みましょう。正直エピソードがだぶる部分もあり、また福本さんの人柄にふれてからの方が理解できる行動も多く、いきなりこれよりいいと思います。

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2007年1月18日 (木)

「年をとったワニの話」

20061105521731 昨年『頭山』のアニメ作家、山村浩二が映像化した『年をとった鰐』が、凄く気になっていたレオポルド・ジョヴォーの短編集をずっと探していました。これがすごく意外な(しかもかなり身近なところに)あるのだから世の中はわからない。しかもこれが腰が抜けるほどのおもしろさ。いやあ、素晴らしい! これは見事な芸術品です。独創的で美しく、無垢でいて残酷。もう読んでくれとしか言えません。バートンの『ビッグ・フィッシュ』に出てくるおやじのホラ話もこのぐらいのレベルが必要だったのだと思います。

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2007年1月17日 (水)

「どこかで誰かが見ていてくれる」

408747651ここしばらく本がずっと積ん読になっていたので、ようやくパラパラと。

 一時のブームから『ラスト・サムライ』への出演で、もはや一介の斬られ役とは呼べない福本清三さんについての本。でも実は注目は筆者の小田豊二氏。この人は『日本国憲法』で注目を集めた後、『幇間の遺言』『のり平のパーッといきましょう』などを著しています。インタビューをもとにしているのですが、それをその人が話しているように書きおこしている聞き書きスタイルになっていて、いつもながらその力量には敬服します。何しろ福本さんや三木のり平さんをここまでしゃばれせて、心を開かせているのですから。また悠玄亭玉介師匠や三木さんといった「芸」を持つ人々への取材経験は今回も存分にいかされています。欲のない福本さんと何もかも素直に受け止める小田氏の、まるで幸福な師弟関係のような本です。また東映京都の歴史としても興味深く読むことができます。

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2007年1月16日 (火)

シネフェックス3度目の復活

 昨年末娘と本屋に出かけた時、パラパラとCG関連の書籍をめくっていたら、ある広告に目が点。びっくりです。なーんとシネフェックス3度目の復活です(しかもすでに3号目だった)。前回私が特集してから2年。今度は時代を反映して、IT関連の会社が発行元になっています。流通はやはり通販のみで、基本的な編集形式はトイズプレス版と同じですが、大きな違いとして初めて広告が入るようになりました(米国版にはかなり前から入っている)。でもなあ、できれば原書版と同じサイズでいってほしいのですけれど(多分コストの問題かと)。まあ、出ただけでもよしとしますか。

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2007年1月15日 (月)

『コープスブライド』

B000hcpuq☆☆ 適材適所でない才能たち。
 ティム・バートンの『ナイトメア・ビフォアー・クリスマス』はユニークで再見にたえられるスタンダードとなったのに対し、再びバートンが挑んだストップモーションの世界は、遠く及ばないできばえとなりました。これではっきりとしたのはあの作品のすばらしさはどこにあったのか、そしてなぜこの作品がナイトメアにならなかったのか。それはあの作品がヘンリー・セレックとティム・バートンがそれぞれのエッセンスのよい部分が凝縮された結果うまれた作品であるということでしょう。ですから現状の彼への評価は過大だと考えます。そういう意味でこの作品は適材適所でない才能が無駄遣いされているのがよくわかります。

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2007年1月14日 (日)

新宿の映画館、時代は変わる

 昨年から劇場が大幅に変化しているのは新宿です。単純な館名変更もあれば、新規オープン、閉館も相次いでいます。そんな中、新宿スカラ座(正確には今はスカラ1、2、3)が2月8日で閉館になります。私が名古屋から東京に引っ越してきて、70ミリプリントの作品(『ガンジー』)を初めてみたのが実はここでした。これで新宿エリアで私が映画ファンになった80年代前半に存在した映画館がテアトル新宿以外、すべてきれいさっぱりとなくなりました。新宿京王がなくなり、東映会館(新宿東映や新宿東映パラス)もなくなり、新宿武蔵野館は館名を残すだけ。昭和館もなく、新宿文化シネマや新宿ロマンなどがどんどん館名変更、閉館などでなくなりました。こうやって事実を整理するとちょっと驚きです。
さあ、いよいよ2/9に新宿バルト9がオープンします。

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2007年1月13日 (土)

『銀河ヒッチハイクガイド』

20070130230100☆☆1/2 クスクス笑える。それがくせ者。
 くすくすっと笑えるイギリスらしいセンスであふれている映画です。しかしこのクスクスがくせ者で、それ以上でも以下でもないという言い方もできます。
 原作がもっているエッセンスを注意深くすくいあげたのはとてもよくわかるのですが、それがこの映画から大胆さを奪ってしまう縛りになったのかもしれません。そういう意味でそのシニカルさが宇宙や旅といった存在にまで刺激する鋭さを持ち得なかった点は致命的欠点です。相変わらずビル・ナイは素晴らしく、またマービンの声を演じたアラン・リックマンも冴えています。サム・ロックウェルはどうも私との相性はよくないようですねぇ。いつもそのやりすぎな演じ方が鼻につきます。
 素材はきわめてよいだけにもったいない作品ですが、イルカの歌をきくだけでも価値はあるかもしれません。

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2007年1月12日 (金)

ヨーダだ! ギズモだ!

P1000041P1000040 WOWOWが今年もアカデミー賞授賞式を記念して、東京・丸ビルにてイベントを行います。ちなみに昨年もイベントをやっていてその時はコスチュームと言うことで実際に撮影で使用されたものが50着展示されていました。今年のテーマはアニマトロニクス。そう、メカニカルによって操作されるアレです。題してSFXアニマトロニクス展「IT'S ALIVE!」。個人的な目玉は何と言ってもヨーダと『グレムリン2』のギズモでしょう! 他にも約20体の展示が予定されています。これで入場無料は安いでしょう。ただ展示期間が2月2日(金)~14日(水)までと短いので、きっちりとスケジュールをキープしましょう。ちなみに写真は昨年の様子です。

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2007年1月11日 (木)

女性客専用上映?

 私も気になっている『愛の流刑地』。何と言っても天才鶴橋康夫の映画初監督作品ですからね。で、その作品が大阪のTOHOシネマズなんばで女性客専用の上映館が設ける試みがされるそうです。上映体制をみるとセレクトスクリーン1館を女性専用にして、別の1館で男女とも入場できるようになっています。まあ確かに男女の性愛描写が多い作品だけに、男性の目を気にせず鑑賞できるよう配慮したというのはわかりますが、こういうのはカップルでみる人の方が多いような気がするし、きっと女性専用だからと言って客足が伸びるとは思えませんが。

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2007年1月10日 (水)

2006年度キネマ旬報ベスト・テン

2006年度第80回キネマ旬報ベスト・テンの結果。
【日本映画】
1『フラガール』
2『ゆれる』
3『雪に願うこと』
4『紙屋悦子の青春』
5『武士の一分』
6『嫌われ松子の一生』
7『博士の愛した数式』
8『明日の記憶』
9『かもめ食堂』
10『カミュなんて知らない』

【外国映画】
1『父親たちの星条旗』
2『硫黄島からの手紙』
3『グエムル 漢江の怪物』
4『ブロークバック・マウンテン』
5『麦の穂をゆらす風』
6『太陽』
7『カポーティ』
8『グッドナイト&グッドラック』
8『クラッシュ』
10『マッチポイント』

【個人賞】
監督賞:根岸吉太郎『雪に願うこと』
脚本賞:西川美和『ゆれる』
主演女優賞:中谷美紀『嫌われ松子の一生』『LOFT ロフト』『7月24日通りのクリスマス』
主演男優賞:渡辺謙『明日の記憶』
助演女優賞:蒼井優『フラガール』『虹の女神 Rainbow Song』『ハチミツとクローバー』
助演男優賞:香川照之『ゆれる』ほか
      笹野高史『武士の一分』『寝ずの番』
新人女優賞:檀れい『武士の一分』
新人男優賞:塚地武雅『間宮兄弟』
外国映画監督賞:クリント・イーストウッド『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』

 ここ数年の中ではわりとベストテンとして様になっているような気がします。イーストウッド作品はキネ旬では強いねぇ。監督作が3作連続No.1です。

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2007年1月 9日 (火)

ジブリ洋画配給に本格進出

 スタジオジブリが、洋画アニメの配給に本格進出するそうです。かつても『王と鳥』のように配給協力というのはしていますが、今回は東京・三鷹の森ジブリ美術館第1回提供作品という形で単独でやるそうです。ちなみに第1弾は『老人と海』で米アカデミー賞短編アニメーション部門に輝いた、あのアレクサンドル・ペトロフ監督の『春のめざめ』。シネマアンジェリカを「ジブリ専門劇場」として上映し、ジブリ美術館で特別展示も開催するそうです。今後は春、夏、冬の長期休暇に合わせて公開予定で、第2弾は『キリクと魔女』のミッシェル・オスロ監督の最新作『アズールとアスマール』を予定。これは新春から嬉しいニュースです。ペドロフの新作がそれなりのバックボーンで宣伝されるわけですからね。一過性で終わらないようにしてもらいたいものです。

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2007年1月 8日 (月)

2006年マイベスト

とりあえずめぼしいところはやっと見終わったので一応2006年マイベストの5本です(順不同)。

『クラッシュ』
『グッドナイト&グッドラック』
『ナイロビの蜂』
『ユナイテッド93』
『硫黄島からの手紙』

邦画は『嫌われ松子の一生』

わりとまともなチョイスだと思います。もれたところでは『父親たちの星条旗』『時をかける少女』あたりですか。

DVDやBSでみた中では
『ベルヴィル・ランデブー』
『地上より永遠に』
『ブラッド・イン ブラッド・アウト』
『大脱走』
『メリー・ポピンズ』

みなおした中では『怒りの葡萄』が印象深いです。

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2007年1月 7日 (日)

W-ZERO3esに機種変更

P1000203 とうとう買っちゃいました。私はずっとPHSユーザー。そもそもデータ通信がメインで通話なんて帰るコールぐらいですから、NTTの時からずっとです。で、NTTがPHSを見捨てた後、ウィルコムになり、適当な端末をチョイスして使っていたのですが、キャンペーンでかなり安かったので、とうとうW-ZERO3esに機種変更しました。そう、昨年話題になったあれです。

<印象>
・電話としてはやはりデカイ。
・PIMとしてはかなり使える。
・キーボードもそこそこ便利。
・動作が不安定?

私はカシオのPIMを利用していたことがありましたが、当時はやはり電子手帳とは名ばかりのレベル(なにせモノクロ液晶でしたからね)。それがこのサイズでPCと連携ができて、電話までできるのですから。あとフルキーボードがあるのも大きいと思いますが、これはやはりオプションで取り外しができるようにして、軽量化した方がいいかもしれません。一番ありがたいのはユーザーがたくさんいるので情報交換ができること。これが一番嬉しいかもしれない。メインストリームでない商品にハマルとそれが一番つらいですから(汗)。

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2007年1月 6日 (土)

『007/カジノ・ロワイヤル』

20070116000236☆☆☆ 新しい門出にふさわしい出来。
 007には個人的な思い入れはまったくなく、過去7作みているのですがチョイスが悪いのか、面白かった!というのが全然ないのです。なので評判のよさは伝わってきたものの、正直半信半疑でした。でもこれはいい、楽しめます。
 勝因はやはりポール・ハギスでしょう。これをシナリオをテクニカルに構築する人とかが出てくると(たとえばスティーブ・ザイリアンとか)、見せ場はあるんだけれども見応えなしのスカスカな作品になりかねないところですが、ドラマをきちんと語ることで、キャラを立たせました。また彼はカードゲームのような場面も見せ場にできる力があります。ここしばらく珍作が続いたマーティン・キャンベルも冴えのある演出をみせています。ダニエル・クレイグがボンドにふさわしいかどうかは私が言える立場ではありません。でもアクションスターになれる素質は充分にあります。
 映画史に残る傑作とかではないですが、少なくともアクション映画の快作であり、シリーズの中では一番楽しめました。007シリーズの新しい門出にふさわしいと思います。
(ユナイテッドシネマ豊洲8にて)

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2007年1月 5日 (金)

『硫黄島からの手紙』

Iwozima☆☆☆1/2 美化せずお涙頂戴にならず、ただ慈しむようにうつしとった。
 エンドクレジットが始まった途端、私は思わず声をあげて泣きそうになりました。イーストウッドが日本人俳優を起用して描いたこのアメリカ映画は、アメリカ人だけではなく日本人の心にも響く見事な作品になっていました。
 『父親たちの星条旗』とはさまざまな点で対比になっており、また多くの重なりも持ち、そして両作品をあわせることで浮かび上がるものもあるという構造になっています。特に前者が国家と戦争、後者が家族と戦争という点に焦点をあてている点はアメリカと日本という点で興味深いものがあります。また構成も前者が回想を織り込んだ複雑な時間軸の物語に対して、回想であるとはいえ一方向の時間軸で描かれているゆえに感情移入しやすいものになっているといえるでしょう。しかしそれは決してお涙頂戴にはならず、おそらく日本人にも外国人にも普遍的にとらえられる物語にまで昇華させているという言い方が正しいと思います。『プライベート・ライアン』ですら到達し得なかった境地にまで達していることは、最後の栗林中将と二宮和也演じる兵士とのやりとり、そしてあのラストの幕切れで、はっきりと証明されています。
 渡辺謙は見事な存在感です。少なくとも彼がこの作品の大きな貢献者の1人であることに疑問の余地はありません。彼の威風堂々とした佇まいに爽やかな気持ちになりました。二宮和也も経験不足の中、よくがんばったと思います。ただし彼の役柄をもし憲兵上がりを演じた加瀬亮がやっていたら、もうひとつ深くなったような気もします。
 確かにこういう題材ですから批判はあるかと思います。ただ私が断固この作品を支持したいのは、戦争に英雄は存在せず、彼らを決して美化しなかった点にあります。我々が彼らを悼むのは戦争によって彼らの尊い命が失われたからであって、彼らが勇敢に戦ったからではありません。ゆえにイーストウッドが私たちに提示した戦争を舞台にした物語が心をゆさぶるのです。必要以上に語らずひとつひとつのエピソードを慈しむようにうつしとったイーストウッドに最大限の敬意を払いたいと思います。
(109シネマズ川崎7にて)

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2007年1月 4日 (木)

新文芸坐

名画座の老舗だった旧文芸坐跡地にパチンコのマルハンがビルを建てたが、その中に新たに2000年12月にオープンした名画座。名画座には珍しく設備投資が行き届いており、イスにはドリンクホルダーを備え、266席のミニシアターながら音響もSRD-EX(スピーカーはJBL)にまで対応しているので、見逃した作品がある時はここまで私も足を運ぶ時がある(都内にSRDを備えた名画座は数少ない)。フロアはフラットでスクリーンをやや見上げる形、音は悪くはないのだが音場がぼやけた感じで、JBLをきちんとドライブできていない感じ。ここはいつも音量がシネコンなどと比較すると小さめで、もう一声パワーも欲しいところ。でも志の高さは評価しています。応援してますよ!
席266 見**1/2 音**1/2 環***

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『トリスタンとイゾルデ』

20070121_182011784☆1/2 ジェームズ・フランコの大根ぶり。
 ケビン・レイノルズの新作がこれと聞いた時には驚きましたが、まあリドリー・スコットの『デュエリスト』のコメンタリーを嬉々としてやっているので(過去には『ロビン・フッド』までやってますし)、結構この手が好きなのかもしれません。でもできあがりはこれがてんで話にならないのですから参ります。
 アクションシークエンスの名手らしい手腕は前半の待ち伏せシーンにあるぐらいで、あとは緊張感もなく、ドラマも平板。最大の失敗はキャスティングで主役2人がどうにも魅力がない。特にジェームズ・フランコの大根ぶりには閉口しました。儲け役だったのはルーファス・シーウェルで、『ダークシティ』の時はジャン・アレジみたいだなあと思っていましたが、短髪にしたせいか渡辺謙みたいになってます。
 これならまだ役者陣に魅力があった『モンテ・クリスト伯』の方がよかったです。とにもかくにもレイノルズ復活の日は来るのか。私は待ち続けます。
(新文芸坐にて)

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『ブラック・ダリア』

20070116000240 ☆☆1/2 これではデパルマでなくとも。
 デパルマ期待の新作はあのジェームズ・エルロイ原作。撮影がビルモス・シグモントときたら、そりゃ傑作『ミッドナイト・クロス』のような絢爛たる映像テクニックでいっぱいの、めくるめくフィルム絵巻のような世界を期待しようかというもの。しかしノワールにはなっていたものの、どこか人工的で妙にこぢんまりとした作品になっていました。彼の作品の中でそのバランスがもっともよかったのは『カリートの道』だと思うのですが、この作品では物語に縛られすぎたのかもしれません。これならばやはりカーティス・ハンソンのような職人がやるべきだったか、ひょっとしたらタランティーノのようにギラギラとしたストーリーテリングもありだったかなと思います。
 デパルマは映像で語られることが多いのですが、実は彼のすごさは役者陣から巧みに演技を引き出すことにあると思います。『キャリー』が一線を画しているのはその秀逸な演技陣にあり、『ミッドナイト・クロス』『カジュアリティーズ』を私が好きなのはキャストの新たなる側面を演技で楽しめたからです。そういう意味で問題点が2つ。まずキャスティングとしてはヒラリー・スワンクが弱い。どうしてもファム・ファタールにはみえない。ここがスカーレット・ヨハンソンと対にならないとジョシュ・ハートネットの右往左往が生きてこない。それからそのハートネットも力量不足です。デパルマの作品がよれよれになる時は出演者のよい部分を出すことができなず、途中放棄のように不揃いの演技が並んだ場合です。そういう意味ではこれもそういう感じがしました。期待したシグモンドの撮影も往年の独創性はなく、ビル・パンコウの編集技も切れ味不足。唯一さすがだったのはマーク・アイシャムのスコア。これは花マルでした。
 この手の作品をこういう方向性で演出するのであれば代わりはたくさんいると思います。さすがに『殺しのドレス』のようなテクニックのみの作品は難しいかもしれませんが、『カリートの道』のような成熟した作品を私は楽しみにしているのです。その点からやや期待はずれな出来映えだと感じました。
(新文芸坐にて)

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2007年1月 3日 (水)

原恵一の新作だ

 やっと。本当にやっと原恵一監督の新作が正式に松竹の2007年公開ラインナップに入りました。題名は『河童のクゥと夏休み』。原作は木暮正夫の「かっぱ大さわぎ」という児童文学だそうです。頼むからもうこれ以上待たせないでくださいね。で、いろいろその情報を集めている時に、シンエイ動画が実はかつて住んだことのある田無にあることを知りました。子どもの時で、その時はまだなかったみたいだったのですが、ちょっと嬉しかったです。

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2007年1月 2日 (火)

『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』

B0001fahs☆☆ 原監督らしさは随所に出ている。
 我が家はすっかりしんちゃんな正月です。上の娘は戦国の姫君の衣装が気に入ってしまい、毎日のように『アッパレ戦国大合戦』。なので私はその原恵一監督作のもうひとつの時代劇をみました。が、やはり前記には及ばないものの、原監督らしさは随所に出ているのではないかなと思います。結局しんちゃんを足かせにするか、それとも効果的に使えるかが、劇場版が大人の鑑賞に耐えられる作品になるかどうかの分岐点なのかもしれませんね。正直物語としては、いくら何でもやりすぎという感じでした。でもギャグやアクションのレベルはさすがで、アニメとしてのおもしろさは本郷作品より明らかに上だと思います。

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2007年1月 1日 (月)

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。このブログもなんやかやと2年目。サイト運営にいたっては一応6年目突入なんですね。まあ更新のペースもすっかりこんな感じですが(汗)、のんびりとやっていこうと思います。あと鑑賞本数が2006年でトータル2000本の大台にのったので、久しぶりにオールタイムベストを選定したいと思います。あと「じんけしさんのプライベートな話はブログには出てこないんですか?」という話を時々要望される(?)のですが、今のところ映画中心は動かすつもりはありません。これは自分なりのフィルターです。いや、実際にブログには書けないことってたくさんあると思うのです。なのでご希望にそえないのは申し訳ないのですが、今年もよろしくお願いします。

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