『春夏秋冬そして春』
☆☆☆ 繰り返してみたくなる魅力を持っている。
キム・ギドク監督作品をみるのは初めてでしたが、なるほど、これは評価が高いのも納得です。他の作品とは随分と作風は違うようですが、それでもこの監督の映画的感性のユニークさは充分伝わりました。
人の一生を四季に例えたようなあらすじで、輪廻転生の世界観はアジアならではとも言えるでしょう。湖に浮かんだ寺という設定が絶妙で、寓話的な物語に幻想的な趣を与えています。寺特に春と冬の出来映えが素晴らしく、その詩的で抑制のきいた表現力は見事です(夏の野暮ったさが逆に目立ってしまうのですは玉にきず)。まさかあそこでアリランをきかせてくるとは思いませんでした。この使い方は白眉です。
後味がさわやかではありませんが、繰り返してみたくなる魅力を持っている作品です。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント