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2006年12月28日 (木)

『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』

B00006k0u☆1/2 子どもは楽しいかな、多分。
 記念すべき劇場版第1作。ある意味方針を決めた1本なのだと思いますが、これは大人の鑑賞に耐えられるレベルではありません。はっきりと子ども向けでした。あといかにもシンエイ動画で私が思っているしんちゃんらしさは薄いと思います。子どもは楽しいかな、多分。

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2006年12月27日 (水)

『父親たちの星条旗』

Flags_poster☆☆☆ 心にずっとひっかかる作品。
 イーストウッドの戦争映画というと『ハートブレイクリッジ』があります。この作品はありきたりな落ちこぼれ小隊特訓ものでありながら、イーストウッドらしい一筋縄ではいかない佳作で、政治的な方向性を超越した人間くさい描写が印象的でした。それから20年、劇的な興奮はきわめて少ない映画ですが、イーストウッドが遙かに高いレベルに到達したことを如実に示す力作となっていました。
 ひとつひとつのエピソードにドラマがあり、それを何層にも積み重ねた物語はさすがポール・ハギスのシナリオですが、そこに下手な解釈を加えず、イーストウッドはただ観客に提示していきます。それによって観客は提示されない部分に思いをはせるのです。硫黄島の星条旗をめぐるエピソードは、すでにアメリカでは語り尽くされた有名な話ですが、それをあえて今というフィルターでみつめなおした意味もそこから浮かび上がってくるのです。
 実はみるのが少し怖かった作品です。イーストウッドだから悪い作品ではないだろう。しかし昨年『ミリオンダラー・ベイビー』は秀作だったものの、未だに再見するのがためらわれるほどのずしりと重く心にのしかかってくる作品でした。作品はやはり重い内容でした。しかし私たち観客の心にずっとひっかかる見逃してはいけない作品でした。
(109シネマズMM横浜6にて)

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2006年12月26日 (火)

訃報:ジェームス・ブラウン

 米ソウルミュージック界の帝王“JB”ことジェームス・ブラウンさんが現地時間25日、ジョージア州アトランタの病院で死去しました。AP電によると享年73歳だったが年齢は諸説あります。
 出生については謎が多いのですが1933年5月3日、米ジョージア州生まれ説が大半。出生地についてはサウスカロライナ州、テネシー州説があります。実家は貧しく親類の家庭などで育てられた後、16歳の時、車上荒らしで更生施設に送られます。その中でゴスペルグループに加入。施設を出た後、ボーカルグループ「フェイマス・フレイムス」を結成。56年5月に「プリーズ・プリーズ・プリーズ」でデビューし、いきなり全米ベストテン入りしました。
 その後、半世紀にわたり、ラップ、ディスコ、ファンク音楽の先駆者として活躍。シングルチャート入りは119曲。アルバムは50枚以上リリース。グラミー賞を3度受賞し、86年にロックの殿堂入り、92年にはグラミー賞の生涯功労賞を受賞しました。一方、破天荒な私生活でも知られています。4度の結婚歴があり、80年代半ばまでドラッグや暴行罪で幾度となく警察沙汰を起こします。88年に薬物使用と暴行罪で逮捕されたのをはじめ、95年には妻を殴った疑いで逮捕。98年にも大麻所持などで有罪判決を受け2年半服役。03年に恩赦を受けたが04年1月には再び妻への暴行容疑で逮捕されています。
 彼を知るきっかけになったのはもちろん『ブルース・ブラザース』。あの作品は私にとってソウルやゴスペル、R&Bというブラックミュージック全般への入門編となりました。あの映画がなければ彼はもちろんのこと、レイ・チャールズもキャブ・キャロウェイもアレサ・フランクリンも私は知らなかったでしょう(考えてみるとあの映画に出てきたソウルミュージシャンはアレサ以外、みんな亡くなったんですねぇ)。彼にとって近年最大のヒットになったのも映画がらみでした(『ロッキー4炎の友情』の挿入歌"Living in America")。というわけでミュージシャンなのですが、ちょっととりあげさせてもらいました。ご冥福をお祈りします。

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2006年12月25日 (月)

有馬記念のディープインパクト

 昨日は有馬記念でした。昨日のレースはちょっと背筋がゾクゾクしました。確かにライバル馬がだらしなかったのも否定しませんが、ひょっとしたらこの馬はまだ強くなる可能性があるのかよと感じたからです。
 私はトウカイテイオーのダービーからの競馬ファンですが、これまでに数々の名馬と出会いました。好きな馬もたくさんいますが、最強馬と言われると私はエルコンドルパサーとキングカメハメハ(中距離だとサイレンススズカも)をあげています。ハイ、ナリタブライアンでも、テイエムオペラオーでもないんです。そしてディープインパクトでもありません。この2頭は距離とか馬場とか関係なく勝ち、時には化け物のような圧勝劇をみせ、しかも底をみせないで引退したという共通点があります。今回の引退には賛否両論あるでしょう。でも今日の金子オーナーの引退式でのコメントで「この馬をもう一年走らせるほど、私のハートは勇気がなかった」という旨の発言がありました。確かにヨーロッパで長期遠征しながらもう一度凱旋門賞に出て見返してほしかった(「汚点」発言をしたJRA理事長含む)のですが、天皇賞を獲得してしまった春先には国内にめぼしい大レースは少なく、かといってキングジョージや凱旋門賞は古馬よりも三歳馬に有利なレースであることも変わりない。秋の古馬三冠のうち二冠は獲得済み。事実、競馬の世界はひとつ勝つどころか、レースに出走するまでですら大変。勝ち続けなければいけないことを考えるとましてやあのような名馬のオーナーになれば眠れないほど心配で仕方がなかったはず。ちょっとぐっと来てしまいました。
 いい仔が出るといいですね。そしてのんびりと余生を過ごしてもらいたいものです。

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2006年12月24日 (日)

『ブラザーズ・グリム』

20070115000338☆☆ ギリアムのでがらし。
 テリー・ギリアムの監督作品をみるのがすごく久しぶりな気がします。で、その出来映えがへろへろだと、なんか才能はいつか枯れるのだということを痛感します。少なくともここには『未来世紀ブラジル』にあった鋭さも、『12モンキーズ』にあった毒もなくなっています。あるのはこけ脅かしの映像のみ。まだ世評では失敗作の『バロン』の方が映像に個性がありました。ここにはギリアムらしさすら残っていません。若手2人もどうでもいい役で、ピーター・ストーメア、ジョナサン・プライス、そしてモニカ・ベルッチにいたっては何のために君たちがキャスティングされたの?と突っ込みたくなる程度の演技。というわけで可もなく不可もなしな作品です。

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2006年12月23日 (土)

『ズーランダー』

B000b84mv☆☆☆ スティラー自身の壁。
 ベン・スティラーはいい! ようやく私にも彼への免疫ができたのか、それとも彼の方向性が自分と重なるようになったのかはわかりませんが、これも楽しかったです。こういうセンスは彼ならではですね。オーウェン・ウィルソンとの対決シーンや、ハンドモデルのエピソードには爆笑させてもらいました。ただ逆に相手を選ぶ笑いであることも事実で、そのあたりが今ひとつ越えられない壁なのでしょう。これが監督3作目となりますが、出演のみの作品とくらべると何かプラスアルファをつけたがっているのはわかります。それゆえに結構深読みしているレビューも散見しましたが、私はただ単にファッション業界の見かけ倒しをおちょくりたかったのだけだと感じました。つまり彼の演出力はまだその程度だと言うことです。彼が彼自身のパブリックイメージをうまく壊して欲しいと思います。新作『ナイトミュージアム』がどうなるか楽しみです。

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2006年12月22日 (金)

『メリー・ポピンズ』

B00069blr☆☆☆  懐の深い物語が永遠に色褪せぬ輝きを放つ。
 なるほど、映画史に残るこのファンタジーミュージカルがなぜ人々に愛され続けてきたのかがよくわかりました。これは素晴らしいです。ここしばらくファンタジーものに食傷気味だった私にとって、とても新鮮でした。
 ファンタジーの面白さはありそうにない物語が、さも本当にあるように語られる点にあると思いますが、ここ最近の作品は映像のテクノロジーという力業で乱暴に押し切ろうとして失敗しています。この作品も当時としては画期的な実写とアニメーションの合成などの意欲的な映像は出てきていますが、少なくとも観客に想像力の押し売りはしていません。こういうナニーがいたらいいなという子どもの単純な興味も、こういう物語があったら素敵だなという大人の興味もみたせる懐の深さが物語にあります。ゆえに映像技術が稚拙に感じられるようになっても魅力が色褪せないのでしょう。エンディングのほろ苦さもこの作品がファンタジーとして一級品であることを証明しています。ファンタジーは脳天気な世界ではなく、現実を反映させながら展開されるのですから。ジュリー・アンドリュースの魅力もさることながら、ディック・ヴァン・ダイクのボードビリアンとしての面白さも最高です。
 ファンタジー映画の面白さを再認識させられました。大人から子どもまで楽しめる一品です。

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2006年12月21日 (木)

訃報:ピーター・ボイル

 アメリカの俳優ピーター・ボイル氏が12/12、ニューヨークの病院で死去しました。享年71歳。多発性骨髄腫や心疾患を患っていたそうです。個性派俳優として知られ、『ジョー』や『タクシードライバー』の出演で知られています。巨漢で個性的な風貌ゆえに一度みると印象に残る人で、ちょっと思い出しただけでも『レッドブル』『クライシス2050』『チョコレート』などずらずら出てきます。ちょっとした役でもたくさんの作品でいい味を出していた人が亡くなられると、主演級の作品が多い人以上にさびしい気持ちになります。ご冥福をお祈りします。

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2006年12月20日 (水)

『ファンタスティック・プラネット』

B00005hw☆☆☆ 絶対に忘れられないイメージの洪水。
 ずっと気になっていたルネ・ラルー監督のアニメーション作品。なんとNHKがハイビジョンでオンエアするという快挙。これがあるから侮れないのです。まあオリジナルはスタンダードのようですが、この際サイズ違いは大目にみましょう。で、肝心の作品の方ですが、これは一度みたら絶対に忘れられないイメージの洪水ですね。話自体は正直それほどのオリジナリティを感じないのですが、これにビジュアルがついてくると強烈なものになります。ええ、私の語彙なんぞでは足りません。みてくださいのひと言です。こういう世界はアニメーションという表現ならではのだと実感します。そしてヨーロッパ製のアニメーション(特に短編中編)をどこかが系統的に特集上映してくれないかと思います。

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2006年12月19日 (火)

ワシントンD.C.映画批評家協会賞

【作品賞】『ユナイテッド93』
【主演男優賞】フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演女優賞】ヘレン・ミレン『クィーン』
【助演男優賞】ジャイモン・フンスー『ブラッド・ダイアモンド』
【助演女優賞】ジェニファー・ハドソン『ドリームガールズ』
【監督賞】マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【脚本賞】『リトル・ミス・サンシャイン』
【脚色賞】『サンキュー・スモーキング』
【美術賞】『マリー・アントワネット』
【アンサンブル演技賞】『リトル・ミス・サンシャイン』
【ブレイクスルー演技賞】ジェニファー・ハドソン『ドリームガールズ』
【アニメ賞】『ハッピーフィート』
【ドキュメンタリー賞】『不都合な真実』
【・外国語映画賞】"Pan's Labyrinth"

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2006年12月18日 (月)

訃報:岸田今日子

 女優の岸田今日子さんが12/17、脳腫瘍による呼吸不全のため東京都内の病院で死去しました。享年76歳。ちなみに元夫・仲谷昇さんは11/16に亡くなったばかりでした。一昨年に撮影し、親友・吉行和子と摩訶不思議な老人を演じた映画『ウール100%』が遺作となりました。
 1930年東京都杉並区生まれ。父は劇作家で文学座創立者の1人である故岸田国士。母の秋子も劇作家、姉は詩人の岸田衿子。舞台芸術に興味を持ち、裏方として文学座の研究生になったが、すぐに女優に転向。1950年に初舞台に立ち、文学座で「サロメ」などに出演した後脱退、劇団雲を経て演劇集団円の創立に参加。新劇女優として舞台に立ち続けた。勅使河原宏監督『砂の女』(64年)で、昆虫採集に来た男を砂の世界へ引きずりこむ女の役を演じ、海外でも高い評価を受けました。映画『破戒』『秋刀魚の味』で1962年の毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。『八つ墓村』でも独自の存在感を示した。また独特の声質と語り口で「ムーミン」の主人公の声(これは娘のために取り組んだ仕事だそうです)でも人気を集めました。94年に紫綬褒章、99年に紀伊国屋演劇賞個人賞、著書「妄想の森」で98年に日本エッセイスト・クラブ賞などを受賞しています。
 私にとってはまずムーミンなのですが、忘れがたい彼女の仕事として小学生の時に聴いたラジオドラマ「風の中の斎王」があります。放送が夜遅くだったために、いつも録音して聴いていたのですが、これは大のお気に入りで廊下の雑巾がけや風呂掃除の手伝いをしていたときのBGMがわりになっていました。映画ではやはり『砂の女』ですが、それにもまして『この子の七つのお祝いに』もすごかったです。ご冥福をお祈りします。

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2006年12月16日 (土)

ゴールデン・グローブ賞ノミネート一覧

ゴールデン・グローブ賞のノミネート一覧です(D=ドラマ C/M=コメディ/ミュージカル)
【作品賞D】
 『バベル』
 『ボビー』
 『ディパーテッド』
 "Little Children"
 『クィーン』
【作品賞C/M】
 "Borat"
 『プラダを着た悪魔』
 『ドリームガールズ』
 『リトル・ミス・サンシャイン』
 『サンキュー・スモーキング』
【主演女優賞D】
 ペネロペ・クルス『ボルベール <帰郷>』
 ジュディ・デンチ"Notes On A Scandal"
 マギー・ギレンホール"Sherrybaby"
 ヘレン・ミレン『クィーン』
 ケイト・ウィンスレット"Little Children"
【主演男優賞D】
 レオナルド・ディカプリオ『ブラッド・ダイアモンド』
 レオナルド・ディカプリオ『ディパーテッド』
 ピーター・オトゥール"Venus"
 ウィル・スミス『幸せのちから』
 フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演女優賞C/M】
 アネット・ベニング "Running with Scissors"
 トニ・コレット 『リトル・ミス・サンシャイン』
 ビヨンセ・ノウルズ 『ドリームガールズ』
 メリル・ストリープ 『プラダを着た悪魔』
 レネー・ゼルウィガー 『ミス・ポター(原題)』
【主演男優賞C/M】
 サシャ・バロン・コーエン"Borat"
 ジョニー・デップ『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
 アーロン・エッカート『サンキュー・スモーキング』
 キウェテル・イジョフォー『キンキーブーツ』
 ウィル・フェレル『主人公は僕だった』
【外国語映画賞】
 "Apocalypto" メル・ギブソン監督
 『硫黄島からの手紙』
 『善き人のためのソナタ』
 『パンズ・ラビリンス(原題)』
 『ボルベール <帰郷>』
【アニメ作品賞】
 『カーズ』
 『ハッピー フィート』
 『モンスター・ハウス』
【助演女優賞】
 アドリアナ・バラザ『バベル』
 ケイト・ブランシェット"Notes On A Scandal"
 エミリー・ブラント『プラダを着た悪魔』
 ジェニファー・ハドソン『ドリームガールズ』
 菊地凛子『バベル』
【助演男優賞】
 ベン・アフレック"Hollywoodland"
 ジャック・ニコルソン『ディパーテッド』
 エディ・マーフィ『ドリームガールズ』
 ブラッド・ピット『バベル』
 マーク・ウォールバーグ『ディパーテッド』
【監督賞】
 クリント・イーストウッド『硫黄島からの手紙』
 クリント・イーストウッド『父親たちの星条旗』
 スティーヴン・フリアーズ『クィーン』
 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ『バベル』
 マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【脚本賞】
 『バベル』
 "Little Children"
 "Notes On A Scandal"
 『ディパーテッド』
 『クィーン』
【音楽賞】
 "The Painted Veil"
 『ファウンテン』
 『バベル』
 "Nomad"
 『ダ・ヴィンチ・コード』
【歌曲賞】
 “A Father's Way”『幸せのちから』
 “Listen”『ドリームガールズ』
 “Never Gonna Break My Faith”『ボビー』
 “Song of the Heart”『ハッピー フィート』
 “Try Not To Remember”/ "Home of the Brave"

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2006年12月15日 (金)

エンニオ・モリコーネに功労賞

 今度のアカデミー賞(授賞式は現地時間2/25)で、映画作曲家のエンニオ・モリコーネに功労賞が贈られることが明らかになりました。モリコーネは『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』など、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタンへの楽曲提供で注目を浴び、その後もレオーネ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』や、『ミッション』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』などの傑作を次々と生み出しています。これまでに作曲した映画音楽は300本以上とも450本以上とも言われています。しかし意外にもアカデミー賞の受賞歴はありません。正直功労賞というのには納得がいかない部分はあるのですが、でもこれはめでたいニュースであることには違いありません。

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2006年12月14日 (木)

ボストン映画批評家協会賞

【作品賞】『ディパーテッド』
【監督賞】マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【主演男優賞】フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演女優賞】ヘレン・ミレン『クィーン』
【助演男優賞】マーク・ウォールバーグ『ディパーテッド』
【助演女優賞】シャリーカ・エップス"Half Nelson"
【アンサンブル演技賞】『ユナイテッド93』
【脚本賞】ウィリアム・モナハン『ディパーテッド』
【外国語映画賞】"Pan's Labyrinth"
【ドキュメンタリー賞】『Deliver Us From Evil』&『Shut Up & Sing』
【撮影賞】ギレルモ・ナバロ"Pan's Labyrinth"
【新人監督賞】ライアン・フレック"Half Nelson"

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2006年12月13日 (水)

ザ・ベーコン・ブラザーズ

 バンドをやっている映画俳優は結構いますが、ケビン・ベーコンがやってるとは知りませんでした。しかも実兄のマイケル・ベーコンと組んでいるザ・ベーコン・ブラザーズがなんと日本公演をするので来日したそうです。しかも会場はブルーノート東京。公式サイトで試聴してみましたが、なんか全然イメージが違います。うーん、なんか不思議な感じ…。

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2006年12月12日 (火)

ニューヨーク映画批評家協会賞

12/11にニューヨーク映画批評家協会賞の受賞者が発表されました。
【作品賞】『ユナイテッド93』
【監督賞】マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【ノンフィクション作品賞】"Deliver Us From Evil"
【外国語映画賞】『影の軍隊』(1969年作品)
【第1回監督作品賞】"Half Nelson"
【アニメ作品賞】『ハッピー・フィート』
【主演男優賞】フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演女優賞】ヘレン・ミレン『クィーン』
【助演男優賞】ジャッキー・アール・ヘイリー"Little Children"
【助演女優賞】ジェニファー・ハドソン 『ドリームガールズ』
【撮影賞】ギレルモ・ナバロ"Pan's Labyrinth"
【脚本賞】ピーター・モーガン『クィーン』

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2006年12月 9日 (土)

訃報:ジャック・パランス

 米俳優ジャック・パランスさんが11/10、米カリフォルニア州モンテシトの自宅で老衰のため死去しました。享年87歳。
 パランスさんは、ペンシルベニア州生まれ。スポーツが得意で、フットボールの奨学生としてノースカロライナ大学に入学したが、2年後に大学を中退。その後、ボクサーなどを経て、第二次世界大戦中の1942年に従軍。終戦後は、スタンフォード大学でジャーナリズムを学んだが、演劇に魅せられ、1950年に暗黒の恐怖』で映画デビュー。52年には『突然の恐怖』でジョーン・クロフォードのストーカーを演じて最初のアカデミー助演男優賞にノミネートされ、翌年には『シェーン』でもノミネートされています。1991年には『シティ・スリッカーズ』で助演男優賞を獲得。授与式では、ステージで腕立て伏せをして見せ、まだまだ現役バリバリな所をアピール、場内を沸かせていたのが印象的です(この時72歳!)。
 正直印象に残っている作品はなくて、本人曰く「俺が出ている映画のほとんどは、どうしようもないゴミのような映画だ。監督らもそうさ。映画を作るどころか交通整理すら任せられないような奴が多かったよ」という通り、私が映画をみまくっていた時期が実はもっとも不遇の時期でした。あとから「はあ、こんなの出てるの?」なんていうのもありました。ご冥福をお祈りします。

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2006年12月 8日 (金)

DVD『ユナイテッド93』

20070103_130333056 ポール・グリーングラス監督の実録ドラマ。→review もはやここまでくるとドキュメンタリーとドラマの境目なんてないと思えるほど現実感たっぷりに描かれているが、それがイヤミにならないのは題材との距離のとり方と視点の持ち方に、細やかな神経がつかわれているからだろう。それは映像特典のドキュメンタリーをみても感じられる。画質音質は水準並み。
B-AVG.-6.47MB/sec.

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2006年12月 7日 (木)

『春夏秋冬そして春』

B0006f☆☆☆ 繰り返してみたくなる魅力を持っている。
 キム・ギドク監督作品をみるのは初めてでしたが、なるほど、これは評価が高いのも納得です。他の作品とは随分と作風は違うようですが、それでもこの監督の映画的感性のユニークさは充分伝わりました。
 人の一生を四季に例えたようなあらすじで、輪廻転生の世界観はアジアならではとも言えるでしょう。湖に浮かんだ寺という設定が絶妙で、寓話的な物語に幻想的な趣を与えています。寺特に春と冬の出来映えが素晴らしく、その詩的で抑制のきいた表現力は見事です(夏の野暮ったさが逆に目立ってしまうのですは玉にきず)。まさかあそこでアリランをきかせてくるとは思いませんでした。この使い方は白眉です。
 後味がさわやかではありませんが、繰り返してみたくなる魅力を持っている作品です。

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2006年12月 6日 (水)

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の結果
【作品賞】
 『硫黄島からの手紙』
【トップ10】
 『硫黄島からの手紙』
 『バベル』
 『ブラッド・ダイアモンド』
 『ディパーテッド』
 『プラダを着た悪魔』
 『父親たちの星条旗』
 "The History Boys"
 『リトル・ミス・サンシャイン』
 "Notes on a Scandal"
 "The Painted Veil"

【ドキュメンタリー賞&トップ5】
 『不都合な真実』
 (以下、順不同)"51 Birch Street"、"Iraq In Fragments"、"Shut Up & Sing"、"Wordplay"

【外国映画賞&トップ5】
 『ボルベール』
 (以下、順不同)"Curse Of The Golden Flower"、"Days Of Glory"、"Pan's Labyrinth"、"Water"

【優秀インディペンデント作品賞】
 "Akeelah And The Bee"
 『輝く夜明けに向かって』
 『敬愛なるベートーヴェン』
 "A Guide To Recognizing Your Saints" Dito Montiel監督
 "Half Nelson"
 "The Illusionist"
 "Lonesome Jim"
 "Sherrybaby"
 "10 Items Or Less"
 『サンキュー・スモーキング』

【監督賞】マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
【主演男優賞】フォレスト・ウィッテカー"The Last King of Scotland"
【主演女優賞】ヘレン・ミレン 『The Queen』
【助演男優賞】ジャイモン・フンスー 『ブラッド・ダイアモンド』
【助演女優賞】キャサリン・オハラ"For Your Consideration"
【アニメ作品賞】『カーズ』
【アンサンブルキャスト賞】『ディパーテッド』
【ブレイクスルー男優賞】ライアン・ゴズリング"Half Nelson"
【ブレイクスルー女優賞】ジェニファー・ハドソン 『ドリームガールズ』、菊地凛子『バベル』
【新人監督賞】ジェイソン・ライトマン 『サンキュー・スモーキング』
【オリジナル脚本賞】『主人公は僕だった』
【脚色賞】"The Painted Veil"

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2006年12月 5日 (火)

今年のアニー賞は要注目!

4日、アニー賞の候補作品が発表されました。長編アニメーション賞には『カーズ』『ハッピーフィート』『モンスター・ハウス』『オープン・シーズン』『森のリトル・ギャング』。私の記憶が正しければ、3D調のフルCG作品のみがノミネーションされたのは今年が初めてだと思います。今年は邦画作品のノミネーションはありませんでした。注目はやはり『カーズ』と『ハッピー・フィート』の争いでしょうか。2000年以降はソニー、ドリームワークス、ピクサー(あとジブリ)で独占していたCGアニメ作品が、いよいよ成熟期なのでしょう。受賞結果の発表は2008年2月11日の予定です。

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2006年12月 4日 (月)

『バス男』

B000h1q☆☆ 演出がへたっぴ。
 とんでもない邦題になったことでも話題になった低予算青春コメディの大ヒット作。なんですが、正直ちーっとも笑えませんでした。いや、笑える要素はあります。言葉遣いとかの感覚は「はねトビ」でロバートの秋山さんがやっている芸風に近いものがあると勝手に思ってます。でも結局演出がへたっぴなんです。だってペドロのエピソードなんて、すっごくおかしいはずなのに面白くならない。ひと言で言えば間が悪い。私の好きな『オレンジカウンティ』なんかの方がずっと出来がいいです。あと数年してこの作品を思い返す人が何人いるでしょう。私は自信がありません。

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2006年12月 3日 (日)

『終わりで始まりの4日間』

B000h1qs8☆☆ 気取りがジャマ。
 WOWOWの予告で面白そうだったのでみましたが、正直がっかりでした。端的に言ってしまうと感情を巡る主人公の葛藤ならば、妙な気取りを捨ててストレートに描けば充分よかったのです。それが無意味なディティールの積み重ねでぶちこわしになっています。唯一の収穫はピーター・サースガード。ヘンだけどいい奴を地に足をつけた存在で演じているのはうまいなあと思いました。
 結局描き手の個性がよくわからないのです。『ドニー・ダーコ』以降でしょうか。どうもこの手のタイプは似通った作品が多く、つまらないものばかりです。そろそろストレートな青春映画が出てきてほしいと思います。

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2006年12月 2日 (土)

訃報:実相寺昭雄

 映画監督の実相寺昭雄さんが11/29、胃がんのため東京都文京区の病院で死去しました。享年69歳。
 東京都出身。早稲田大第二文学部仏文科を卒業後、ラジオ東京(現TBS)に入社。1960年代に『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』などの演出を手掛け、奇抜なアングルや独特の照明技術を駆使した陰影のある映像で日本の特撮映像の第一人者となりました。1969年には『宵闇せまれば』で映画監督デビュー。エロティシズムを通して、日本の精神的風土にひそむ人間の本質に迫った『無常』『曼陀羅』や、有名小説が原作の『帝都物語』『姑獲鳥の夏』などを監督しました。遺作はかつて演出した人気特撮番組『シルバー仮面』を自らリメークした映画『シルバー假面』。
 映画は正直よい印象はないのですが、なんといってもウルトラマン。ハヤタ隊員に変身時スプーンを持たせた男ですもん! ご冥福をお祈りします。

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2006年12月 1日 (金)

ありがとうU2

 少し冷静になったので(汗)振り返ってみたいと思います。ライブ自体はやっぱりさすがだと思いました。DVDでみて感じていたのですが、今振り返っても彼らのターニングポイントはやはりひとつ前の"Elevation Tour"だった気がしてならないのです。あの時のアルバムには素直にロックンロールを演奏する歓びにあふれていて、ライブでもすごくファンと一体感があった。それで今回のライブに私は今までの来日公演とは違ったオーソドックスなものを感じたのだと思います。ただそこには複雑な気持ちもあります。"Love Comes to Town TOUR"でみせた暑苦しいほどのまっすぐさ。"Zoo-TV Tour"での先鋭かつ圧倒的なパフォーマンス。"Pop-Mart Tour"での毒とアイロニー。そういう独創性は感じられませんでした。それに正直なところ、説教がましさを感じたところがなかったわけではありません。そういった部分では不満もあります。
 でも私が感慨深かったのはそれでも彼らは前に進んでいくのだということをあらためて実感したことです。ロックンロールはアートでもありビジネスでもある。彼には伝えたいことがあった。そこには紆余曲折もあってもどかしいことが多かった。いろいろな手段でやってきた。拳をふりあげて叫んでも届かなかった。アイロニーに包んでもダメだった。所詮人間は自分勝手だ。でもボノは歌い続けた。あきらめるのは簡単。見て見ぬふりも簡単。敵対するのも簡単。ならばきれいなものも汚いものもすべて飲み込んで歌っていこう、そんな覚悟が近作2枚のアルバムの印象であり、ままならぬ世の中できっと彼はこれからも世界のことを考えながら歌っていくのだという覚悟をライブで感じました(だから今回は安部首相にも会ったのだろうし、ミュージックステーションにまで出演したのだと思います)。成熟という表現は似つかわしくないかと思いますが、また大きくなったんだなあということでしょう。
 ビートルズもストーンズも後追いでしかなかった我々80'sの洋楽世代がリアルタイムで体験できたことを誇れる数少ないアーティストです。私も彼らの1人のファンとして、20年以上、同じ時代の目撃者でいられたことがとても幸福に感じられた、そんな夜でした。

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