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2006年11月25日 (土)

『プラダを着た悪魔』

20061126014301☆☆☆ メリルの演技を見逃すのはもったいない!
 私はファッションとかブランドには無知で、正直どうしようかと思ったのですが、みてよかったです。楽しめました。少なくとも凡作ではないでしょう。
 まあ物語は正直テレフィーチャー程度の奥行きで、映像としてもそれほどみるべきものはありません(撮影監督がスコセッシ作品の常連ミヒャエル・バルハウスの子どもだったのにはびっくり)。マドンナの「ヴォーグ」を引っ張り出す音楽センスも言わずもがなです。では何がよいのか。そりゃあ、あなた。メリル・ストリープですよ。この作品は彼女の演技を堪能するためにあるのです。もう、お見事の一言。この一歩間違えるとただのギャグにしかならない役どころ(そう、『ワーキング・ガール』のシガーニー・ウィーバーのように)にリアリティを与え、主役を引き立てながら観客からも認められるキャラを造形し、少なくとも批評家筋の絶賛や賞レースとは縁の薄そうなこの作品に絶妙なスパイスを与える芸当は彼女にしかできません。ですからたとえアン・ハサウェイの役柄がいつもどおりでも、社会人一年生の時に誰もがぶつかるであろう壁に共感できる後味さわやかな物語になったのだと思います。スタンリー・トゥッチは儲け役。『ニック・フォーリン』のサイモン・ベイカーが出てきたのにはちょっとびっくり(でも役どころがあんな役なのでがっかり。というかパンフのプロフィールに『ランド・オブ・ザ・デッド』がないのに憤激)。
 これが単なるデートムービーだと敬遠してメリルの演技を見逃すのはもったいない!と思います。まあ野郎ひとりでみるには気後れしましたが(笑)

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