『アイランド』(2005)
☆☆ アクション場面が金太郎飴。
マイケル・ベイ監督作にしては興行的にずっこけた本作。まあ大して期待はしていなかったのですが、まあその程度の出来映えでした。
話はいわゆるデストピアSF系で『2300年未来への旅』に今風な設定をアレンジした感じ。いや実際にはかなり興味深い部分で特に生命の不可思議とか、感情を持つことというのは何度も描かれてきた世界です。でもまあマイケル・ベイなので倫理的な部分はすかーんと抜けましたね。この人はとにかく車が転がったり、追いかけっこしたりをひたすら描きたいので、そういうエモーショナルな部分への目配せはまったくなし! で、それが爽快感につながっていればまた話は別なのですが、やはりいくらなんでもこれじゃあねぇという感じです。なにしろ肝心なアクションパートに新鮮味がまったくないのです。多分『バッドボーイズ』とか『ザ・ロック』の一場面とか混ぜてもわかんないじゃないかというぐらい。この作品はブラッカイマー印がなくなった初めてのマイケル・ベイ作品なのですが、そういう意味でブラッカイマーが担っていたところがはっきりしてきます。つまりベタな展開と映像の新規開拓。仕掛けだけ派手でも仕方ありません。ユアン・マクレガーもスカーレット・ヨハンソンもどうでもいいキャラクター。おいしかったのはスティーブ・ブシェミとジャイモン・フンスー。特に後者はかっこうよかったです。
ポップコーンムービーと呼ぶには重すぎ。デストピアSFと呼ぶには軽すぎ。マイケル・ベイのフィルモグラフィーでもファンにとっても存在感のない作品です。
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