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2006年10月27日 (金)

『スネーク・フライト』

20061030005426☆☆ 狙って作ったB級にしては描写がおとなしすぎ。
 『セルラー』で唸らせたデビッド・エリスの新作は、今夏アメリカで妙な勢いで大ヒットとなった1本。まあ勝因はウジャウジャ出てくるヘビとサミュエル・ジャクソンであることは衆目の一致するところでしょう。これはポップコーン片手に大笑いする映画です。だって倫理観とか緊張感とか皆無ですもん。
 ただホラーファンとしてはイマイチ満足する出来映えとは言えません。むしろ『セルラー』の方が金はないが知恵を使おうとした心意気が感じられました。これはあきらかに狙ってB級を作ろうとしているわけです。にもかかわらず突き抜け方が一歩足りない。サム・ライミの『死霊のはらわた』が怖すぎて笑っちゃう世界だったのに対して、ちょっとおとなしい感じがします。細かいディテールの破綻も含めてファンは楽しんでいます。別にレイをかけるかけないで殺される人を選ぶなんてそんな細かいディテール、いいじゃないですか。サミュエル・ジャクソンがすべてをわかった大立ち回りで映画ファンの心をわしづかみにするのに、キックボクサーをはじめ、キャラクターの使い方ももうひとつ。もっとエネルギーのある描写が欲しかったです。
 1人で行くより友だちと、それもできるだけ大人数でいくこと、そして何も難しいことは考えないですむ仲間を選んでいくことをお勧めします。ただしレイトショー料金でないと立腹する人が出てくるかもしれません。
(TOHOシネマズ川崎3にて)

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