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2006年10月31日 (火)

『ホステル』が上映できないシネコン

 なぜ『ホステル』がそういう状況になるか。それはシネコンがホラームービーを敬遠している現状があるからです。
 シネコンがここまで隆盛を極めるのはとても喜ばしい限り。というか今までの映画館がひどかったわけですが、反面意外な問題も深刻化してきています。最近私が特に感じている予想内・予想外のシネコンの課題。
1:観客マナー悪化の一途
2:作品の興行成績の二極化
3:作品内容の画一化
4:ロングラン上映の減少
 まあ1と2は想定内でした。しかし1に関してはあのマナーCMが象徴するようにそこまで言わないとわからないか?という感じです。とりあえずおしゃべりはやめましょうね、おしゃべりは! で、2も比較的想定内。同じ土俵であがる以上売れる作品と売れない作品にはっきりわかれるのは仕方がないです。しかしここに関しては今までの興行的常識では当たらない(というかブッキングの関係で数字に限界があった)インデペンデントの作品(最近だと『フラガール』)でも充分ペイできる状況になった面もあるので、一概に悪いことばかりでないところが難しいところ。それに関連して4もそうで、ヒットしないとばんばん上映が切られる。すぐにいかないとホームシアター並の小さなスクリーンにまわされ、朝1、夜1しか上映がなくなります。じっくり当てるという発想がなくなりました。
 問題は3。当初まさかここまで深刻になるとは思いませんでした。私は作品の選択肢はきっと増えると思っていたのですが、興行が変わっても制作側の体質が変化していないために金太郎飴のようなラインナップでシネコンが埋まるのです。ちょっと前ならばブラッカイマー印とシリーズもの(洋画ならば字幕と吹き替えで2館占拠される)。現状のような邦画隆盛の時代に突入すると泣き泣き泣きな作品ばかり。
 特に深刻なのは前述のこと。確かにファミリーピクチャーを目当てにして、目の前に『ホステル』とか 『ディセント』のポスターがあると(ましてや予告編とか)びっくりだとは2児の父としてもわかりますが、でもそれでは観客層は狭くなる一方になるのではないでしょうか。シネコンが個性を持つべきであるというのは私の主張ですが、たとえばクラシックスをいつも上映しているとか(TOHOシネマズさん、真面目にやってみませんか? プレミアスクリーンで前やっていたような名画上映の企画はもうナシですか? 浅草東宝なき後、絶対に必要だと思いますが) ホラー専門のシネコンとか。映画ファンを育てるシネコンが出てこないといけないように思います。

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2006年10月30日 (月)

『ホステル』嘔吐バックキャンペーン

 ホラーファンにとってはこの秋のツートップ!(もちろんもう1本は『スネーク・フライト』)の1本。イーライ・ロス監督の『ホステル』。正直都内1館でレイトショーというのが腹ただしいのでが、ひとつだけほめておきましょう。それはこの「嘔吐バックキャンペーン」。28日より公開するシアターN渋谷では上映開始後46分、1人目の拷問シーンが終わった時点で気分が悪くなり途中退場する観客には、入場料を全額返還するキャンペーンを行うそうです。また近隣の病院と提携し、気分の悪くなった人へ対応できる態勢を取っているらしいです。なんか東宝東和チックなキャンペーンで大笑いしました。こういう悪ノリは大好きです。はたして大ヒットとなるやら。(というかシアターN渋谷でしかみられないこと自体が問題だ) このあたりのブッキングについては次の機会に。

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2006年10月29日 (日)

第19回東京国際映画祭コンペ結果

 ほら、一応記録しておかないとすぐに誰も覚えていなくなるから(汗)。だってあの日本最大の映画データベース、allcinemaオンラインにすらデータが残っていないのだ(日本アカデミー賞すらあるのに、ですよ)。まあ本家本元のサイトにすらデータが残ってないんだから話になりません(爆)。

東京サクラグランプリ 『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』(ミシェル・ハザナビシウス監督)
審査員特別賞『十三の桐』 (ルー・ユエ監督)
最優秀監督賞 ジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス監督(『リトル・ミス・サンシャイン』)
最優秀主演女優賞 アビゲイル・ブレスリン(『リトル・ミス・サンシャイン』)
最優秀主演男優賞 ロイ・デュピュイ(『ロケット』)
最優秀芸術貢献賞 『父子』(パトリック・タム監督)
観客賞 『リトル・ミス・サンシャイン』
黒澤明賞:ミロス・フォアマン、市川崑

■アジアの風部門
最優秀アジア映画賞 『父子』

■日本映画・ある視点部門
作品賞『ミリキタニの猫』 (リンダ・ハッテンドーフ監督)
特別賞 高良健吾(『M』)

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2006年10月28日 (土)

映画の著作権は誰のものか

 こんな記事を書いていたのですが、その作品『映画監督って何だ!』が今度11/4からユーロスペースでレイトロードショーされるそうです。
 実は『映画秘宝』最新号で黒沢清がインタビューに応じています。そういえばあったあった、『スウィート・ホーム』での訴訟問題。当然私はその中身の詳細については知る由もなく、むしろ製作者であった伊丹十三側を擁護する論調が一般的だったせいもあって、お金をめぐる裁判であるという認識を私もしていました。ところがどうもそうではなくても、「映画の著作権は誰のものか」という話だということがわかりました。
 私の持論は映画の著作権は基本的にプロデューサーにあると思っています。もうちょっと専門的に言えるならばファイナルカットの権利を持っている人。なぜならばそれが映画の仕上げのところで、すべてがそこで決まるから。そうすると必然的に監督かプロデューサーということになります。それから映画は共同作業作品なので、もしファイナルカットの権利のない監督が持つのならば、他のスタッフにも均等に持つべき権利がなくてはいけないと思います。なぜなら監督が映画のすべてを決めるとは思っていないから。黒沢清の発言にある「『この映画を作ったのは誰だ?』『この作者の意図は何だ?』と聞かれたときに真っ先に頭に思い浮かべるのは監督の名前だと思います。“映画の作者は監督である”という、世間一般に当たり前のように浸透かつ共有されている価値観が、法律上では全く通用していないというのは、権利云々よりも率直に“それはおかしいだろう”という心境です」というのはある意味で正論ですが、そうとは言えない現場もたくさんあるじゃんと思うのは私だけでしょうか。そうそう『スウィート・ホーム』はつまらなかった。ディック・スミスのSFXも無駄遣いの印象。でもそれが黒沢清監督にすべて責任があるとは思っていないし(大きな要因だとは思いますが)、この作品が封印される必要はありません。
 ただこのことを議論し、きちんと法制化する必要性は感じています。特に製作委員会体制が盛んな状況で、映画製作に関する責任がまっとうされないことも多すぎます。そういう意味で『映画監督って何だ!』は意味のある一石です。

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2006年10月27日 (金)

『スネーク・フライト』

20061030005426☆☆ 狙って作ったB級にしては描写がおとなしすぎ。
 『セルラー』で唸らせたデビッド・エリスの新作は、今夏アメリカで妙な勢いで大ヒットとなった1本。まあ勝因はウジャウジャ出てくるヘビとサミュエル・ジャクソンであることは衆目の一致するところでしょう。これはポップコーン片手に大笑いする映画です。だって倫理観とか緊張感とか皆無ですもん。
 ただホラーファンとしてはイマイチ満足する出来映えとは言えません。むしろ『セルラー』の方が金はないが知恵を使おうとした心意気が感じられました。これはあきらかに狙ってB級を作ろうとしているわけです。にもかかわらず突き抜け方が一歩足りない。サム・ライミの『死霊のはらわた』が怖すぎて笑っちゃう世界だったのに対して、ちょっとおとなしい感じがします。細かいディテールの破綻も含めてファンは楽しんでいます。別にレイをかけるかけないで殺される人を選ぶなんてそんな細かいディテール、いいじゃないですか。サミュエル・ジャクソンがすべてをわかった大立ち回りで映画ファンの心をわしづかみにするのに、キックボクサーをはじめ、キャラクターの使い方ももうひとつ。もっとエネルギーのある描写が欲しかったです。
 1人で行くより友だちと、それもできるだけ大人数でいくこと、そして何も難しいことは考えないですむ仲間を選んでいくことをお勧めします。ただしレイトショー料金でないと立腹する人が出てくるかもしれません。
(TOHOシネマズ川崎3にて)

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2006年10月26日 (木)

東京国際シネシティ フェスティバル

 で、東京ファンタの後釜になるのがこの東京国際シネシティ フェスティバル。正直この映画祭、ラインアップからみて何がやりたいのかさっぱりわかりません。ただ単に東急レクの見本市ですか? それとも秋の映画祭り復活? 期間も作品もすべてが中途半端なこのイベント。さてどうなることやら。

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2006年10月25日 (水)

「銀座並木座 日本映画とともに歩んだ四十五年」

48862 並木座について取材したルポ。最初から並木座賛歌になってしまっているために、名画座を取り巻く厳しい環境についてや、興行とのかねあいのあたりに全く触れられていない。この点がとにもかくにも残念。その中で頑張っていたからこそ、この映画館の素晴らしさがあると思う。インタビュー形式でつづったことも軽いという印象を持たせてしまうが、素晴らしかったのは巻末の上映作品全リスト。これだけでも資料的価値は充分。

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2006年10月22日 (日)

訃報:藤岡琢也

 俳優藤岡琢也氏が10/20、慢性腎不全のため東京都内の病院で死去しました。享年76歳。兵庫県出身。TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で90年の放送開始時から大家族の父、岡倉大吉役で出演していたことで知られています。というか、この人を映画のトピックスでとりあげることに異論がある人もいるかもしれません。じゃあなぜ、代表作を忘れちゃあいませんか。なに? 「太陽にほえろ!」の鮫やんこと鮫島勘五郎刑事? うん、確かにあれはいい味出してる代表作・・・じゃなくて! 「ええゆめみさせまっせ!」の夢邪気ですよ。邦画史に燦然と輝く『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』がこれほど素晴らしい作品になったのは、あの声は大きかったと思います。いまだにあれをみてなくてこれから体験する人は幸せだなあと思います。ご冥福をお祈りします。

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2006年10月21日 (土)

第19回東京国際映画祭開幕

 すっかり足を運ばなくなったこのイベント。顔見知りと会うこともめっきり少なくなり、これだけはと食指をそそられる映画もなく、私にとっては何の魅力も価値もないイベントになりました。といいつつ黒谷友香さんの『TANNKA』のチケットだけはキープした私(大汗)。でもきっと行かないような気がします。ちなみに今年の審査委員長は当初はクロード・ルルーシュ監督だったが、新作撮影のために拒否されて、ジャン=ピエール・ジュネ監督になりました。さてコンペになってからのグランプリ作品、何人の人が言えますか? まあその程度の映画祭ですからね(イヤミです、もちろん)。

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2006年10月17日 (火)

怒り炸裂、不愉快なオチ

わがシアタールームを揺るがしたあの問題。(10/7より続く)
パナソニックからのメールで意外な(まあ至極当然と言えば当然の)オチがつきました。犯人はやはりプロジェクターでした。

 パナソニックの説明によるとTH-AE700は、コンポーネント入力(アナログ入力系)とHDMIの入力で出画範囲に違いがある仕様だとのこと。アナログ入力系では信号にごみが乗りやすくTVと同じようにオーバースキャン(約5%)を行っていて、HDMIでは入力がデジタルでピクセル毎に指定しているのでそのまま出力しているという説明だった。

ここで私、噴火!(笑)

だったら最初のメールはなんなのよ!
これはろくに調査もせずに答えたということですか?
さらにいうとサービスの方もこの点はわからなかったのでしょうか。図面をみせていただいたときにHDMIとコンポーネントでは映像処理のチップの通り方が違うという説明がありましたが、ここまでわかっていながらなぜこのオーバースキャンの仕様が把握できていないのか。つまり全機そういう仕様であるならば、実機で確かめればわかること(しかも最初の問い合わせからサービスの方が来るまでに2週間あった)、それから来てもらえればそこで済んだ話なのではないでしょうか。

 もう不愉快で仕方がありません。サービスの人のたばこ臭さにまで腹が立ってきた(汗)。まあ仕様だとわかればまずは納得。HDMIの恩恵にあずかれるように、アンプの買い換えも考えてみたいと思います。

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2006年10月15日 (日)

ワーナーのキャンペーン

Whpass ワーナーがシネコンでキャンペーンを実施しているのを知りました。まあ早い話がワーナー配給作品をみるとプレゼントだよな内容なのですが、おまけでもらったのが写真のDVD。これ非売品の割には(収録時間は短いですが)楽しめました。気になったのはこれ、告知不足じゃなかろうか。コンセッションにいかないとわからないじゃダメだと思いますよ、109シネマズさん。作品のチケットを購入した人にチラシ渡すぐらいじゃないと意味がありません。もうひとつ気になったのは参加しているシネコン。MOVIX、シネマサンシャイン、109シネマズ、シネプレックスの4つなのですが、あれワーナーマイカルがないです。そりゃいくら別組織だとはいえ、いくらなんでもな気がするのは私だけですか?

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2006年10月14日 (土)

『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』

20061016190038☆☆ 無駄に長い。
 昔から言うじゃないですか、海賊映画に傑作なしって。やっぱり昔の人がいうことには何か理由があるんですよ。で、一応みました。もうダメよ、こういうの。こういうのが当たっちゃうんだからだめなのよいう悪しき見本です。
 まず長い。緩急ナシ、無駄ありまくりの見せ場垂れ流し。だから見せ場が映えません。盛り上がらないのです。その上、海賊たちが(いい方も悪い方も)まあ汚いこと、汚いこと。画的なセンスに面白味が欠けています。この映画は遊び心がない。もっというと粋じゃない。ジョニー・デップもこのシリーズは勘違いもはなはだしい。ちっともかっこよくないし、おもしろくもない。オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイにいたっては魅力ダウン。唯一すごかったのはビル・ナイ。大いに笑わせていただきました。
 これでまだ3があるんですか。ああ、うんざり。
(109シネマズMM横浜1にて)

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『レディ・イン・ザ・ウォーター』

20061016190045☆☆ やりたいことはわかる。窮屈で底の浅い表現。
 賛否?まではいかないものの容認派と否定派に真っ二つに分かれていて、久しぶりに批評の存在意義がある作品ですね。私はこの映画、つまらなかったです。でも意欲作であり、シャマランという男の作品は見続ける価値があることは是非述べておきたいと思います。
 やろうとしていることはすごくわかるのです。私は『アンブレイカブル』が好きな人だし(笑)。けれども結局ここには物語をわくわくしながら読み進める楽しさがないのです。シャマランで一番面白かったのは『アンブレイカブル』、まあまあが『ヴィレッジ』『シックス・センス』、ダメが『サイン』だったのですが、この作品がもっとも似ているのは『アンブレイカブル』ですね。これの同工異曲とはよくいったもので、あっちはアメコミ、こっちはおとぎ話。あの映画と同じように登場人物たちには実は役割が(しかもそのジャンルではスタンダードな)与えられていて、それが終結へのカタルシスになっていく物語構造です。ところがあの映画にあった想像力を刺激する面白さがここにはありません。今ここで語られる物語に行間を読む楽しさがあった。ところがこの作品ではひとつの解釈しか許されず、非常に窮屈な印象で物語の底が浅い。結局それがリアリティの欠如につながり、安直なご都合主義ではという誤解を与えています。そういう意味ではシャマランはストーリーテラーではないのかもしれません。はやりたいことがわかるだけに惜しいと思います。撮影がクリストファー・ドイルになったのも大きなマイナス。彼はシャマランの映像世界がわかっていません。タク・フジモトやロジャー・ディーキンズが記号論的な面白さを提供したのに比べると力量不足です。ただいつもながら役者陣からは楽しくて見応えのある演技を引き出していますね。それに応えているポール・ジアマッティは見事です。『猿の惑星』ではイヤミな演技をする人だなあと思っていたのですが、いつの間にこんなに味のある役者さんになったのでしょう。
 一度彼は他の人のシナリオを映画にした方がいいかもしれません。(カメオ出演もやめるべき。あれもイヤミです。) 批評家に神経を使ってイヤミな要素を入れるくらいならば、私たち映画ファンを今一度心躍らせる物語を紡ぎ出してもらいたいと思います。
(109シネマズMM横浜3にて)

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2006年10月13日 (金)

『X-MEN:ファイナル ディシジョン』

20061016190042☆☆1/2 カタルシスあり、記憶の価値なし。
 監督が前2作のブライアン・シンガーからブレット・ラトナーにかわって作られた、とりあえずの最終編。まあ見事に脳天気なドッカンボッカン系ハリウッド超大作に変身。でも大味だけどそんなにテイストとしては間違っていない気がしました。
 前2作に決定的に足りなかったカタルシスという点ではこの監督起用は成功しています。しかしいくらなんでも大雑把すぎるよな、というつっこみどころは充分で、見終わった後、前2作と違いスカッと忘れます。はたしてそれがよいのか悪いのか。おっとCMでいうところの決断は観客側のこういうところで求められるのか?(笑) すっかり売れっ子になったキャストの顔を上手にたてたところは見事なのかもしれませんが、それがこのシリーズを一番ダメにしている気がします。ヒュー・ジャックマンはシリーズ中、一番見せ場たっぷりですが、一番間抜けに見えたのも事実。そしてサイクロップスがもっと間抜けにみえました。ファムケ・ヤンセンがこわすぎ。エレン・ペイジがキュートでした。
 あの興行成績だとパート4はできるのでしょうか。でもそんなこともきっとどうでもいいでしょう。そこそこ楽しめましたのは事実でそこは評価したいのですが、パート4までに内容を覚えていられるかどうか、そして覚えておく価値があるのか、そこは疑問です。
(チネチッタ・チネ7にて)

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2006年10月10日 (火)

第7回東京フィルメックス 

 もはや東京国際映画祭の比ではないぐらい重要な映画祭になっている東京フィルメックス。今年もめでたくラインナップが決定。本当に作品選びがいいですね。特別招待作品の顔ぶれも映画祭のポリシーがみえる。オープニングにはベネチア映画祭で金獅子賞を受賞したジャ・ジャンクー監督の『三峡好人』、クロージングにはツァイ・ミンリャンの『黒眼圏』、他にも『クライング・フィスト』のリュ・スンワン監督『シティ・オブ・バイオレンス』、そして黒沢清の『叫(さけび)』など11作品。コンペティション部門では、『バッシング』の小林政広監督『幸福』や『亀も空を飛ぶ』のバフマン・ゴバディ監督『半月』など9作品。いやあパチパチ。
 さらに特集上映は『日本映画のダンディズム』と題して岡本喜八監督特集。デビュー作『結婚のすべて』から『江分利満氏の優雅な生活』『独立愚連隊』『斬る』『日本のいちばん長い日』など初期から中期の傑作を12本上映してくれるのです。おまけに昨年亡くなったスイス映画界の巨匠ダニエル・シュミット監督の日本未公開作品の上映のあるらしい。岡本喜八ファンの私としては特集上映が嬉しいのだが、嬉しいことに休日に足を運べばほとんどの上映作が網羅できるスケジュールになっている(いけるといいな!)。残念なのは英語字幕付きであることぐらいか(これは外国人の方には本当に申し訳ないが正直そう思う)。
 去年は『SPL』を見逃して悔しかったので、今年は何度か足を運びたいと思っています。

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2006年10月 7日 (土)

接続経路で問題を切り離し

まだまだ続いていたこの問題!

HDMIロングケーブル購入、しかーし!
HDMIとコンポーネントで映写範囲が違う
セーフティゾーンでチェック
問い合わせの結果

 この日、ようやく都合をつけ、パナソニックの方に点検にきてもらいました。そうするとうつっている画像をみて、これは映像処理系に何かしらの違いが出ていますとまずひと言。その後でHDMIとコンポーネントの接続経路が違うのでアンプが原因の可能性もあると指摘されました。

確かにコンポーネントは
DV-AR12(D端子)AVC3890(コンポーネント)TH-AE700
HDMIは
DV-AR12(HDMI)TH-AE700

 また回路図をみるとどうやらTH-AE700はアナログ系とデジタル系では回路の処理がひとつ違うようです。つまりアナログの場合は一度デジタル変換の処理を行っているチップがあるということ。そこでいったん本日は終了。原因の切り離しを行うためにD端子ケーブルを購入し、プロジェクターに直結することにしました。結果ですが状況に変化はありませんでした。するとこれで原因はアンプではなく、やはりHDDレコーダーかプロジェクターにあるということになります。
 そこで少し他のソースについてチェックしてみました。まずハイビジョンソースでケーブルによる違いがあるか。DV-AR12にハイビジョンソースを録画してそれをプロジェクターに、コンポーネント、HDMIそれぞれ直結して比較したところ違いは出ませんでした。
今度はRec-Potに録画したものをCATVセットボックスからコンポーネントで出力したものと、前述のDV-AR12からHDMI出力したものを比較してもやはり変わりませんでした。するとこの現象が起きているのはHDDレコーダーDV-AR12のDVD再生で、525Pでコンポーネント接続した場合と1125iにアップスケーリングされたHDMI接続との違いということになります。問題はこれが仕様なのか異常なのかという点です。

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2006年10月 5日 (木)

訃報:田中登

 神代辰巳監督らと共に、日活ロマンポルノを支えた映画監督の田中登氏が10/4、急性動脈瘤乖離のため死去しました。享年69歳。代表作に『(秘)色情めす市場』『実録阿部定』『人妻集団暴行致死事件』など。近年は作品をとるチャンスにめぐまれず2時間ドラマなどで演出を手がけることがありました。
 実は私は1本しかみておらず、ここに記すのは恥ずかしいのですが、その1本は強烈な印象を残しています。津山三十人殺しに題材を得た『丑三つの村』。日本で初めて暴力描写を大きな理由にして成人指定になった作品です。大傑作ではないのですが部落問題も含めて、日本の暗部を照らし出すパワーのある作品でした。これから後追いでたくさん作品をみたい映画監督です。ご冥福をお祈りします。

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