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2006年9月19日 (火)

『亡国のイージス』

20061105224724☆1/2 まずはおもしろくしてくれよ!
 そもそもこの原作者の作品にはそそられるものがなし。私はミリタリーに興味があるわけでもなし。しかしあの阪本順治がポリティカル・フィクションをどう料理するかにのみ興味がわいていたのですが、まあできあがりは不格好この上ない作品となりました。
 そもそもこの物語はほとんどマイケル・ベイの『ザ・ロック』まんま。工夫と緊張感のない脚本、弾まぬ貧相な画面、意外性のないキャストとかみ合わぬ芝居。しかし阪本監督は極力そういう単純明快なハリウッド的活劇路線にはしるのを拒否したのでしょうか。そうとしか思えない失格活劇です。(しかしそうなのだとしたら音楽とかに向こうの人を呼ばないで欲しい)。『ザ・ロック』の素晴らしさのみが思い起こされます。決定的なのは画作りの貧相さ。今回は撮影の責任は大きいですぞ。やはり準備段階でのお金と時間のかけ方が違います。わかっていない構図、半端なライティング。そのどれもがハリウッドに白旗なのです。
 ハリウッド的エンターテイメントがすべて悪いわけではあるません。活動屋が活劇に徹して何がいけない! まずはおもしろくしてくれよ。そう叫ばずにはいられない凡作です。

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