『ホワイト・ライズ』
☆☆1/2 あらすじに毒がない。キャスティングもつまらない。
後で知ったのですがこの作品はフランス映画『アパートメント』のハリウッドリメイクでした。私は未見で先にこちらをみました。なるほどオリジナル版のパブリシティでは興味そそられませんでしたが、こっちはそそられました。ということで配給のヘラルドの作戦勝ち。そっちをみた知人によると(笑っちゃうほど)ほぼオリジナル通りにリメイクされたようで。でもこういうタッチの作品はハリウッドよりヨーロッパ向きですね。
確かに主人公は悲劇的な運命に翻弄されるのですが、どうしても主人公に焦点があたるのは仕方がないにせよ、この男女4人はそれぞれの事情で恋愛と人生の間で揺れ動くわけで、もっと群像劇にするべきだったと思います。以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>この映画は物語上、嘘をつくアレックスに大きなポイントがあります。ところが主人公にウェイトが置かれてしまっているため、彼女はただのわがままなひどいやつにしか感じられません。よくよく考えればそれぞれの行動がお互いを傷つけているわけで、群像劇にすれば残酷な愛のかたちが鮮明に浮かび上がったと思うのですが、このあたりの毒がなく、お涙頂戴なエンディングになっているのはバツです。それから未見なので比較できませんが、オリジナルと比較するとキャスティングは弱い。ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチに加えて、アレックスがロマーヌ・ボーランジェですもん。さすがわかってらっしゃる。ジョシュ・ハートネットはこういう役はとてもうまいのですが、最近ややタイプキャスト気味。マシュー・リラードも軽すぎ。そしてダイアン・クルーガー。なぜ彼女には『トロイ』といいこういう絶世の美女役がまわってくるんでしょう?
とりあえずラブストーリーとしては平凡な出来映え。オリジナルが気になるところです。
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コメント
ほぼオリジナル通りにリメイク?だって?
オリジナルとリメイク版とじゃ
エンディングの内容が180度違う……
投稿: 通行人 | 2008年2月 9日 (土) 01:59