« DVD『コラテラル』 | トップページ | 『スーパーマン リターンズ』 »

2006年8月25日 (金)

『カーズ』

Cars☆☆☆1/2 さすがの人はさすがです。
 ピクサー待望の新作。そしてあのジョン・ラセターの監督復帰作。正直ここしばらくのピクサー社の作品には悪い作品ではないのだけれど、どこかしら不満も残る出来映えだったので、ちょっと心配していたのですが、いやいや、さすがの人はさすがでした。
 話はいつものようにいい話です。ただこの人の監督作は教訓めいた要素が押しつけがましくありません。それに過剰にお涙頂戴にもならない。『モンスターズ・インク』や『ファインディング・ニモ』がうまくいかなかった周囲のキャラクターの立て方もうまい。ちょっとしたギャグも効いているし本当にバランスがいい。このあたりはラセターの面目躍如と言ったところでしょう。しかしあえて強調したいのはやはり活劇ものとしてのおもしろさ。ここは宮崎駿やジブリの近作がが忘れてしまったところですね。ちゃんと見どころを用意しているのです。みてくださいよ、このレースシーンのおもしろさ! 熱狂的とはいわなくてもそこそこそっち方面に興味のある私も大満足のできばえです。モデルは明らかにNASCAR(ナスカー)の世界、そうあのトム・クルーズが主演した『デイズ・オブ・サンダー』と同じですが、その迫力にうならされました(フルコースコーションとかの独特のルールはみんなわかってるのだろうか、ちょっと心配でしたが)。技術的にはもう神懸かり的ですらあります。あの光沢、あのリアリティ。それでいていきいきと動いている面白さ。脱帽のひと言です。
 大人から子どもまで楽しめる希有な作品であり、アニメーションとしても映画としても完成度の高さに唸るしかない秀作です。
 最後にブエナにひと言。吹き替え版もいいけど字幕でみたい大人も忘れないでください。上映館が少なくても上映時間が夕方以降にしかないのも我慢します。でもせめてDLP版ぐらい頼みますって。(Mr.インクレディブルからですが)DLP版が吹き替え版のみっていうのはつらすぎます。
(TOHOシネマズ六本木ヒルズ4にて)

|

« DVD『コラテラル』 | トップページ | 『スーパーマン リターンズ』 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『カーズ』:

« DVD『コラテラル』 | トップページ | 『スーパーマン リターンズ』 »