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2006年8月 3日 (木)

『ゲド戦記』

20060818_004722668☆1/2 アニメとしての魅力なし。
 言いたいことはいろいろあります。まず作品からにしましょう。まあアニメの失敗作にありがちなタイプといえばわかってもらえるでしょうか。主人公の姿に私は「エヴァンゲリオン」のシンジを思い起こしてしまいました。でもあっちが静の主人公を補うかのようにダイナミックな場面展開のつるべうち(エヴァ葉はこれがキモだと思う)なのに対して、こっちは展開が平板。動きにダイナミズムがなく、キャラクターがいきいきしていない。端的にいえばアニメとして魅力がないし、映画として面白くないのです。
 でも。この映画、最初から負け戦。いい作品が作れる可能性なんて限りなく少なかった。そこが一番納得がいかないのです。元凶は鈴木敏夫プロデューサー。プロデューサーとしては当たれば官軍でしょう。でも本当にこのままでいいのでしょうか。なぜ宮崎吾郎なのか、なぜ『ゲド戦記』なのか、本音で答えましょうよ。パンフレットの文章読んで笑いました。まあ百歩譲って宮崎吾郎に才能があったとしましょう。でもデビュー作が『ゲド戦記』なんて大間違い。もっとやりやすい題材はあったはずです。さらにいえばジブリってそんなに人材不足なんですか。いろいろと発掘してたんじゃないんですか。ジブリのスタッフの身の丈に合う世界がもっとあるはずです。もうやめましょうよ、『もののけ姫』以来、感動大作路線は。そのうち重量打線で失敗したジャイアンツみたいになりますって。あっ、蛇足ですがDLP上映はよかったです。画質が一段階レベルアップした感じでした。
 とりあえず宮崎駿の活劇がもう1度みたかったなあとぼやいておしまいにしましょう。
(109シネマズMM横浜9にて)

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