『SPL 狼よ静かに死ね』
☆☆1/2 サモハンすごすぎ。
昨年のフィルメックスでも話題になっていたアクション作品ですが、なるほどこれはなかなか見応えのあるアクションエンターテイメントになっていました。てっとりばやく言ってしまえば香港ノワールに、かつての香港映画の代名詞、カンフーアクションを織り交ぜたといったところでしょうか。この2つにはそれぞれ泣き所がありました。それは前者は展開が類型的になりがち(今の日本のVシネやくざ物みたいに)、後者はあまりにも物語が陳腐なものになったというところです。その両者のいいところを残しつつ補完し合おうとした作品だと言えます。
それぞれのパートはよくできていると思います。とくにドニー・イェンとウー・ジンの一騎打ちはすんごかったです。またサモ・ハンはすごいですね。本当にすごい、体はってます。しかしアクションとドラマの融合という点ではもう一息で、補完すべき穴は大きく残されています。私がジャッキー・チェンの『プロジェクトA』に感激したのは、香港映画に特に思い入れのなかった私が「おもしろかった」からですし、ジョン・ウーの『男たちの挽歌』が気に入ったのはそのドラマが「おもしろかった」からです。万人受けする必要はありませんが、思い入れのない人たちがみても「おもしろい」作品には、まだ距離があると思います。
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