« 『モンスター』 | トップページ | 『吸血鬼ゴケミドロ』 »

2006年7月16日 (日)

『ポロック 2人だけのアトリエ』

Polo☆☆☆ 小劇場での良質な芝居のような小品。
 抽象的な作風の画家として名を残したジャクソン・ポロックを描く俳優エド・ハリスの初監督作品。物語としては芸術家の栄光と挫折というパターンで目新しいところはありませんが、ポロックが何を求めて人生を歩んだかを丁寧に描いているところに、彼の真摯な姿勢が垣間見られる素敵な小品となっていました。
 エド・ハリスという俳優は『理由』『アビス』『ザ・ロック』のように激情型の役柄を熱演することが多いです。しかし憑依されたかのような役作りをしつつも、自分が場をさらってしまうようなやり方、つまり自分の演技だけが突出するようなを作品作りを好まないように私は思っていました。それは彼の作品の選び方をみてもわかりますし、この作品でもよくわかりました。ちょっとしたまなざしや仕草に役の人生を表し、きちんと1人の人間を演じることにやりがいを感じる。そういう意味でエド・ハリスという役者を存分に味わえる作品としても貴重だと言えます。マーシャ・ゲイ・ハーデンには初めて感心。これでオスカーは納得です。
 有名な人はたくさん出ていませんが、小劇場での良質な芝居を楽しむような趣のある志を持った小品です。

|

« 『モンスター』 | トップページ | 『吸血鬼ゴケミドロ』 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ポロック 2人だけのアトリエ』:

« 『モンスター』 | トップページ | 『吸血鬼ゴケミドロ』 »