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2006年7月26日 (水)

『エターナル・サンシャイン』

Tw7w8☆☆ 幼稚な恋愛劇。
 この作品は私の周囲で真っ二つに評価が分かれました。かえってそういう作品の方が気になりますね。というわけで鑑賞したのですが、私は「否」です。
 なるほどチャーリー・カウフマンの脚本は相変わらず個性的で、この話もつらい過去を消してしまうという過程はとても独創的です。しかしこの映画の魅力が決定的に欠けているのは、傷つく痛みが修羅場として描かれていないこと、そしてそれでも人を好きになることって素敵なことだという視点がないことです。きっとジム・キャリーとケイト・ウィンスレット演じるカップルには魔法のようなときめく時間があったはずなのです。それを幸せな思い出として描けていない。そして逆に胸を引き裂かれるような状況もない。ひとことで言えば幼稚な恋愛劇なのです。時間軸をいじりすぎた構成も作品の流れからいえば凶と出てしまったきらいがあり、そのあたりは『バタフライ・エフェクト』の方が手際がいいです。ジム・キャリーはなかなかだと思いましたが、ケイト・ウィンスレットとキルステン・ダンストはなんだかなーという感じで、ダメさ加減が足りません。エンディングのベックの曲はよかったです。
 結局描き手の未成熟な洞察力がオーソドックスなラブストーリーにもビザールなコメディにもならなかったという結果に導いています。

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