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2006年7月22日 (土)

ディズニー・アート展

 東京都現代美術館で開催されているディズニー・アート展に出かけてきました。昨年玉川高島屋で行われていた「オール・オブ・ミッキーマウス展」では、あの『ファンタジア』の原画が展示されていたことに大興奮し、同行した妻にも苦笑されたのですが、今回は比べ物にならないほどの大規模展示、とても楽しみにしていました。
 さてご存じない方のために背景を少し話しておくと、今回の展示のきっかけはとある大発見でした。というのも日本で1960年に行われたディズニー展のあと、東京国立近代美術館に寄贈された展示品が、千葉大学で約50年近く、ごくわずかの人間しか知らないまま眠っていたのです(その時の展示でメイン作品になったのが『眠れる森の美女』というのは何の因果でしょうか!)。そこでその修復をきっかけに、米ディズニー本社のアニメーションリサーチライブラリーの門外不出のコレクションと共に展示が企画されました。
 これがまあ映画ファンとうかディズニーファンにはため息ものの貴重な資料ばかりで、絶対見逃せない個人的おすすめベスト5は・・・
*『白雪姫
のセルセットアップ
*『蒸気船ウィリー』台本(複製)と原画
*『ファンタジア』のストーリースケッチ
ナイン・オールドメンが手がけた
原画
*『ピーターパン』のセルセットアップ
というわけで私としては大満足の展覧会でした。ただ展示物自体は子ども向けとはいえませんし、別にキャラクターがテーマパークのようにお迎えするわけではありませんが、最後にちょっとした体験コーナーがあり(私も工作しました)そこそこ子どもも楽しめるといったところでしょうか。なお図録は絶対買い!の一冊です。
 最後に。こういうものがちゃんとアートとして評価されている状況がうらやましく思い、反面なぜ日本のアニメーションがアートとしての評価と展示を行わないのかがすごく悲しくなります。数年前に行われた「アニメ黄金時代」のレポートにも書いているのだが、もはやセルアニメーションが過去の遺物になっている今、このような資料類は誰かが残そうという意志がない限り、ただ消えゆくのみなのである。ぜひ今回の展覧会が、日本のアニメーション文化に一石を投じて欲しいと願っている。

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