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2006年6月 6日 (火)

『ネバーランド』

☆☆ 現実を紡ぐことに想像力が働いていない。
 『ピーター・パン』の誕生秘話を描く実話を元にしたドラマ。主演はジョニー・デップだったし良質の大人のドラマを期待していたのですが、作品の出来映えは、ひどく表面的なそして未成熟なものになってしまいました。
 この作品の最大の強みは観客のほとんどが『ピーター・パン』という物語を知っていることです。つまりあの非日常がどのような日常から生まれたかに最大の興味があったわけです。さまざまな悲劇やうまくいかない現実の中で生まれたことが描かれているのですが、それが単なる現実逃避であるように感じられてしまったのは、ひとえに演出側の不手際。そして演じ手の空想力のなさです。現実を描くことのほうが実は想像力が必要であることがわかっていません。ジョニー・デップはときどきこういう勘違い(『ニック・オブ・タイム』『ブレイブ』)をしてしまいますね。今年の夏もやや心配です。

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