『蝋人形の館』
☆1/2 作り物をキャーキャーいえるファンハウスにならないもどかしさ。
予告編をみた段階では結構期待したんです。でもどうもホラーファンとしては食い足りない印象です。オリジナルの(というか厳密にはこれもリメイクだが)『肉の蝋人形』は3D映画としての見せ物趣味と、ヴィンセント・プライスの演技に象徴されるゴシックホラーテイストが味わえます。今回そういう意味ではやはり見せ物主義に徹してほしかった気がするのです。いや、表現としてはかなり健闘しているのはみとめます。残酷シーンのレベルはかなりハードです。指切られるのはみていて痛かったし、蝋人形になった仲間を助けようとすると、地肌ごとボロボロ落ちるのは「ウヒャー」って感じでした! でも『悪魔のいけにえ』的なアプローチは不要だし(なんで最近のホラーは家族のつながりにこだわるのだ?)、主人公たちのキャラクターの描きこみも不要だと思いました。スプラッタ的なアプローチが難しくなってくる以上仕方がないとはいえ、作り物をキャーキャーいえるファンハウスにならないもどかしさが、健闘しているだけに残念に思いました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント