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2006年5月 7日 (日)

『デビルズ・バックボーン』

☆☆1/2 強烈なイメージの向こうにすける戦争の影。
 スペイン内戦を背景にしたこのホラー映画は、やはり凡百の内容にはとどまらない意欲作でした。ワケありな大人と孤児たちが紡ぎ出す物語は、強烈なイメージとして出てくる水、不発弾、そしてラム酒漬けの胎児と共に、まるで悪夢のようなグロテスクさと、絵画のような奇妙な美しさが同居しています。中でも院長先生と義足の女性はインパクト大です。戦争という要素をはっきりと語らなかった巧さもポイントです。しかしそれが同時に弱点にもなっていて、スペイン内線の理解度が作品の受け止め方を大きく左右します(『蝶の舌』もそうだった)。さらにこの作品がリアルタイムで公開されなかったこと。どうしても今となっては既視感があるのです。2001年の段階でみていたら私の評価ももう少し変わったかもしれません。

 

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