訃報:田村高廣
俳優の田村高廣さんが亡くなったことが18日わかりました。77歳。京都市生まれ。父は時代劇映画の大スター、阪東妻三郎。4人兄弟の長男で、三男・正和さん、四男・亮さんも俳優。同志社大学卒業後、会社員となったが、53年に父が死去、近親者から強く勧められて松竹に入社し、父の後を継いで俳優の道を歩みました。
54年、木下恵介監督の『女の園』で映画デビュー。『二十四の瞳』『遠い雲』『野菊の如き君なりき』、野村芳太郎監督『張込み』などに出演した後、63年に松竹を退社、フリーとなった。65年、増村保造監督『兵隊やくざ』でインテリの上等兵を演じ、無頼の新兵役・勝新太郎さんと名コンビぶりを組んで、計9作のヒットシリーズとなりました。
その後も『愛の亡霊』『衝動殺人・息子よ』『天平の甍』『海と毒薬』『泥の河』などで人間味あふれる演技を見せ、確かな存在感を示しました。87年の『イタズ』(名作!)で芸術選奨文部大臣賞、91年に紫綬褒章、99年には勲四等旭日小綬章を受章しています。遺作は『プルコギ』。
私の中ではやはり『天平の甍』の鑑真和上。田村さんだからこそ、あの高僧を演じ得たのでしょう。ご冥福をお祈りします。
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