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2006年5月31日 (水)

訃報:今村昌平

 『楢山節考』と『うなぎ』でカンヌ国際映画祭パルムドールに2度輝き、世界的に知られる映画監督の今村昌平さんが30日午後3時49分、転移性肝腫瘍(しゅよう)のため東京都内の病院で死去しました。79歳でした。
 松竹大船撮影所に入社後、昭和29年、日活に移り川島雄三監督に師事、33年に『盗まれた欲情』で監督デビュー。同年の『果しなき欲望』でブルーリボン新人賞を受賞。『にあんちゃん』『豚と軍艦』『にっぽん昆虫記』『「エロ事師たち」より人類学入門』『人間蒸発』『神々の深き欲望』『復讐するは我にあり』など異色作を次々と発表します。58年には『楢山節考』で、平成9年に『うなぎ』でカンヌ国際映画祭パルムドールに輝きました。13年に『赤い橋の下のぬるい水』を撮影し、翌年には米中枢同時テロを題材としたオムニバス作品『セプテンバー11』に参加。これが遺作となりました。また昭和50年に横浜放送映画専門学院(現日本映画学校)を開校、若手の育成に努め、多くの人材を映画界に送り出しています。
 実は私、監督作品は『黒い雨』しかみていません。絶頂期の意欲作をこれからみていこうと思っています。ご冥福をお祈りします。

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2006年5月30日 (火)

カンヌ国際映画祭結果

 28日、カンヌ国際映画祭が最終日を迎え、各賞の受賞結果が発表されました。最高賞のパルム・ドールにケン・ローチ監督のアイルランド独立戦争を背景にした人間ドラマ"The Wind That Shakes the Barley"が選ばれた。日本の役所広司が出演していることで注目された「バベル」は監督賞に。受賞結果は以下の通り。

【パルム・ドール】 "The Wind That Shakes the Barley"(ケン・ローチ)
【審査員特別グランプリ】 "Flandres" (ブリュノ・デュモン)
【監督賞】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 「バベル」
【女優賞】ペネロペ・クルスら女優陣のアンサンブルに対して 「ボルベール」(ペドロ・アルモドバル)
【男優賞】ジャメル・ドゥブーズら男優陣のアンサンブルに対して "Indigenes"(ラシッド・ブシャール)
【脚本賞】ペドロ・アルモドバル 「ボルベール」

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2006年5月29日 (月)

『ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女』

Leg01aw☆☆ ジュブナイルと安っぽさは同義語ではない。
 すっかり重くて現実的な路線を目指しはじめたファンタジー映画の世界では、久しぶりに登場した夢物語系ですね。それ自体はちっとも悪くないのです。でもこの妙に消化不良な感覚は、どこかで・・・と思っていたら、そうそう思い出しましたよ。このみおわった後の感覚は『スター・ウォーズ エピソード1』に近いです。技術的にはよく頑張っている。話もメタメタなわけではない。でもあまりにも映像の作り方が軽すぎ。そしてひとつひとつのシークエンスが細切れで、全体の流れを生み出していないもどかしさ。そういう部分が『SWエピソード1』とそっくりなのです。また子どもが主人公ですが、彼らの描き方がとても雑なことも安っぽさにつながっています。軽くても重くてもドラマは重要なわけで、そこが薄くなってしまったことでワクワク感がなくなってしまいました。子どもたちが主人公の話が陥るところとして、
 続編の製作が決まっているようですが、柳の下にドジョウはそうそういません。『ロード・オブ・ザ・リング』のような成功が収められるか、この作品をみる限りは微妙だと思います。
(シネマイクスピアリ8にて)

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『プロデューサーズ』

20060530191949☆☆ 出来の悪い舞台中継のような醒めた感覚
 メル・ブルックスが自らの映画作品をミュージカル化して、ブロードウェイでも大ヒットしたステージの映画化です。とても評価が難しい作品となりました。率直な感想としては「ああ、きっと生のステージはさぞおもしろいのだろう」。つまり映画化としては落第だということです。
 オリジナルは知る人ぞ知るといった感じの作品で日本では劇場未公開、私も未見ですが、ショービジネスの内幕ネタとしてとても皮肉が効いていておもしろいです。ところが歌や踊りの部分はよくてもドラマの部分のみせ方の間が悪く話が弾まない。まるで出来の悪い舞台中継のような醒めた感覚しか伝わってこないのです。そのくせナンバー自体は抜群におもしろい。「キープ・イット・ゲイ」なんて大爆笑でした。
 ネイサン・レインとマシュー・ブロデリックの芸達者ぶりはさすが。とくにブロデリックはあまり映画俳優としては評価していなかったのですが、歌の巧さには感心。ニール・サイモンの秘蔵っ子と呼ばれていた存在ですから実力は折り紙付きな訳で、私がみている作品が悪いのか彼のフィルモグラフィーに問題があるのか(笑)。ウィル・フェレルとユマ・サーマンがいかしきれていないところに、この作品が映画としての力を持っていない証明なのかもしれません。この作品を本当に楽しみたい人は、すぐにブロードウェイへ!というのが結論です。
 最後にメル・ブルックスのこと。エンドクレジットの後に出てきましたねぇ。元気そうで何よりです。『サイレント・ムービー』とか私、好きなのですが、彼のネタはかなりベタなので周期的に旬になるタイプの笑いの人なのでしょう。再評価の機運はそれほど盛り上がっているとは思えないのですが、これからどうなるでしょうか。できればこの作品なんか彼の演出の方がおもしろかったかもしれません。 
 それにしてもぜひぜひステージみたいなあ。
(シネマイクスピアリ16にて)

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2006年5月28日 (日)

『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』

20060529231621☆☆ 三池崇史は狂っている。
 アメリカのホラー専門局が企画したアンソロジー13本のひとつがこれです。日本から参加した鬼才三池崇史は、別にホラー専門の監督ではないのですが、何せアメリカでは『オーディション』『殺し屋1』の人で通っているので選ばれたらしいのが笑えます。で、岩井志麻子原作を映像化した本作、アメリカでは放映中止、日本では映倫審査外。さすが三池、みて納得。怖くはない。しかし正視できない描写が連発します。
 江戸後期から明治初期にあったといわれる因習が背景に描かれている原作を読んでいる人によると、ほぼ忠実に映像化しているそう。すると三池監督は確信犯的にこれを選んだわけですが、映画作品を作る側の感覚としては狂っているとしか思えない素材です。意欲は充分、できれば和のゴシックホラーを、中川信夫テイストを期待していたのですが、醜悪の美とか、業の悲しみにまで結びつかないところは残念。最大のマイナスは主役2人。女性としての匂いが希薄な工藤夕貴、作品世界を理解しているとは思えないビリー・ドラゴ。この2人の演技で作品の質が安っぽくなったことは否めません。
 日本が誇る最狂の監督、三池崇史の動向は、今後も要注目です。しかしそこにはスカも少なからずあることを承知しなくてはいけないかもしれません。
(シアター・イメージフォーラムにて)

 最後にシアター・イメージフォーラム様へ。映倫審査外作品を上映する勇気には敬意を表しますが、ビデオ上映であるならば、きちんとそう伝えて欲しいものです。そうだとわかったら夏にリリース予定がある本作、劇場には足を運びませんでした。

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『ナイロビの蜂』

20060529231655☆☆☆1/2 質の高いサスペンス、かつ荘厳な悲恋のドラマ。
 ジョン・ルカレの小説を映画化した本作は、近年では珍しく大人が楽しめる良質のサスペンスドラマになっていました。もともとのプロットもしっかりとしていたのだと思います。
 成功のカギとなったのは2点。まずキャスティングが絶妙だったこと。特にレイフ・ファインズはお見事の一言。『ストレンジ・デイズ』のようなダメ男を抑制のある演技でみせてくれます。妻の死の謎を追っていく中、彼の穏やかな表情の中に苦悩が滲みはじめます。妻の死以前、病院帰りの親子を車で送ってほしいと懇願する妻に夫は「それはできない」ときわめて論理的な根拠で断ります。その夫が映画後半、国連支援活動をするパイロットに(たった)ひとりの少年をのせてほしいと頼み込む立場になる変化(同じように論理的な根拠でそれを拒否されてしまう絶望感も含めて)を巧みにみせています。ごひいきレイチェル・ワイズは、行動派で時には無鉄砲な女性活動家を魅力的に演じています。また脇を固める役者陣も物語をきちんと支えていました。
 もう1点は脚色が確かだったこと。ルカレの小説を映画化した場合、何かしら不可抗力な世情の中で人はどう生きるかみたいなところがキモになるところがあるのですが、この作品は、その不可抗力でどうにもならない部分の残酷さと怖さをきちんと映像でみせた。ゆえにあのラストが際だつのです。<以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>私は死を選択する終わり方には厳しい評価をしてしまうのですが、これには納得。彼は妻への愛を自分の行動で示した。そして妻の思いを受け止めるにはそれなりの覚悟が必要だった。だからあのトゥルカナ湖でのエンディングが荘厳で至上の愛の形として、私たちの心にずしんと残るものになりました。
 映画ならではの質の高いサスペンスを堪能でき、かつ荘厳な悲恋のドラマも味わうことのできる一級品の仕上がりです。
(渋谷シネパレス1にて)

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2006年5月27日 (土)

『ポセイドン』

20060530191946☆1/2 ただドカーン、ひたすらドカーン、作品もドカーン。
 このリメイク企画をきいた時にみんな「あーあ」と思いませんでしたか? でも監督が『Uボート』のペーターゼンと聞いて少し気になった人は? 予告をみて少し火がついた人は? 上映時間が98分ときいて目が点になった人は? そしてあなたは劇場に足を運ぶ決断をしましたか? そんなみなさんに。
 おやめなさい。この作品、ビデオスルーになっても不思議ではないお金をかけたバッタモン。あっという間にひっくり返って、なんか適当に脱出した感じ。まあ98分の時点で人間ドラマなんて捨てたことを予想していましたが、肝心の技術面もかなりお粗末(アイマックスDMRだったから余計に感じたかも)で、最近のILMのダメダメぶりがよくわかるデジタルエフェクツ。ドラマとエフェクツが責任をなすりあっている感じです。
 めぼしい企画がない状況はまあわかるとして、何かかえって地雷を自ら踏んでいるんじゃない?と突っ込みたくなる。そんな出来映えの作品です。
(メルシャン品川アイマックスシアターにて)

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『嫌われ松子の一生』

20060529231651☆☆☆1/2 チャーミングでパワフルで愛おしい。
 号泣しました。正直『下妻物語』はフロックだと思いました。技としては反則に近かったですしね。泣ける映画がいいえ映画ではないけれど、しかしこの作品は中島哲也というクリエイターの手腕をあらためて証明する力作でした。
 何よりも悲劇を喜劇としてとらえるセンスが素晴らしいのです。世界としては『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン(月に顔が出てくるなんてモロですな)に近い部分があります。キャラクターを際だたせること、映像テクニックを駆使すること、そして編集の緩急をつけることでで、何層も重ねられた物語の向こう側に観客の想像をゆだねるゆとりがあるのです。『親切なクムジャさん』は実はこういう作品であるべきだったし、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は主人公の悲劇をミュージカルでこう取り扱うべきだったのです。悲劇を喜劇としてとらえたことで、より悲しみが痛切になるのです。また見事なプロダクションデザインの数々で生み出された空間は、なかなか邦画では感じることのできない画の豊かさを感じさせてくれます。『下妻物語』との違いは主演女優の格。あっちが人形劇的な面白さであったのに対して、中谷美紀の女優としての凄味が映画全体に大きな柱を作り出しています。他の役者陣も新しい可能性をひろげた人は少ないものの適材適所です。
 チャーミングでパワフルで愛おしい。本当に素晴らしい出来映えです。ゆえに心配なことがひとつ。果たして彼は次に何を作るのでしょうか。かのバズ・ラーマンも新作の話が出てこない今、彼が順調にフィルモグラフィを積み重ねてくれるのかどうか。そんな老婆心がおきるほど、中島哲也監督に期待は高まるばかりです。
(TOHOシネマズ川崎6にて)

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2006年5月26日 (金)

DVD『狼たちの午後』S.E.

20060606_222443460_1シドニー・ルメット監督の傑作実録犯罪ドラマ。特典ディスクがついた2枚組で再リリース。画質音質共に大幅に向上しており、特に画質は発色が抜群によくなった印象。音声もモノラルだが、モノラルならではの生々しい音像できかせてくれる。特筆すべきは特典で、「メイキング・ムービー」という著作もあるルメット監督らしく、オーディオコメンタリー、メイキングは最近にない面白さだった。この映画が好きな人は絶対に買いの一品。
B-AVG.-6.18MB/sec.

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2006年5月25日 (木)

DVD『大統領の陰謀』S.E.

20060608_224429562ウォーターゲート事件を題材にしたアラン・J・パクラ監督の傑作。何度みてもぐいぐいと引き込まれていく魅力があって我が家ではBGVがわりになったこともある。2枚組で再リリースされたのだが画質音質ともに感嘆するほどのブラッシュアップぶりで、特に画質はゴードン・ウィリスの映像設計をさらに際だたせている。また日本語吹替が収録されたのも喜ばしい限りで、この手の情報量満載映画では画面に集中できる。映像特典も充実していて、中でもディープスロートの招待があきらかになった今だからこそ新しい視点で楽しめた。ただしレッドフォードのコメンタリーはなんだかなあな感じ。
B-AVG.-6.51MB/sec.

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2006年5月18日 (木)

訃報:田村高廣

 俳優の田村高廣さんが亡くなったことが18日わかりました。77歳。京都市生まれ。父は時代劇映画の大スター、阪東妻三郎。4人兄弟の長男で、三男・正和さん、四男・亮さんも俳優。同志社大学卒業後、会社員となったが、53年に父が死去、近親者から強く勧められて松竹に入社し、父の後を継いで俳優の道を歩みました。
54年、木下恵介監督の『女の園』で映画デビュー。『二十四の瞳』『遠い雲』『野菊の如き君なりき』、野村芳太郎監督『張込み』などに出演した後、63年に松竹を退社、フリーとなった。65年、増村保造監督『兵隊やくざ』でインテリの上等兵を演じ、無頼の新兵役・勝新太郎さんと名コンビぶりを組んで、計9作のヒットシリーズとなりました。
 その後も『愛の亡霊』『衝動殺人・息子よ』『天平の甍』『海と毒薬』『泥の河』などで人間味あふれる演技を見せ、確かな存在感を示しました。87年の『イタズ』(名作!)で芸術選奨文部大臣賞、91年に紫綬褒章、99年には勲四等旭日小綬章を受章しています。遺作は『プルコギ』。
 私の中ではやはり『天平の甍』の鑑真和上。田村さんだからこそ、あの高僧を演じ得たのでしょう。ご冥福をお祈りします。

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2006年5月17日 (水)

DVD『柳家小さん古典落語選集 第三巻』

20060608_231837198私が敬愛する落語家の1人、小さん師匠のDVD。何と言っても先代小さんからの十八番、「長屋の花見」が入っている。生ではじめて体験した時は腹の皮がよじれるかと思うぐらい笑い転げた。で、その落語なんだが、収録時期からすると私がどっぷりと落語に興味をもっていた時期なので、芸風自体は同じはずなのに精彩を欠いている。なんと撮影所にセットを組んで収録をやっているのだ。落語は客席と作る世界なのにである。もうだめだめだーめ。落語なのにお話にならないソフトである。おあとがよろしいようで(汗)。
B-AVG.-9.20MB/sec.

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2006年5月16日 (火)

『ジャグラー ニューヨーク25時』

☆☆ 体を張っても話はだらだら。
 『フレンチ・コネクション』『ブリット』などの70年代アクションの匂いがプンプンする珍品中の珍品。実は我が家がCSデジタルが受信できるということがわかり、GW明けにスカパー110の無料体験をしたのですが(でも加入はしてません。だってCATVの方がお得なんですもん)、こんな作品にお目にかかれるとはちょっと嬉しかったです。その昔、高島忠夫が解説をつとめていたことろのゴールデン洋画劇場などで、よくラインアップされていました。閑話休題。
 最近ではすっかりおなじみのサイコな妄想犯があやまったターゲットを誘拐するところから話が始まりますが、派手なBGMで展開をあおることもなく、体を張った追跡劇がおもしろいのですが、いかんせん話にメリハリがないので、だらだらとした印象が残ります。当時のこわーいニューヨークの雰囲気がよくわかります。そういえばタイムズスクエアのあたりにも風俗店がたくさんあったんですよね。でもこういうのもたまにはいいです。とにかくBGMではなく画で盛り上がる作品がみたいなあ。

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2006年5月15日 (月)

『ラストシーン』

B00008ojp05_1☆☆1/2 ノスタルジーという型にはまっている。
 『リング』で知られる中田秀夫がこの素材を映画にした時、私は唐突な印象を受けました。なぜ今なのだろうか。彼が撮影所あがりのスタッフとしては最後発にあたる彼は、この作品の前にも『サディスティック&マゾヒスティック』で、師である小沼勝にオマージュを捧げていましたが、今売り出し中の中田監督にとって、それがなぜ今なのかがわからなかったのです。
 映画人が映画にオマージュを捧げることは珍しいことではありません。この作品は少なくとも『ニュー・シネマ・パラダイス』よりあざとくないし、『キネマの天地』よりずっとうそ臭くない。でも未来への希望がないという意味で、ノスタルジーという型にはまっている点に違いはありません。ひとつひとつのエピソードの古くささ、西島秀俊の重みのなさ、麻生久美子演じるスタッフの類型的な描写など、ステレオタイプ以外何物でもありません。さすがなのはジョニー吉長だけ。ミュージシャンは演技させると本当にうまいですね。もうオーラが違います。
 意図が真面目であるだけに、この程度の完成度で終わってしまうことが残念でなりません。

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2006年5月14日 (日)

HDMIケーブルが短いよー

シアターをインストールする時に面倒くさいもののひとつとしてケーブルまわりがあります。ケーブルは結構画質音質を左右するので、お金に余裕がある限りはいいものを初期投資して、あまり頻繁には変えたくないと思っています。で、去年迷ったのがHDMIケーブルをどうするか。なにしろ規格もイマイチ流動的だったし、そもそも我が家のアンプにはHDMI端子がない。しかしいずれ導入する方向なのであれば、ケーブルだけ配線してしまおうかと思っていたのです。が、ここでもうひとつ難題が。売っているケーブルが短すぎ。というか本当に皆さんどうしているのでしょう? 最近はようやく長いものも販売されているようですが、いかんせん価格がもう一声こなれてもらわないとといった印象です。みなさんはどうされていますか?

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2006年5月13日 (土)

館名に誇りはないのかい

 新宿の東急レク3館が6月1日から名称変更するらしい。新宿ミラノ座は、新宿ミラノ1。新宿東急を新宿ミラノ2。シネマミラノを新宿ミラノ3に変更。館名の変更に伴い新宿東急の改装工事が、5月20日から行われ、座席数も763席から588席に減るとのこと。
 でもなんで名前を変える必要があるのよ。
ミラノ座は仮にもパンテオンなきあと、規模としては東急レクのフラッグシアターじゃないんですか? 長い伝統のある名前ではないんですか? たった一文字だけれどミラノ座はミラノ座でしょ。新宿東急はミラノ座じゃないんですよ。日劇PLEXといい、みゆき座や有楽座の使いまわしといい、もう少し自分たちが運営してきた映画館の名前に誇りを持ちましょうよ。

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2006年5月12日 (金)

『予言』

20060530_211732151☆☆ 死への恐怖感が希薄。
 なんかみてしまいました。これって実は「恐怖新聞」の映画化なんですね。案の定というか、はまるべきところにはまってしった悪手の見本のような作品。
 まず怖くない。死への恐怖感が『リング』(こっちの方が原作から影響を受けているはずですが)とは桁違いに希薄。その分、家族愛にポイントが置かれていますが、恐怖が薄れたらそっちの要素=切なさも薄まってしまうことになぜ気がつかないのでしょうか。『エクソシスト』の作品のダミアン神父の罪の意識は、実は実母を介護できずにいるところから出発しています。恐怖の描写が徹底しているからこそ、その罪の意識は観客の胸に迫るのです。
 結果的にジャパニーズホラーは袋小路にはまっています。それは怖がらせるという根本を忘れ始めているからのように感じてなりません。

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2006年5月10日 (水)

シアターぷち改装?:ハードウェア編

 昨年シアタールームを構築してから6月で早くも1年がたとうとしています。しかし時間の関係でなかなか画と音を追い込むというところまではできません。せいぜい「ぷち改装?」といったところですが、ちりも積もれば何とやら、年明けからこのGWあたりまでにやったことを少しまとめておきたいと思います。で、今日はハードウェア編。

 年明け早々にハイビジョンレコーダーを購入したのですが、実は我が家にはハイビジョンを録画できる機器としてIOデータのRec-Potがありました。
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 しかし160GBの容量では鑑賞ペースが追いつかずにすぐいっぱいになってしまうので、すぐに2台目を購入。しかしそれでもダメ。でシャープを購入しましたが、それでもやはりダメ! でやっぱり買っちゃいました、3台目のRec-Pot。
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 以前の2台はHVR-HD160Mでしたが、今回は一世代新しいHVR-250F。これで我が家はハイビジョンソースだけで820GB録画できることに。うーん、でもすぐ一杯になっちゃうんだろうな!(涙)

 それと昨年あまりにセンターSPとフロントSPのつながりが悪いのに耐えかねてセンターSPだけ買い換えました。フロントがオンキョーなので同社製品でいこうと思ったのですが、ここはエントリーモデルとハイエンドモデルの中間がない。そこで思案してアバック横浜店で相談したところ、クリプシュのRC-35を紹介されました。

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クリプシュはAMCイクスピアリでも採用されていたSPなので音の傾向は何となくわかっていました。試聴では好印象だったので購入決定。とりあえずセンターの表現力がフロントに負けることはなくなりました。JBLほどモニターっぽい印象ではありませんし、デノンのアンプでも余裕で駆動できるところがいいです。

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2006年5月 9日 (火)

『ニュー・ワールド』

20060529231624☆☆☆ 力が入っても作品の力に昇華しないもどかしさ。
 待ちに待ったテレンス・マリックの新作は、評価が難しいものになっていました。ボイスオーバーと映像美で綴るマリック節は健在。駄作というには美しすぎるし、傑作とするには空回りしすぎている。かといって佳作なんて無難な表現はとてもにつかわしくない作風であることも間違いないです。
 最大のミステイクはボイスオーバーが出てくる登場人物を無用に増やしたこと。主人公を完全にポカホンタスにするべきだった。そして彼女の物語にすべきだった。そして彼女の『ニュー・ワールド』をめぐる物語で充分成立したはずでした。ところがそうしなかったために、物語が駆け足で過ぎてしまう。叙事詩になるところがなれなかった。最後のスミスとの再会も妙にどっちらけに感じられてしまいます。後半がまるで『ピアノ・レッスン』のようで、逆にかの作のスゴサがわかります。
 撮影監督が変わったのもマイナスだったかも。何せネストール・アルメンドロス、ジョン・トールといった当代きっての名手の後ですから、エマニュエル・ルベツキでは荷が重かったのかな。撮影は美しいのですが、質のよい観光写真のようで、画が物語を伝えていないと思いました。コリン・ファレルは無難ですがロマンチシズムに欠けています。クオリアンカ・キルヒャーは見事な存在感でした(ほかの役をこなせるかは何ともいえないところ)。くりすちゃんチョイ役で多数出演もまたいろいろ。ベン・チャップリン、ジョン・サベージの『シン・レッド・ライン』組だけでなく、ジョナサン・プライス、ノア・テイラーまで登場。クリスチャン・ベールは彼でなくてもいい役でした。(そうそう、プログラムのウェス・ステューディは写真が間違ってます)
 ネイティブアメリカンの描き方、徹底した歴史考証、もちろんわざわざ65ミリフィルムを使った映像へのこだわりと力が入っているのはわかります。しかしそれが昇華されないもどかしさも、また感じずに入られないのです。

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2006年5月 8日 (月)

ついに登場『スター・ウォーズ』オリジナルバージョン!

ついに、ですね。
『スター・ウォーズ』の劇場オリジナル版が期間限定でDVDリリースされることが決まりました。とりあえず特別編を改善ではなく改悪(私もep5は問題なし。ep1はデススター攻撃はマル、それ以外はバツ。ep3は改悪、そう思っている人)だと思っている人は、本当に喜ばしい限りです。

が。
このニュースに気になる部分もチラホラと。
まずこれ、FOX得意のアルティメット版のような発想らしく、メインは特別編を2枚組での再リリース。その時に映像特典として収録するのが劇場公開版ということらしいです。つまり劇場公開版のみでの発売ではないということ。そうなってくると価格が廉価であることは考えにくい状況です。ということは特別編をまた買わなきゃいけないということ? 次世代DVDの話が現実になっているというのに? 完全にルーカス&フォックスの商魂に踊らされていますね、私たち(前からか?)。絶対劇場公開版は欲しいのですが、なんかはーい!ととびつくのはちょっと悔しい感じです。

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2006年5月 7日 (日)

『ビヨンド the シー』

20060508213046☆☆ ファンを心理を押しつけられても。
 名優として知られるケビン・スペイシーが初メガフォンをとった作品。なるほど、確かにケビン・スペイシーの芸達者ぶりには感心しました。歌もうまい、ダンスもなかなか。でもどうも素直に受け取れない。それはケビン・スペイシーがこの映画を語るにあたって、あまりにも題材に過剰な愛をあふらせてしまったからでしょう。
 ここしばらくミュージシャンの伝記が数多く映画化されています。『Ray』『ウォーク・ザ・ライン』などは、自分にとってファンだったり比較的よく知っていたりする素材だったので興味が持てました。しかし私がボビー・ダーリンという人物について知っていることと言ったら、題にもなった『ビヨンド・ザ・シー』という歌ぐらい。そこを差し引いてもこの映画はどうも居心地が悪く感じられました。素材との距離のとり方は伝記に限らず、非常に難しい問題です。その点をこの映画は失敗しています。劇中劇のようなオープニングの効果もあるとはいえませんし、子ども時代の自分をああいう形で出したのもしっくりきません。何より語り手がボビーかスペイシーかが混乱してわからない。その上でボビーのエンターテイナーとしての素晴らしさを押しつけられているように感じる構成と演出。ちょっと困ってしまいました。
 駄作ではありませんが、観客を選ぶ作品です。ボビー・ダーリンのファンクラブの人は大喜びでしょうが、そうでない人は彼を好きになる前に、彼を好きなケビン・スペイシーを嫌いになるかもしれません。

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『デビルズ・バックボーン』

☆☆1/2 強烈なイメージの向こうにすける戦争の影。
 スペイン内戦を背景にしたこのホラー映画は、やはり凡百の内容にはとどまらない意欲作でした。ワケありな大人と孤児たちが紡ぎ出す物語は、強烈なイメージとして出てくる水、不発弾、そしてラム酒漬けの胎児と共に、まるで悪夢のようなグロテスクさと、絵画のような奇妙な美しさが同居しています。中でも院長先生と義足の女性はインパクト大です。戦争という要素をはっきりと語らなかった巧さもポイントです。しかしそれが同時に弱点にもなっていて、スペイン内線の理解度が作品の受け止め方を大きく左右します(『蝶の舌』もそうだった)。さらにこの作品がリアルタイムで公開されなかったこと。どうしても今となっては既視感があるのです。2001年の段階でみていたら私の評価ももう少し変わったかもしれません。

 

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2006年5月 6日 (土)

『エネミー・オブ・アメリカ』

☆☆☆ 勝因は「節度」。
 ブラッカイマーにトニー・スコットなんてくると、たかが知れてると思っていましたが、意外に楽しむことができました。最大の勝因は「節度」でしょうか。『スパイ・ゲーム』のあたりになるとあまりのテクニック過剰な映像に辟易してきますが、ここでは何が起きているかをスピーディかる過不足なく的確に伝えています。またウィル・スミスもこのぐらいのノリでおさえてくれるといいです。すっかり最近じゃ強さ無限大ヒーローですからね。他のキャスティングもすごくいい。最近では怪優という表現がふさわしいジョン・ボイトに、『カンバセーション盗聴』の役柄を想起させずにはいられないジーン・ハックマン、他にも追跡側にローレン・ディーン、ジャック・ブラック、ジェイク・ビジー、そしてバリー・ペッパー。
 ラストのメタメタな展開はややぶち壊し気味ですが、それでも見応えのあるプログラムピクチャーとしておすすめできます。

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『ヴェロニカ・ゲリン』

☆☆☆ ああ、ケイト・ブランシェットに感謝しましょう!
 実在したアイルランドのジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンを描いたドラマですが、これまたブラッカイマープロデュース作品とは思えない、渋い味わいのある作品でした。ジョエル・シューマッカーはときどきこれがあるから、ついつい触手を伸ばしてしまうのです。たとえば『フォーリング・ダウン』の異様なハイテンション、『タイガーランド』のドライな視点。この作品もシューマッカーのフィルモグラフィの中では合格点の作品です。まあ正直つっこみどころはあるし、描き方としてはかなりステレオタイプです。でもこの作品は魅力的なのです。それは彼女がいたから。
 ああ、ケイト・ブランシェットに感謝しましょう! あなたの輝きは私たち映画ファンにとって素晴らしい時間をもたらしてくれます。どんな作品でもあなたの演技だけは豊かな気持ちを観客に与えてくれます。この作品でもブランシェットの人物造形の確かさと、そのカリスマティックな存在感は見事としかいいようがありません。そして私たち映画ファンは彼女が次に何を演じてくれるかが楽しみでたまらないのです。

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2006年5月 5日 (金)

『ガール・ネクスト・ドア』

B00079☆☆1/2 21世紀版『卒業白書』。まだまだだけどね。
 残念ながら日本ではビデオスルーとなったエミール・ハーシュ主演の青春コメディ。肩の力を抜いて楽しめた作品です。さまざまなところで書かれていたのですが、なるほど、トム・クルーズ主演『卒業白書』の21世紀版とはよくいったもので、物語の構成やシチュエーション、舞台設定がすごく似ています。でも。作品の完成度、魅力、共にあちらの方が断然上です。比較してみると、この作品に足りない部分がみえてきます。コメディセンスの資質の違い(ハメの外し方の変化をみるだけでも違いますね。こっちは強制でブリーフ一丁、向こうは自分でブリーフ一丁&歌いまくりですもん)。音楽の使い方(年代がバラバラなのがまずダメ。タンジェリン・ドリームもよかったし)。そして最大の問題はそれぞれのキャラにもう一歩の魅力がないこと。いや、こっちもみんな好演していると思います。しかしレベッカ・デモーネイとエリシャ・カスバートを比較するとわかると思うのですが、あちらがいかにも修羅場をくぐり抜けた大胆さとミステリアスさを持っていながら、どこかにピュアな部分を感じさせたのに対して、後者はどうも単純すぎます(合格点は充分あげられると思いますが)。及第点はあげられるけれどねぇ…といったところでしょうか。
 お色気シーンを期待すると肩すかしですが、軽いノリの青春コメディとしてはキュートでくすっとできます。でも後に残るのはエリシャ・カスバートの微笑みだけなのかもしれません。

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『アリーテ姫』

B0005☆☆1/2 物語の出発点と着地点が違う。
 最近の日本製アニメには珍しい素材と世界観をもつ作品です。私自身原作は読んでいませんが、そんな私ですら原作が持っている世界と、スタッフが持っている世界とに、微妙なズレがあるのではと推察しました。なぜそう感じたかといえば、物語の出発点と着地点が違うからです。アリーテ姫の、何が彼女を変えることになったのか。彼女が自分の足で歩き始めたことが素晴らしいのか。それとも彼女が実際に人とのふれあったことが素晴らしいのか。そしてそれを女性で行ったことが素晴らしいのか。アリーテ姫の人物像はともかく、映画の展開はまるで宮崎駿的で(事実、監督は宮崎映画のスタッフ出身)原作はまったく違うのではないでしょうか。この点は賛否両論にわかれると思います。
 千住明の音楽は素晴らしく、美術のクオリティも見事。デジタル製のアニメとしては画があたたかく感じられ、抜群の出来映えといえるでしょう。しかし声優陣はもう一踏ん張りして欲しかった。モノローグとダイアローグを同じ芝居でしか演じられない人が、なぜこんなに増えたのでしょうね。
 意欲作ではありますがオリジナリティが希薄であり、作品構築も紋切り型です。そういう部分がどうも消化不良の感をぬぐえません。

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2006年5月 4日 (木)

『イヴの総て』

B0006tp☆☆☆ 題材はもはやスタンダード。しかし下世話にせぬ監督の語り口。
 バックステージものの最高峰として評価されているジョセフ・L・マンキーウィッツ監督作品。この手のクラシック作品の鑑賞において評価が難しいのは、どの作品もかなりの可能性でひとつのスタンダードとなってしまい、後年似た作品が多数できること。そしてそっちを先にみていることが多く新鮮味を感じられないことがあります。そういう意味でこの作品が目新しさこそ感じないものの、それでも充分面白いのはさすがだと言えます。アン・バクスター演じるイヴがどこかしら鼻持ちならぬ女であることを感じさせつつも、下世話な話にしなかったのは監督の語り口の巧さです。
 ただ。この作品を語る上で避けられない作品があります。それはビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』。あちらはハリウッド内幕話、こちらはブロードウェイと、話のモチーフが似ているだけでなく、実は製作年度も同じでというこの2本は結果的にオスカーをも争うことになります(結果は『イヴの総て』が14部門ノミネートで作品賞ほか6部門受賞。『サンセット大通り』が11部門ノミネートで3部門受賞)。私は『サンセット大通り』を評価したい。『イヴの総て』がイヴという人物を中心にショービズ世界の恐ろしさを描いたのに対し、『サンセット大通り』は人間そのものの恐ろしさを描いているからです。これは前者がベティ・デイビス演じる大女優に対してイヴとの対比からやや同情の余地のある人物に描いているのに対し、後者がグロリア・スワンソンを恐ろしさと哀れさを併せ持つ複雑な人物であり、ナンシー・オルソン以外、何かしら深い闇を抱えた人物として造形している点からもわかります。
 しかしクラシックとよぶにふさわしい秀作であることには間違いなく、今後もひとつのスタンダードとして語られることでしょう。

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2006年5月 3日 (水)

HV『タイタニック』

我 が家にハイビジョンが登場してからまもなく1年。家で鑑賞する時はハイビジョンソースでということが圧倒的に増えました。確かにDVDリリースよりもさらに半年、公開後1年近く待つことにはなりますが、待ちきれない時はDVDにすればいいだけ。あまり気になりません。やはりあの画をみてしまうとおいそれとは戻れないのが正直なところです。
 で、すでにみてしまった作品の中でも、画や音のクオリティが気になるものはちょっとみてみようかと思うのですが、今回はあの大ヒット作。ようやく先日リリースされたDVDの仕様が微妙にへっぽこだったので(頼むから本編を分割してわけるなよー)、期待していたのですが、「いやー、やはりハイビジョンはいい!」 そう思わせる画でした。でも「よし、ちょっと保存版に」と思っていたら、Rec-Potへのムーブに失敗した…(涙)。どうもIEEE1394を複数機器で接続すると61分後に止まってしまうようです(これで我が家は数回失敗している)。相性問題が原因でしょうか? さてさて。しかしながらハイビジョンも万々歳!だけではいかない部分もあります。その点についてはまた後日に…ということで。

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2006年5月 2日 (火)

WGA選出、史上最高の映画脚本101本

少し前の話ですが、アメリカ脚本家協会(WGA)に所属する脚本家たちが選ぶ、「史上最高の映画脚本101本」が発表されました。1位に選ばれたのは『カサブランカ』。まあ、名台詞の応酬ですからね。で、自分でリストを邦題付きで作っておきました。でも脚本がよいというのは作品に直結することが多いわけですから、どれをごらんになっているかチェックされてみてはいかがですか? ちなみに私は66本でした。
WGA選出史上最高の映画脚本101本全リスト

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2006年5月 1日 (月)

『蝋人形の館』

20060430130159☆1/2 作り物をキャーキャーいえるファンハウスにならないもどかしさ。
 予告編をみた段階では結構期待したんです。でもどうもホラーファンとしては食い足りない印象です。オリジナルの(というか厳密にはこれもリメイクだが)『肉の蝋人形』は3D映画としての見せ物趣味と、ヴィンセント・プライスの演技に象徴されるゴシックホラーテイストが味わえます。今回そういう意味ではやはり見せ物主義に徹してほしかった気がするのです。いや、表現としてはかなり健闘しているのはみとめます。残酷シーンのレベルはかなりハードです。指切られるのはみていて痛かったし、蝋人形になった仲間を助けようとすると、地肌ごとボロボロ落ちるのは「ウヒャー」って感じでした! でも『悪魔のいけにえ』的なアプローチは不要だし(なんで最近のホラーは家族のつながりにこだわるのだ?)、主人公たちのキャラクターの描きこみも不要だと思いました。スプラッタ的なアプローチが難しくなってくる以上仕方がないとはいえ、作り物をキャーキャーいえるファンハウスにならないもどかしさが、健闘しているだけに残念に思いました。

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