「時代劇ここにあり」
川本三郎氏が「ビッグコミックオリジナル」などに連載していたものをまとめた時代劇映画のガイドブック。日本映画史における一般的な評価と照らし合わせながら押さえるべき作品、スポットあてたい埋もれた作品をバランスよく配置している。よくいえば平易、悪くいえば掘り下げ不足なところがあり、時代劇初心者を対象としたものであるが、そのあたりを批判するのは野暮というもの。そもそも批評的な狙いはないし、時代劇のおもしろさをなんとか伝えようとしている意味ではまっとうで、ガイドブックとしてのバランスは初心者よりとはいえ、なかなかのものだと思う。ただあまりにもまっとうすぎて、映画ファン以外への敷居は低いとはいえない。そこだけ残念だと言える。
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