「映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで」
映画秘宝を創刊したメンバーの1人、町山智浩氏は、今もっとも個性的でまっとうな映画評論を書くジャーナリストの1人です。映画秘宝に寄稿されている文章を読んでいるだけで、それを実感できます。その町山さんの映画秘宝に掲載された原稿をまとめたものの第2弾が先日出版されましたが、これはその第1弾。
知識としては一般的に知られているレベルのものから、かなり専門的なものまで、上手に整理されていて興味深く読むことができました。ただこの本の題名は間違っていると思います。制作者の意図を知ることは大切ではあるし、重要ではあると思いますが、必須条件ではないのではないでしょうか。しかも町山さんはあくまでも他の人のテキストを拾っているわけで。そこには当然取材者の意図もあり…、難しい問題ですが。「映画の背景がわかる本」という題名の方がしっくり来ます。でもこういう作業を評論家がしないという苦言には賛成。こういう本が映画を豊かにみる眼を養ってくれるはずです。
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