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2006年1月 6日 (金)

『キング・コング』

20060108154209☆☆☆1/2 これぞ活劇。まさにスペクタクル。
 正直期待と不安が入り交じっていました。だって名作のリメイク、本編3時間以上、予算超過。でもさすがの人はさすがでした。期待以上のすばらしいできばえ。
 とにかく語り口が緩急自在。話が一本調子にならずにまったく飽きません。この点は『ロード・オブザ・リング』よりも洗練されているかもしれません。スカルアイランドまで、そしてスカルアイランド、最後のニューヨークと、オリジナルを尊重しつつも、それぞれの物語を巧みにふくらませてます。かといって変にドラマ偏重にならずに、きちんと怪獣映画の見せ場も押さえているところもすばらしい! あの恐竜との死闘は映画史に残ることでしょう。さらに視覚効果に関しては文句なし。いよいよここまできたかという感じです。もはやプラクティカルとデジタルの違いなんて次元ではありません。特にニューヨークの場面にはびっくり。『ロード・オブ・ザ・リング』と違って、それなりにリアリティが必要なところですから、自由自在のカメラアングルといい、見事としかいいようがありません。こういう衝撃は実は完全なバーチャル環境だった『ミッション:インポッシブル』のクライマックス、TGVもどきでのアクションシークエンス以来です。コングの見事さはアンディ・サーキスのパフォーマンスも大きいと思いますが、しかし何より彼のパフォーマンスをバーチャルに置き換えた環境を作ったスタッフの力が大きいのです。 役者陣はみな手堅いですが、でもジャック・ブラックの存在感は特筆すべきです。驚きました。彼を完全に過小評価していました。彼があの映画作家役を演じたことで、この映画に深いドラマをもたらしました。
 これぞ活劇。まさにスペクタクル。何が大事かをきちんとわかっているスタッフで作られた一大巨編は、たとえオスカーを独り占めにしなくても、その見事なできばえは疑いようもありません。
(ユナイテッドシネマとしまえん8にて)

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「キング・コング」KING KONG / 製作:2005年、アメリカ 2005. [続きを読む]

受信: 2006年1月 9日 (月) 17:24

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