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2006年1月 4日 (水)

『Mr.&Mrs.スミス』

20060105002537☆☆ スターのオーラにおんぶにだっこ。
 ブラピとアンジー。はい、映画が好きな人は映画館に行きましょう! で、かっと楽しんで、その後は食事なり、デートなり楽しい時間を過ごしてくださいね。この2人がお目当ての人は楽しいはずです。まあ、そんな映画です(笑)。でも問題なのはプログラムピクチャーとしての完成度。
 前半は割と楽しめました。一昔前のスパイもののようなバカっぽさはハナマル。オーブンレンジが武器の格納場所とか、二人の仕事が同時進行で進んでパーティに間に合うかなんて、おかしいったらありません。ところが微妙にツボがずれてきます。たとえばそのパーティで二人がちっとも楽しめず浮きまくっている様子。赤ちゃんを抱えているアンジーの描写が中途半端だったり。はたまたお互いの正体に疑問を感じながらの夕食。あそこはお互いが「冷静に考えてみれば…」というところで、いろいろハラハラがあってもよかったところです。で、家で派手にやり合うところあたりから急に展開が失速気味。その後は好きにしてって感じでした。おそらく追っ手側にはっきりとした悪役がいなかったことと、2人が逃げる先にある「ゴール」がみえなかったことが失速の理由でしょう。
 この作品、ブラックコメディなのか、サタイアなのか、アクションコメディなのか。作り手も決めかねている様子が感じられます。そりゃそうですね。天下のブラピとアンジーですもん。でもブラピとアンジーという作品ジャンルはありません。やはりアクションコメディである以上、きちっとストーリーを作ってほしかった。そしてちょっとした可愛らしさがほしかった。同じような物語の『女と男の名誉』がおもしろくて、同じく壮絶な夫婦ゲンカである『ローズ家の戦争』がつまらなかったのは、ブラックな内容をスマートな笑いで描けたかどうかだったと思います。2人は魅力的ですが、それだけ。この映画はスターの存在におんぶにだっこになり、それにスターが最後まで耐えきれず、結果、作品と共倒れになってしまいました。
(109シネマズMM横浜9にて)

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受信: 2006年1月 9日 (月) 17:26

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