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2006年1月21日 (土)

『エルフ』

B000☆☆1/2 ウィル・フェレルがはまり役!
 たとえば大人から真面目にしたり顔で「サンタはいる」と言われると嫌みになりかねません。まあ、ロバート・ゼメキスの『ポーラー・エクスプレス』がそんな作品(笑)。しかしこの作品は「サンタはいた方がすてきでしょ」とウィンクされたような作品。向こうではすっかり人気スターになったウィル・フェレル主演の出世作は、実にあたたかな気持ちにさせてくれるクリスマスムービーとなっていました。
 前半は快調。エルフゆえに引き起こされるトラブルの数々はウィル・フェレルの快演もあって存分に楽しめます。エルフの世界も奇妙で可愛らしく微笑ましいのです。途中の親子の絆作りは強引な展開で説得力に欠けましたが、後半のセントラルパークに不時着したサンタをめぐる話からは、わくわくさせられました。あのサンタのそりがとびあがるシーンは不覚にも涙目になってしまいました。そう、こんな場面を、かつて子どもの頃に夢見ていたなあという想いでした。とにかくウィル・フェレルのエルフがどんぴしゃのはまり役。あの妙なしつこさもハイテンションも違和感なし。ジェームズ・カーンの使われ方がもったいなかったです。
 大傑作ではありませんが、クリスマスにみるにはぴったりの、くすくす、げらげらできる佳作です。

 余談ですが。アメリカは、ひょっとしたらコメディ黄金の時代が到来しているかもしれない。そう思わせるほど毎年毎年おもしろそうで、批評もまあまあ、興行もなかなか、という作品が連発されています。しかし悲しいかな、日本ではビデオスルーされることが多いですね。本作もその1本で、興行成績年間ベストテン級のヒットを放ちながら、日本ではビデオスルーとなりました。取り扱いに困ったのが手に取るようにわかります。本国では2003年に製作、年末公開で大ヒット。当然日本では公開リストには入っていなかったので同時公開にはなりませんが、だからといってこんな季節物をクリスマス以外には公開できず、かといってヒットする可能性がきわめて少ない作品を当ててやろうというリスクを背負うような度胸もなく。月日だけ経過して仕方なく2005年クリスマスシーズンにDVDってところ? 映画って感動と涙がないと興行すら成立しなくなったのでしょうか。

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