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2006年1月30日 (月)

HD DVDソフト リリース日正式アナウンス

 いよいよHD DVDソフトのリリース日が正式にアナウンスされました。中でも注目は国内盤初の劇場用映画になりそうな『ネバーランド』。やはり東芝がハード側で気合い入っているだけに、東芝エンタテインメントから第一弾となったようです。(同時期に出る環境ソフトはポニーキャニオン)。一応3月末に全世界一斉にプレーヤーが出るそうですが、はたして売れるのでしょうか?
 私? もちろん買いません!(笑) 今プレーヤーで欲しいなんてユーザーがどのぐらいいるのでしょう?(まあ、初物が好きな人はいるのでしょうが)。DVDがなぜ爆発的に普及したかを思い返すと…。
1:コンパクトで薄型。CDサイズでVHSより保管場所をとらない。
2:画も音もいい。操作も簡単。
3:(途中からだが)録画ができた。
4:値段が安い。
5:PS2やパソコンでみられた。
こうしてみるとHD DVDがとってかわる要素はないですよね。しかもブルーレイとどちらで落ち着くかもわからないというのに。さらにHDMIやD端子の規格まで、不確定要素に浮上してきています。まだまだ初期投資としては金額はでかいですし、しばらくは様子見ですね。でもどこかでデモはみたいな(笑)。

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2006年1月29日 (日)

SWグッズの珍品

チョウさんのブログで紹介されていて速攻購入した物。それは…。

ジェダイミッキー(ローブがつくだけでこんなに印象が違うのか、このネズミは!)P1030183





























ジェダイミッキーとヨーダ
DSCN0796

















かわいすぎですぅ。(さすがにダースベイダーミッキーは買いませんでした)

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2006年1月28日 (土)

米ディズニー、ピクサーを買収

 ピクサーをディズニーが買収という記事が出ていました。ピクサーの次作「カーズ」で配給権利が切れ、その後の契約をめぐって決裂したというところまではニュースで出ていましたが、きっとピクサーは我が道を行くと思っていただけに、個人的な意見では、ちょっとショックです。なにしろ東京ディズニーランドで、ウッディやバズのキャラが出てくると、「あれはディズニーじゃない、ピクサーのキャラクターたちだ。あいつらはディズニーに人質にとられているんだあああ」と相方に訴えた男ですから(笑)。
ディズニーにしてみると買収してしまった方が手っ取り早かったのでしょう。クリエイティビティに関するディズニーの限界は『チキン・リトル』が示しています。しかしピクサーが革新的な作品をつくってこられたのはディズニーではなかったからだと言えるのではないでしょうか。もしピクサーがディズニーであれば、フルCG作品にゴーサインなど出るわけもなく、きっと売れる作品が優先されていたことでしょう。今までのラインアップをみても、とてもではないですが『ファインディング・ニモ』(魚ではキャラクター商品にならない)や、『Mr.インクレディブル』(あんなアメコミのパロディはマニア向け)はできなかった土壌なのです。誰からも愛される作品しか許さない超保守的な映画会社(いえ、かつてのディズニーは違ったのですよ)でピクサーはどうなるか不安です。

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2006年1月27日 (金)

シャープDV-AR12

購入した機種はシャープのDV-AR12でした。
DV-AR12 





 候補に挙がっていたメーカーはパイオニア、パナソニック、東芝、日立、シャープ。一番最初に消えたのは東芝。職場で使っているのですが、ここの機械はどうも自分には使い勝手が悪く感じました。それから日立。HDDの容量には魅力を感じたのですが、ここの映像系の作り方が自分の好みではないこと(プロジェクターとかそうですな)があり。パナソニックとパイオニアはともに好きなメーカーなのですが、どうも機能が中途半端なのです。そして筐体がでかい&好みでないことも理由。結局残ったのはシャープ。というか酒井さんのブログで候補に残っていたことが大きなポイントではあったのですが、実際店頭でさわらせてもらったときに、そのシンプルな操作系に驚かされました。またiLINKの親和性が高いこと、それにハイビジョンの映像が私好みであったこともポイントでした。容量は大きいのにこしたことはないのですが、地デジがダブルチューナーでも全く興味がないので、この機種にしたのです。

<インプレッション:○>
・ハイビジョンの映像はかなりいい。ソースの再現力という意味ではRec-potより上。
・操作系はシンプルでマル。パイオニアユーザーの私もすんなり。
・筐体は薄くて好み。動作音も静かな部類。
<インプレッション:×>
・DVDソースの映像と音が好みと微妙にずれる。かなり平板な印象。音も、もう一息。

さあ、いろいろと使いこんでいくぞー。

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2006年1月26日 (木)

訃報:クリス・ペン

俳優のクリス・ペンさんが24日なくなりました。40歳でした。ロサンゼルス郊外のサンタモニカにある自宅マンションで死んでいるのが見つかったもので、死因は不明ですが、犯罪に巻き込まれた形跡はないそうです。兄貴がわがショーン・ペン。他にも父親が映画監督、母親が女優。長男は映画音楽関係の仕事という映画一家で、三人兄弟の末っ子がクリス。『フットルース』で、彼を初めて知り、その後もどんどん恰幅がよくなってきたのですが、途中ドラッグ中毒で治療も受けていました。キャリア上の白眉はやはり『レザボアドッグス』でしょうか。偉大な兄と比較されてしまうのは可哀想なぐらい、まったく違うタイプの個性派でした。ご冥福をお祈りします。

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2006年1月25日 (水)

新レコーダー到着!

今日はウキウキでした。久しぶりのハード買い換え。
我が家に新しいハードディスクレコーダーが到着したのです。
今まで使っていたのは2003年の夏に購入したパイオニアDVR-77H。いよいよDVDレコーダーにHDDが搭載された物が売れ筋に変化し始めた頃の機械で、よく働いてくれました。しかし時代はハイビジョン。イッツコム経由でハイビジョンをプロジェクターで楽しむようになってら、ハイビジョンソース以外はなかなかみる気が起きなくなってしまいました。Rec-potの160GBが2台ある我が家ですが、セットトップボックス経由だとCATVの番組と重なることもある。そこで新機種導入となった次第です。

しかし一番火をつけたのは実はボンドさんこと酒井さんのブログだったりします。酒井さんのハイビジョンに関する情報はいつも充実していて楽しいのですが、年末年始と新しいレコーダー選びをずっとブログで掲載されていました。それを読んでいるうちに…

最初「帯に短しタスキに長しな現在。どうせ次世代ドライブまで動きはないし、今は買い時ではない」

途中「ウーン。ハイビジョンソースをたっぷりためこんでおけるのはいいなあ」

最後「今欲しいなら今が買い時だー!」

年明けの競馬の東西金杯で完勝&儲けたことも油を注ぐことになり(注:しかしその後競馬はとんでもないことになってます。今年はやばいぞ(笑))、発注した次第です。

さて機種は何か? そしてインプレは?
続きは後日。

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2006年1月24日 (火)

時計

私は通常時、ほとんどのハード類のディマー表示をなるべくOFFにしていますし、あの大きさでは時計としては役に立ちません。そこでシアター用に時計が必要でした。私は腕時計も含めて電波時計を選ぶようにしています。ところがシアター用はなかなか見つからなかったのです。理由はただひとつ。電波時計は、ほとんどが液晶タイプの物か短針長針(できればデジタル表示がほしい)のもので、暗くしているシアターでは意味がないからです。

cloそこでようやく見つけたのがシチズンのパルデジットR028でした。
表示がLED(一応明暗を2段階で調整可能)で必要以上に明るくなく、サイズもほぼ希望通り。電波の感度がやや悪いこと以外は言うことなしです。
P1030177P1030178

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2006年1月23日 (月)

「映画秘宝」ベストテン

「映画秘宝」のベストテンが発表されました。現在私が定期購読している唯一の映画雑誌ですが、今年も筋の通ったベストテンになっています。まあ『キング・コング』をはじめ、ほぼ予想通りの作品が並びました。おかしかったのはワーストで、たぶん『宇宙戦争』だろうなあ、と思っていたら『戦国自衛隊1549』とは…。それから快楽亭ブラック師匠のベストテンはいつも楽しみなのですが、こちらも『運命じゃない人』とは予想外。さっ、いろいろと未見の作品を追いかけ始めましょうか。

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2006年1月22日 (日)

DVD『タイタニック』(3枚組)

20060111_034329589 めでたくアルティメット・エディション化されたジェームズ・キャメロン監督の大ヒット作。スクイーズ化されてdts音声も収録されたのはいいのだが、なんと本編が真っ二つ(既発のものは片面2層1枚)。やはり掛け替える手間を考えると、なんとか本編を1枚におさめてほしかった。映像特典は一般的な物だが、未公開シーンは興味深いものが並び、キャメロンらしく別バージョンで編集しなおしても面白かったかもしれない(ここまできたら3時間も4時間も一緒だって)。ただし別エンディングはひどかった。こっちを採用していたら、みんなカンカンだったでしょう。画質もなかなかの部類だが、特筆すべきは音で、既発のものは何だったの?というぐらいの高音質。とりたてdts-ES音声はサラウンドの包囲感が秀逸。
B-AVG.Disc1-8.15MB/sec. Disc2-8.34MB/sec.

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2006年1月21日 (土)

『エルフ』

B000☆☆1/2 ウィル・フェレルがはまり役!
 たとえば大人から真面目にしたり顔で「サンタはいる」と言われると嫌みになりかねません。まあ、ロバート・ゼメキスの『ポーラー・エクスプレス』がそんな作品(笑)。しかしこの作品は「サンタはいた方がすてきでしょ」とウィンクされたような作品。向こうではすっかり人気スターになったウィル・フェレル主演の出世作は、実にあたたかな気持ちにさせてくれるクリスマスムービーとなっていました。
 前半は快調。エルフゆえに引き起こされるトラブルの数々はウィル・フェレルの快演もあって存分に楽しめます。エルフの世界も奇妙で可愛らしく微笑ましいのです。途中の親子の絆作りは強引な展開で説得力に欠けましたが、後半のセントラルパークに不時着したサンタをめぐる話からは、わくわくさせられました。あのサンタのそりがとびあがるシーンは不覚にも涙目になってしまいました。そう、こんな場面を、かつて子どもの頃に夢見ていたなあという想いでした。とにかくウィル・フェレルのエルフがどんぴしゃのはまり役。あの妙なしつこさもハイテンションも違和感なし。ジェームズ・カーンの使われ方がもったいなかったです。
 大傑作ではありませんが、クリスマスにみるにはぴったりの、くすくす、げらげらできる佳作です。

 余談ですが。アメリカは、ひょっとしたらコメディ黄金の時代が到来しているかもしれない。そう思わせるほど毎年毎年おもしろそうで、批評もまあまあ、興行もなかなか、という作品が連発されています。しかし悲しいかな、日本ではビデオスルーされることが多いですね。本作もその1本で、興行成績年間ベストテン級のヒットを放ちながら、日本ではビデオスルーとなりました。取り扱いに困ったのが手に取るようにわかります。本国では2003年に製作、年末公開で大ヒット。当然日本では公開リストには入っていなかったので同時公開にはなりませんが、だからといってこんな季節物をクリスマス以外には公開できず、かといってヒットする可能性がきわめて少ない作品を当ててやろうというリスクを背負うような度胸もなく。月日だけ経過して仕方なく2005年クリスマスシーズンにDVDってところ? 映画って感動と涙がないと興行すら成立しなくなったのでしょうか。

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2006年1月20日 (金)

DVD『遠い夜明け』

20051002_233112453 で、昨年鑑賞した作品をDVDで購入。というのも気になる話をきいたから。どうも日本公開時や私がWOWOWのオンエアでみたもの、さらにはVHSやLDでリリースされていたものと、DVDはエンディングが違うらしい。結論、違った。かなりひどい形で。
 物語の場面自体に違いはない。差し替えられていたのはエンドロール直前。主人公のジャーナリスト家族が南アフリカから脱出するセスナが映っているところ。ここに公開時には「1962年以降南アフリカ政府が裁判を行わずに拘置することを合法化した。それ以降拘置中に死亡した人の名前と公に発表された死因は以下の通り」とテロップが出て、その後延々となくなった人の名前が出てくるのだ。これがまた「自然死」「首つり自殺」という理由が並べられて、それでも疑わしいのに、「シャワーで転倒」などがぞろぞろ出てくる。つまり本編中に出てくる指導者スティーブ・ビコのような悲劇は、他にもたくさんあったことが示唆されるのだ。
 ところがこれが国内盤のDVDにはない。しかもふざけたことにDVDは以前のビデオ素材の字幕を使用しているらしく、画面上には何もテロップが出てこないでセスナがただ飛んでいるだけのところに、字幕だけ出てくるのだ。これでは最後のとどめがなくなってしまうではないか。うーん。米国盤がどうなっているかも知りたいところ。
B-AVG.-5.7MB/sec.

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2006年1月19日 (木)

CD「伊福部昭の芸術7」

20060122_93538877 東映動画製作のアニメーションには素晴らしい作品がたくさんあります。その中でも屈指の名作が『わんぱく王子の大蛇退治』です。この作品の魅力はたくさんありますが、中でも『ゴジラ』で知られる伊福部昭のスコアは神懸かり的な素晴らしさです。しかし残念ながらサントラなんてものはなく、唯一オリジナル音源で聴くことができるのは左のCD「東映動画アンソロジー 劇場編」だけ。(このCD、これはこれですんばらしい1枚で、東映動画製作の劇場作品主題歌のおいしいところが、ずどんと入っているアンソロジーです) しかしせっかくのスコアもモノラル収録だったりして、ああ、残念!と思っていたのですが…、
なんとなんといつの間にか、こんなCDが。

20060121_91638998このCD「伊福部昭の音楽7」は伊福部昭の作品を、もう一度作品ごとに組曲の形式で編曲して音源化したシリーズの一部らしく、このCDには『ゴジラVSキングギドラ』(復活ゴジラで伊福部昭氏が音楽担当として復活した大森一樹監督作品)も収録されています。でもでも。ききどころはやはり『わんぱく王子の大蛇退治』! おおおおおおおおお! なんと勇壮な響きだ! (これ、録音自体もなかなか優秀な1枚です) これは充分楽しめる1枚です。邦画作品はサントラなんて発想がなかったので、70年代以前のものは存在自体がありません。こうやって誰かしらCDを企画する側の思い入れで救われるスコアが、たくさん登場することを久しぶりに切に願わずにはいられませんでした。

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2006年1月18日 (水)

『ビッグ・フィッシュ』

☆1/2 奥のない人物描写ではドラマは描けない。
 ティム・バートンとは相性が悪い私(でもやっぱり「みようかな?」と思わせる魅力は企画にあるのでしょう)。というわけで本作は、彼にしてはめずらしい親子の葛藤をテーマにしています。バートン自身が自らの境遇の変化と成長を理由にあげていましたが、その裏を返すならば、彼の本質には何の変化もないということです。作品としては微妙な仕上がりになりました。(以下微妙にネタバレ)
 この映画のポイントとして、お父さんの話が本当なのかウソなのかというところがあります。この処理をバートンは誤りました。前半の与太話にはさしたる驚きがないままなのに対して、ヘレナ・ボナム・カーター演じる女性がお父さんとのエピソードを息子に語り始めるところから、俄然物語展開が躍動してきます。ところがこの前後の息子の心理変化をあっさりと通過してしまったために、肝心の父の臨終の場面がいきてこないのです。死に際に息子が父に真実ではない話をしますが、そこには息子が父の話が大好きであったこと、そしてそんな話を伝えてくれた父への感謝があったことが見え隠れします。つまり父の話が真実かどうかが問題なのではなく、父が息子に何を伝えようとしていたのかが重要であるということであり、バートン自身がそういう構成にしているにもかかわらず、話のクライマックスの置き方を間違えたために、それが台無しになってしまいました。一番問題なのはラストの葬儀のシーン。あれは蛇足以外何物でもありません。真実かどうかはどうでもいいと思った息子の目の前に与太話の登場人物(もしくはそのモデル)が現れる必要はあったのか、そして父の臨終の場面で観客も理解したことを、なぜあそこでもう一度なぞる必要があるのでしょうか。
 バートンの最大の武器はイノセンスですが、結果的にそれが最大の欠点にもなっています。個性的な人物を造形するものの、実は逆にステレオタイプなキャラクターも多く(本作でいえばお母さん。典型的なアメリカの母だが、父と母がなぜ心の奥深いところで結ばれていたかに、まったく説得力がないのは、母の描き方が陳腐で浅いため)のも、彼が多面的に人間をみつめるということをしないからなのかもしれません。その稚拙なストーリーテリングと奥のない人物描写は彼の限界を示しています。人間をみつめるということができない限り、彼のドラマはうわべだけの空疎なものから脱出できないでしょう。

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2006年1月17日 (火)

ゴールデングローブ賞

16日、ゴールデングローブ賞が発表されました。(D=ドラマ C/M=コメディ/ミュージカル)
【作品賞D】『ブロークバック・マウンテン』
【作品賞C/M】『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』
【監督賞】アン・リー『ブロークバック・マウンテン』
【脚本賞】 ラリー・マクマートリー&ダイアナ・オサナ『ブロークバック・マウンテン』
【主演男優賞D】フィリップ・シーモア・ホフマン『カポーティ』
【主演男優賞C/M】ホアキン・フェニックス『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』
【主演女優賞D】フェリシティ・ハフマン"Transamerica"
【主演女優賞C/M】リース・ウィザースプーン『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』
【助演男優賞】ジョージ・クルーニー『シリアナ』
【助演女優賞】レイチェル・ワイズ"THE CONSTANT GARDENER"
外国語映画賞】"Paradise Now"
【音楽賞】ジョン・ウィリアムズ『SAYURI』
【歌曲賞】"A Love That Will Never Grow Old" 『ブロークバック・マウンテン』

私が楽しみにしているジョニー・キャッシュの伝記映画『ウォーク・ザ・ライン』が健闘してうれしいかぎりです。しかしマスコミの「流れ」は『ブロークバック・マウンテン』ということなのでしょう。ただし演技関係で無冠になりそうなのと、同性愛を扱っているということが、番狂わせの余地を残しているようにも思います。

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2006年1月16日 (月)

訃報:シェリー・ウィンタース

 アカデミー賞を2度受賞している米女優、シェリー・ウィンタースさんが14日現地時間午前6時15分頃、南カリフォルニアの老人介護施設でなくなりました。享年85歳。死因は明らかにされていません。
 1959年の「アンネの日記」、1965年の「いつか見た青い空」でアカデミー助演女優賞を受賞している。彼女といえば『血まみれギャングママ』や、先日の日報にも書いた『狩人の夜』でも知られるが、やはり私のとっては『ポセイドン・アドベンチャー』の彼女。ふっくらした体型ともあいまって、すいすいと得意の水泳で奮闘する姿に驚きを感じると同時に、その後の衝撃的な物語展開も含めて強く印象に残っています。かなりの難しいところがある人だと、彼女とかかわった複数の監督が証言しているのをメイキングでみたことがありますが、私生活ではどんな人だったのでしょうか。女優の最期は、どこか物悲しいものが感じられてなりません。ご冥福をお祈りします。

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2006年1月15日 (日)

U2だ!シガーロスだ!来日ラッシュだぁぁ!

 フジロックフェスの時にも書きましたが、所帯持ちには、なかなか来日組のライブには足が向きません。まあ私だと今はU2、コールドプレイ、シガー・ロス、ピーター・ガブリエルぐらいでしょうか。そんな中、めでたくU2の来日が決定しました。前回のツアーはPOPがリリースされたときで、東京ドーム一度だけ。客入りは正直あまりよいとは言えませんでした。ここしばらくはずっと東京ドーム公演でしたが、今回はなんと日産スタジアム! おおっ、なんかUKちっくな設定だ! これは燃えます。しっかりとチケット入手をがんばらなくては! この年齢になって何が一番つらいかというとチケット入手だったりするので…。なーんてぼーっと最近の来日リストをみていたら、この春の来日ラッシュはすごいですねって…。
シガー・ロスもくるやんか!
全然知りませんでした。でも東京公演が、1日、U2ともろにぶつかってるがな(涙)。でもこれは両方行くしかありません。さてこれから、いろいろと作戦を練らなくては…。

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2006年1月14日 (土)

映画のチラシ整理法

 私は特にコレクターというわけではないのですが、映画鑑賞の記念としてチケットの半券、パンフレット。そして資料として映画のチラシを保管しています。最近困っていたのがチラシの整理。なにしろ本格的な映画好きになってかれこれ20年近く。特にすごく細かな思い入れはなくても、せめて折り目はつかないように、今までは公開日順でクリアファイルに整理していたチラシ類も、そろそろ整理法として限界になっていました。探したくても探せない。さらにファイル類が重い&かさばる。そこで思い切ってタイトル別・五十音順で分類する方法に変更しようと考えました。こう決心したのが昨年の夏のはじめ。しかしそこから紆余曲折のはじまり(笑)。

DSCN0499 まず今までの固定式のA4サイズはやめてB5サイズの差し替え式にファイルを変更。ところがア行、カ行のようにクリアファイルでわけようと思ったら、予想外にファイルの量が増えることがわかり断念。まあ自分の鑑賞記録を眺めてみても、題名はサ行とかハ行で始まるものがとても多いわけで、そうなるとかえってわかりにくくなります。しかもファイルだって安くはない。そこで考えた末に、今までは避けていた棚を使う方法を視野に入れました。確かにチラシふれあってしまいますし、整理するときには直接手で触れることになってしまいますが、でもまあ、背に腹は代えられません。しかしこういう書類分類棚は意外に高価なもの。五十音などでそろえたら、とんでもない金額が必要です。うーん、どうしたらいいかと、夏の終わりからいろいろと探した結果…。

DSCN0496 左は100円ショップ・キャンドゥで販売していたA4サイズの整理棚。これは引き出しと受け皿で組200円。どんと購入してもそれほどの金額にはなりません。 むしろ問題は一店舗にこれだけの在庫がある店がないこと。しかも客注は受け付けないのが原則なので、ちまちまとまわって購入しました。結局秋にようやく必要数がそろいました。
 そして最大の課題は今までの所有チラシの分類。
ああ、めんどくせぇ!(笑)
だったらやめなよなどという外野(妻)の声にも負けず、これもちまちまと作業を続けました。量が半端ではなかったことと、何より整理しているうち「うわー、なつかしい」と誘惑に負けて見入ってしまうのです。

DSCN0495 と、ほぼ半年がかりで整理完了。購入してどうしようかと思っていた差し替え式のクリアファイルも、シリーズ物や、同一作品で複数種あるものなどだけをまとめるものに利用することにしました。 まあ本格的にされている方からすると邪道な方法だと思いますが、個人的にはコンパクトに機能的にまとまって満足しています。さて問題はこれがあと何年分まで整理できる余裕があるかどうか…。まっ、いいや(笑)。

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2006年1月13日 (金)

『この子の七つのお祝いに』

☆☆ 岸田今日子、おそるべし。
 かつて謎解きの場面だけTVでみていました。きちんとみたかったのですが、その後なかなかビデオにもならず、TVでもあまりオンエアもされず。昨日の『サード』のあとでオンエアされてました。結局録画して本日鑑賞。ああ、忙しいのにぃ(爆)。で、名匠増村保造の遺作でもあるミステリーは、こりゃ強烈に印象に残るのも無理がない怪作。
 キャスティングで真犯人の目星はつきますし、謎解き自体は大がかりではありません。ただそれ以上に戦後の混乱を背景に運命の歯車が狂っていく登場人物たちのドラマとして興味深いあらすじです。ところがそれが浮かび上がってこないのです。早い話、描写が雑で、悲劇としての痛切さが伝わってこない。話のスケールが妙にちまちましていて、二時間ドラマレベルの完成度です。そこへますます混乱に拍車をかけるのが、演技陣のベクトルがばらばらな熱演ぶり。杉浦直樹なんて何がやりたいのかわかっていない。岩下志麻も肩の力はいりすぎ(写真とはいえ、セーラー服はやばかった。あんな高校生いません)。さすがなのは芦田伸介。最後にびしっと締めています。そしてそして。絶対に忘れられないの岸田今日子! ああああああああああ、怖すぎる! 彼女が登場する場面はもっと少なくてよかったはずです。そうすれば作品のアクセントになった。しかし結果的に彼女がすべての場面をさらってしまい、彼女の狂気が作品のトーンを良くも悪くも支配し、すべてを破壊しつくしてしまっています。
 悲劇の人間ドラマとして成立したはずの作品は、とんでもない魔を秘めて、ただ怪作となって残りました。観客が覚えているのは彼女のことだけ。真犯人は誰かなんてどうでもよくなるのです。怖いモノみたさの方、後戻りはできませんよ。私も岸田今日子だけを記憶し、彼女の狂気にこれから恐れおののくのです。そう、この映画での岩下志麻のように。

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2006年1月12日 (木)

『サード』

☆☆☆ 演出不在を補ってあまりある出演者の存在感。
 CATVでオンエアされていたのを、とうとうそのままみてしまいました。忙しい時だからこそみちゃうんですね。ああ、眠い(涙)。で、この作品は少なくとも眠気にも勝ち、みる価値もあった佳作です。
 東陽一監督作品をとおして全部みるのは初めて。というかこの人の何もない展開で挫折した作品が2本あるのですが、この作品は脚本が寺山修司で、そのあたりがうまく処理されていました。青春時代故のもやもや、何とか今を抜け出したいという衝動。群像ものとしても奇妙な味があり、出演陣が不思議なアンサンブルを醸し出していました。特にただいるだけで「青春」という時間を体現してしまった永島敏行。こちらも存在自体が思春期の性衝動のような森下愛子。この2人の出演が、この作品が凡百の青春映画とは一線を画す仕上がりになった大きな要因でしょう。ただ少年院でのドラマと、そこに至るまでの回想とが融合されているとは言い難く、その点は残念でした。一言でいえば演出不在、それがこの監督のカラーなのかもしれませんが、あまりにも青臭いタッチに感じてしまいます。それは少年院でのディスカッションなどの場面で顕著になります。
 ウェルメイドではなくとも、良質の素材をそのまま味わうような素朴さは魅力充分。そこを超えられたかどうかは別問題として、一見の価値はある作品です。

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2006年1月11日 (水)

DVD『キング・コング』(1933)

20060111_34530454いわゆるパブリッックドメインによる廉価版。比べるまでもないが米国盤とは話にならないほど画質が違う。シャープさに欠け、白黒のコントラストもはっきりしない。笑えるのがビットレートがほぼ同じだということで、そうすrとやはり素材の違いが大きいと言うことになる。ただオリジナル版をみたいと思う人は、今きっと多いと思うので、リリースされているのはよしとしますが、あとはどこかできちんと権利をとって、しっかりとしたリリースをしてください。やはりこういうのはパッケージ化する側の作品への愛情の違いです。
B-AVG.-5.54MB/sec.

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2006年1月10日 (火)

キネ旬ベストテン発表

毎年恒例のキネ旬ベストテンが発表されました。

【日本映画】
<1>パッチギ!
<2>ALWAYS 三丁目の夕日
<3>いつか読書する日
<4>メゾン・ド・ヒミコ
<5>運命じゃない人
<6>リンダ リンダ リンダ
<7>カナリア
<8>男たちの大和/YAMATO
<9>空中庭園
<10>ゲルマニウムの夜

 【外国映画】
<1>ミリオンダラー・ベイビー
<2>エレニの旅
<3>亀も空を飛ぶ
<4>ある子供
<5>海を飛ぶ夢
<6>大統領の理髪師
<7>ウィスキー
<8>スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
<9>キング・コング
<10>ヒトラー~最期の12日間~

 邦画は比較的妥当な感じがしますが、外国映画の方はというと…えっ! 『SWエピソード3』がランクイン? しかも『キング・コング』よりも上だとぉ? 唖然…。実はSWシリーズのランクインは2度目。エピソード4と、このエピソード3。本当にそうかあ???? 『帝国の逆襲』すら入っていないのに…。ベストテンをこういう形で選ぶことに限界が来ているのかもしれません。そう、まるでレコード大賞のように。
 最大の問題は、2001年1月と2002年2月の週報にも書いてあるのですが、投票の権利がある批評家の好みの幅がありすぎて、選ばれるべきレベルの作品の漏れが大きくなっていること。かつてはみんなが推す作品が投票で集まってきたわけですが、今は票が異常なまでに分散してきたために(だって2004年度は投票された作品が133本ですよ)、数名が(数十名じゃないですよ)が上位に推すと、それでランクインしてしまうのです。だからベストテンに傾向がまったくみえない。もし個人の評論家が出したベストテンがこれだったら笑いませんか? キネ旬のベストテンが全てではないですが、少なくともその時代の映画ジャーナリズムの方向性は明確に出ていました。その点ではやはりそれなりの論客に選んでもらいたい。そして八方美人でなくていいから、雑誌の方向性がきちんと出ているベストテンにしてほしい。それがまたキネ旬の権威になると思うのですが。

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2006年1月 9日 (月)

ユナイテッドシネマとしまえん(4)(8)

 2004年7月9日にオープンしたUC都内初のシネコン。9スクリーンでTHX認証劇場が1つ。正直今まで経験したUCがなんかなあなところばかりだったので(岸和田レポート入間レポート)、いろいろと情報は知りつつも足が向きませんでしたが、『キング・コング』が小さな劇場に追いやられているので仕方なく来た次第。大江戸線豊島園駅からすぐなのはありがたい(西武池袋線でもすぐ)。完全に映画館専用の建物で、白を基調とした内装はそこそこ清潔感がある。しかしシネプレックスわかばのようなセンスはない。客の移動距離が無駄に長くなる最悪のレイアウト。ロビーもコンセッションも無駄に広い。それなのにコンセッションメニューは平凡、しかもワンフロアにしかない。入り口で音響フォーマットはわからず(ホームページにはある)。シートはかなりかためで、隣席と完全に接するタイプ。(ロビー**)

No.4スクリーン 席185 見***1/2 音*** 内***
No.8スクリーン 席465 見***1/2 音*** 内***
としまえん最大キャパのTHX認証劇場。画面がとてもみやすくシネスコでも疲れることはない。反面、音のパワーという面ではもう一息で、画面と音のバランスという部分で、やや物足りない。THXのトレーラーどころか、音響トレーラーもなかった。また注目のウィンブルシートだが、やはりというか蛇足というしかない。普通に生活音やBGMでも低音部でなるので、よけいなところでブルブルされるのは気持ち悪いだけ。かえって鑑賞の妨げになる可能性がある。これならばマッサージチェアがわりにしかならないかも。

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2006年1月 8日 (日)

WMC多摩センター(3)

 関東圏では久しぶりにできたWMCの新館で、2005年11月15日にオープン。またマイカル、イオンのショッピングセンターに併設されていない形では初めての出店形態になる。8スクリーン。THX認証劇場はなし。
 ロビーは開放感がありつつ、無駄に広いという印象はない。あと観客が迷わすにロビーから動ける、そして混雑がどこかに集中しないという点はとても大事なことなのだが、基本的なレイアウトはさすが。コンシェルジェもいました。あとWMCに行くのが久しぶりで驚いたのが物販にもTSUTAYAのポイントがついたこと。これはうれしいサービス。入り口では音響フォーマットはわからないのは玉にきず(各劇場入り口には表記)。
 ここのウリは2つ(ともに8番スクリーン)。WMSS劇場はここが3館目。まだ未体験なので今後楽しみ。ゴールドクラスは…、うーん、そういうサービスはもういらないような気がするのですが。通常の席でもサービスは充分。というかそれが本筋でしょう。(たとえばファミリーボックスシートとかの方がいいかも) あとネット予約での手数料はいい加減やめましょう。これはぜひ善処してもらいたい。

3番スクリーン 席196 見*** 音*** 環***
DLP設置劇場。なのだがビスタがフルサイズでシネスコだと上下が縮むタイプなのがもったいない。

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2006年1月 7日 (土)

『歓びを歌にのせて』

20060108153924☆☆☆☆ 私たち観客に与えられた至福のひととき。
 これは久しぶりに予告編で「みたい!」と思った作品でした。そして当たりどころか、びっくりするほどの大当たりになった作品です。すばらしい人間ドラマでした。
 さまざまなキーワードのくくり方で見方がいろいろと出てくるタイプの作品です。それも物語が複雑に入り組んでいるのではなく、シンプルでも多面的な要素を含んだ作り方がすばらしい。人間と人間、人が生きると言うこと、人間と芸術、宗教と芸術、男と女、精神と肉体、音楽の豊かさ…。語り口も抑制があり、必要以上にしゃべりすぎない。映像できちっと語る。そして観客の想いが入る余地がある豊かさを持っています。
 またひとりとしてステレオタイプな人間像を作らなかったことも評価したいです。中でも神父と妻に暴力をふるう男の描き方に胸うたれるものがありました。誰もがもつ自分の心の闇とそれに負けてしまうもろさ。その点を繊細にとらえた優しくも厳しい視点は、季節感と風土をとらえた美しい映像、響き渡る美しい音楽(必要以上に音楽が使われないのも見事)とともに、私たちをもさまざまな感情が喚起され、揺り動かされるのです。そしてあのラスト。至福という言葉がぴったりなあの場面は、思い返すだけでも心が震えます。主役のミカエル・ニュクビストをはじめ、あまり日本で知られている人はいませんが、でもどの人も表情といい、存在感といい、見事な演技をみせます。
 私が評価に☆4つ満点をつけられる作品は本当に久しぶり。でもこんなすばらしい作品に☆4つつけられることが何とも喜ばしく、私自身この映画を鑑賞した時間は至福の時間でした。ただひとこと、ぜひごらんになってください。なお1/7より一部シネコンで拡大上映されています(私も待っていた人)。ル・シネマよりはシネコンのような音響設備の整った場所で鑑賞することをおすすめします。
(チネチッタ・チネ4にて)

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2006年1月 6日 (金)

『キング・コング』

20060108154209☆☆☆1/2 これぞ活劇。まさにスペクタクル。
 正直期待と不安が入り交じっていました。だって名作のリメイク、本編3時間以上、予算超過。でもさすがの人はさすがでした。期待以上のすばらしいできばえ。
 とにかく語り口が緩急自在。話が一本調子にならずにまったく飽きません。この点は『ロード・オブザ・リング』よりも洗練されているかもしれません。スカルアイランドまで、そしてスカルアイランド、最後のニューヨークと、オリジナルを尊重しつつも、それぞれの物語を巧みにふくらませてます。かといって変にドラマ偏重にならずに、きちんと怪獣映画の見せ場も押さえているところもすばらしい! あの恐竜との死闘は映画史に残ることでしょう。さらに視覚効果に関しては文句なし。いよいよここまできたかという感じです。もはやプラクティカルとデジタルの違いなんて次元ではありません。特にニューヨークの場面にはびっくり。『ロード・オブ・ザ・リング』と違って、それなりにリアリティが必要なところですから、自由自在のカメラアングルといい、見事としかいいようがありません。こういう衝撃は実は完全なバーチャル環境だった『ミッション:インポッシブル』のクライマックス、TGVもどきでのアクションシークエンス以来です。コングの見事さはアンディ・サーキスのパフォーマンスも大きいと思いますが、しかし何より彼のパフォーマンスをバーチャルに置き換えた環境を作ったスタッフの力が大きいのです。 役者陣はみな手堅いですが、でもジャック・ブラックの存在感は特筆すべきです。驚きました。彼を完全に過小評価していました。彼があの映画作家役を演じたことで、この映画に深いドラマをもたらしました。
 これぞ活劇。まさにスペクタクル。何が大事かをきちんとわかっているスタッフで作られた一大巨編は、たとえオスカーを独り占めにしなくても、その見事なできばえは疑いようもありません。
(ユナイテッドシネマとしまえん8にて)

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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

20060108133836☆1/2 長い、浅い、つまらない。
 以前も書きましたが私は原作も読んでいないし、なーんの思い入れもありません。何でみてるのかって、とりあえず話題作だしってな程度です。ただちょっとだけ期待はありました。3作目は監督がアロフォンソ・キュアロンに交代して、みられるレベルになった。今回は『フェイク』のマイク・ニューウェル。結果は…あーあ、つまらなかった!
 とにかく無駄に長い。話の交通整理ができていない。魔法学校対抗戦で押しちゃえ! よけいな枝葉は全部そぎ落とせ! 相変わらずドラマは平板だし、視覚的な部分も今回は最悪だったし、退屈で退屈で仕方がありませんでした。
 もう4作目、結局全部映画館でみてます。でも1本もお気に入りがない。この状況は、そうだ『スター・トレック』劇場版の状況と同じだ!(笑) まだ作るんですよね。えっ、次も監督交代? あちゃちゃ。
(ユナイテッドシネマとしまえん4にて)

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『チキン・リトル』

20060108133833☆☆ 模倣か、伝統か。迷走は続く。
 作品的には平均レベル。特筆すべき要素は何もありません。みたことのあるようなキャラクター、みたことのあるような物語、みたことのあるような世界観。なぜそんな既視感にとらわれるか。そこもふまえて、まずもっとも議論されるべき点から行きましょう。つまりディズニーはどこへ行こうとしているのか。この平々凡々な作品に往年のディズニー作品の匂いは感じられません。そう、ピクサーの匂いしか。
 作品から自分たちが作りたいものがみえてきません。何かピクサーっぽい物語の世界観やキャラクターたち、それから『アイス・エイジ』のFOX風のハートウォーミングな展開とドタバタ、そして『シュレック』のドリームワークス風の皮肉とパロディ。これらフルCGアニメーションで先行している会社の作風をいいとこ取りして、ディズニー風にまとめてみましたという感じがぬぐえないのです。確かにこれらの会社は興行的に大ヒットした作品を生み出しています。しかしこれらの会社も試行錯誤を繰り返しているのです。
 ディズニーアニメの曲がり角はいくつかありました。忘れられていますが『リトル・マーメイド』の前、70年代後半から80年代前半にかけて暗黒の時代があったのです。それが『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』で息を吹き返すのです。ではなぜディズニーアニメが再び暗黒の時代を迎えようとしているか。それはフルCGではないからなのではなく、物語がつまらないからです。ディズニーのすごさは実は新しい表現や技術を使って普遍的な物語をわかりやすく伝えたことにあると思います。今一度、ディズニーらしさはどこにあったかということを考えるべきです。唯一おもしろかったオープニングや、途中で出てくるミッキーマウスのキャラクターのように、ただギャグのために自分たちの財産を食いつぶすだけでは仕方がありません。そしてあまりにも保守的な作り方をしている。言い方を変えればヒットしそうな要素でしか作っていない。この作品を見終わって、そんな寂しさを感じました。
 パイオニアになるのか、フォロワーになるのか。現在のディズニーアニメの迷走と困惑がわかる作品です。そして少なくともここには、これからの希望は感じられません。
(WMC多摩センター3にて)

 なおこの作品は国内2カ所(AMCイクスピアリWMC多摩センター)でDLPよるディズニーデジタル3-Dシネマで上映されています。DLPがフルCG作品と親和性が高いと感じたのは以前にも話しましたが、ここまでくるとすごいですね。もはやテーマパークの世界です。『ポーラー・エクスプレス』のIMAX3Dでも感じましたが、3D版がある場合は、ぜひそちらでみることをおすすめします。作品が別物です。私はWMCでみましたが、両方でDLPを経験している立場で言うと、WMCでみることを勧めます。でもイクスピアリは映像に関わる部分を総取り返したなんてきくと気になりますねぇ。DLPでは映写機が1台ですむ、偏光ずれが起きにくいなどのメリットもあり、この点は注目ですが、コスト面からも一気に普及というわけにはいかないでしょう。このシステムはデジタル上映管理システムドルビーデジタルシネマでしか対応していないようです。

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2006年1月 5日 (木)

DVD『ヴァーティゴ2005・ライブ・フロム・シカゴ/U2』

20060101_15215578私にとってワン・アンド・オンリーであるバンド、U2の最新ライブ。実は彼らは"Pop"の時以来、来日公演が実現していない。そして今回の"Vertigo"でも、現在のところ来日公演の話は決まっていない。うーん…。しかし幸か不幸か、"elevation"ツアーも、それからスレイン・キャッスルでのライブも映像化されているので、かろうじて飢えはしのげている感じ。それにしてやはり彼らのライブバンドとしての実力には頭が下がる。今回もアンコール以降の展開には驚かされた。祈・来日!
B-AVG.-6.83MB/sec.

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2006年1月 4日 (水)

『Mr.&Mrs.スミス』

20060105002537☆☆ スターのオーラにおんぶにだっこ。
 ブラピとアンジー。はい、映画が好きな人は映画館に行きましょう! で、かっと楽しんで、その後は食事なり、デートなり楽しい時間を過ごしてくださいね。この2人がお目当ての人は楽しいはずです。まあ、そんな映画です(笑)。でも問題なのはプログラムピクチャーとしての完成度。
 前半は割と楽しめました。一昔前のスパイもののようなバカっぽさはハナマル。オーブンレンジが武器の格納場所とか、二人の仕事が同時進行で進んでパーティに間に合うかなんて、おかしいったらありません。ところが微妙にツボがずれてきます。たとえばそのパーティで二人がちっとも楽しめず浮きまくっている様子。赤ちゃんを抱えているアンジーの描写が中途半端だったり。はたまたお互いの正体に疑問を感じながらの夕食。あそこはお互いが「冷静に考えてみれば…」というところで、いろいろハラハラがあってもよかったところです。で、家で派手にやり合うところあたりから急に展開が失速気味。その後は好きにしてって感じでした。おそらく追っ手側にはっきりとした悪役がいなかったことと、2人が逃げる先にある「ゴール」がみえなかったことが失速の理由でしょう。
 この作品、ブラックコメディなのか、サタイアなのか、アクションコメディなのか。作り手も決めかねている様子が感じられます。そりゃそうですね。天下のブラピとアンジーですもん。でもブラピとアンジーという作品ジャンルはありません。やはりアクションコメディである以上、きちっとストーリーを作ってほしかった。そしてちょっとした可愛らしさがほしかった。同じような物語の『女と男の名誉』がおもしろくて、同じく壮絶な夫婦ゲンカである『ローズ家の戦争』がつまらなかったのは、ブラックな内容をスマートな笑いで描けたかどうかだったと思います。2人は魅力的ですが、それだけ。この映画はスターの存在におんぶにだっこになり、それにスターが最後まで耐えきれず、結果、作品と共倒れになってしまいました。
(109シネマズMM横浜9にて)

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『秘密のかけら』

20060105002534☆☆☆ 成熟した作り手が生み出す迷宮的世界。
 エゴヤンの作品は観客を誘う迷宮です。この作品もそんな映画です。しかし彼の作品から私はしばらく遠ざかっていました。遠ざかった理由として、作品の語り口に成熟が感じられず、構成が二番煎じに感じてしまったからです。そんな彼が初めて、いわゆるスター俳優を使った作品と言うことで期待していたのですが、いろいろな意味で驚きにあふれた作品でした。
 まず格段に物語を上手に紡ぎ出せるようになりました。モチーフは毎度おなじみ「過去にとらわれた人々」の話なのですが、『スウィート・ヒアアフター』の頃とは段違い。もともと人間の心の奥の闇を浮かび上がらせることはうまい人。不思議の国のアリスになぞらえた世界観、そして一般映画では珍しい赤裸々な性描写も唐突な印象がなく、ストーリーテラーとしての腕があがれば、作品の完成度はぐっと上がります。それからスター俳優の起用に関しては、この作品は吉と出ています。ケビン・ベーコンとコリン・ファースというキャスティング自体が観客をミスディレクションしていると言えます。この2人の演技は本当に見事で表に出てくるところと出てこないところを、一つの人物像として表現しているところはさすがです。逆に足を引っ張っていると感じたのは、ジャーナリスト役のアリソン・ローマンで、自己を取材対象に投影するという部分が物語の肝なだけに、彼女が演じた人物がひどく薄っぺらく感じられたのが残念でした。さらに話をわかりやすく説明しようとしているのか、モノローグや説明調の台詞が多かったのは意外でした。これも彼の変化なのでしょうか。この点は『エキゾチカ』の映像迷宮のようなおもしろさと比較すると、つまらなく感じました。
 万人に勧められる作品ではありませんが、ベーコンとファースの演技を見逃すのはあまりにももったいないです。そしてエゴヤンという映画作家がこういう作品を着実なペースで作っていることに、映画ファンは喜びをかみしめる、そんな作品です。
(日比谷シャンテ・シネ1にて)

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2006年1月 3日 (火)

DVD: NOTHING IN COMMON

20051231_222357687邦題『恋のじゃま者』
ゲイリー・マーシャル監督、トム・ハンクス主演のコメディ。日本でも一応公開されているが、パンフレットすら作られなかったという、その程度の扱いだった。『パンチライン』と並んで、彼の才気を感じさせる毒のある彼がみられる。脇役陣もよくて、中でもヘクター・エリゾンドは、これで好きになりました。画質は中の下で、DVDにしてはなんかなあという感じ(本当にリマスターなの?)。ビスタとトリミングの両バージョンを収録。特典は予告のみ。
B-AVG.-4.33MB/sec.

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2006年1月 2日 (月)

『カランジル』

caraa ☆☆☆ あの暴動を事実として付け加えた意図は?
 『蜘蛛女のキス』で知られるヘクトール・バベンコの未公開作。とある医師の手記を中心に、実際にブラジルであった刑務所での暴動を映画化しています。
 映画の大部分はエイズ検査を行うために派遣された医師と囚人との関わりで、それこそ安部譲二の小説のような刑務所実録記がつづられます。ここはとてもおもしろいのです。しかし唐突に暴動が発生。ここからは軍警の残虐非道な行いが出てくるのですが、はたして作り手は囚人の立場なのか(囚人も人間なのだ)、それとも軍警の立場なのか(人間とはいえ囚人なんだから恐ろしいことをしたことは否定できない)、はたまた第三者の立場(所詮人ごとで私にはどうにもならぬ)なのか、がよくわからないまま、映画が進みます。事実映画の語り手はころころと代わり、あげくに肝心の医師は暴動の時には不在なのです。そしてあの暴動の描写は非常に唐突な印象をあたえます。暴動をあえて付け加えた訳は何だったのでしょうか。
 力作であるものの、困惑しているのが正直なところ。社会派な作品が多いバベンコが露悪趣味と言われてしまう理由が少し納得できるような、そんな作品でした。

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2006年1月 1日 (日)

『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』

☆1/2 活劇失格。
明けましておめでとうございます。昨年はいろいろとお世話になりました。今年はもう少し更新を地道にできるようにと思っていますので(なんか毎年同じ事をいっているような…)、よろしくお願いします。

 さてそんな新年1発目。つまらなかった(涙)。この作品、評価がまっぷたつなのが納得。やろうとしていることはおもしろいし、デザインをはじめとする物語の世界観には、かなりのこだわりがあるのはわかるのですが、いかんせん話がはずまない。活劇としては失格です。端的にいえば、まず画面をああいうレトロテックタッチにしたことが、何が起きているかをわかりにくくして逆効果だったこと。そして世界観のこだわりが敵味方はっきりせずに、単純なドンパチとして楽しませる余地がなかったこと。この2つが活劇としての魅力を失わせてしまったのです。そしてとどめがキャラクターに魅力がないこと。ジュード・ロウ、グィネス・パルトロウはミスキャスト。キャプテンはなぜにキャプテンなのか、あの言動では観客には納得させられません。パルトロウにいたっては知力もセクシーさも可愛らしさも感じられずに、ただ足を引っ張るだけ。最悪です。アンジェリーナ・ジョリーはクールでしたが、焼け石に水です。
 この感覚、何かに似てます。そう! 『スター・ウォーズ エピソード2』の感じです。魅力のあるキャラクターをきちんとみせてくれることが、活劇で最大のポイントだということを再認識させてくれますが、そんな反面教師を新春からみせられた方はたまったものではありません。

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