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2005年10月28日 (金)

『親切なクムジャさん』

20051030004059☆☆ 寓話性が痛みを消し、悲しみを希薄にした。
 何年かぶりで東京国際映画祭上映作品に参加しました。なんか相変わらずなセレクションと運営は何とかなりませんかねぇ。で、これはゲスト目当てでヤフオクでチケットを入手したのですが結局来日せず…。かえすがえすも残念無念。さらにさらに作品がよければまだよいのですが、なんと作品まで期待はずれという…。ああ…。
 通称「復讐三部作」の最終章にあたる本作。しかし途中から個人的な動機による復讐劇から、人間としての罪と罰に関わる寓話性を増したことで、話の焦点がぼやけてしまいました。この女性にとって一番の哀しみは、そして一番の痛みは何だったのか。ここがあいまいになったことでこの三部作の個性が消えてしまったように感じます。イ・ヨンエの挑戦はよいと思うのですが、パク・チャヌクが様式的な表現を試みたことで、なじまないものになってしまいました。せめて『復讐者に憐れみを』のようなリアリスティックなものや、『オールド・ボーイ』のような劇画チックなものであれば、まだ別の可能性があったと思います。
 結果的にこの作品はトリロジーの難しさだけを露呈してしまったようです。(三部作の最終章で作品的に成功したのは、『ロード・オブ・ザ・リング』ぐらいなのではないでしょうか)
(オーチャードホールにて)

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DVD: THE THING

20051204_004015135邦題『遊星からの物体X』
失敗しました。てっきり特典も新しくなったのかと思いきや、まんま同じでした。変わったのはスクイーズになっただけ・・・。画像も段違いとまではいっていません。
B-AVG.-5.95MB/sec.

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2005年10月27日 (木)

DVD: LIVE BY THE SEA / Oasis

20050906_233111308以前LDで所有していたものを買い換え。彼らにとって初めてのライブ映像なのだが、若くてエネルギッシュ、その向こうみずなスタイルは、いろいろな意味で貴重。リニアPCMで収録なのもうれしい。なおリージョンコードは、1, 3, 4, 5, 6に対応(なぜ2がない・・・)。
B-AVG.-6.18MB/sec.

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2005年10月24日 (月)

DVD『L.A.大捜査線 狼たちの街』

20050719_70118406安値につられて購入してしまったウィリアム・フリードキン監督のポリス・アクション。この手の作品が名画座プライスでぴかぴかのニュープリント状態でみられるとは何ていい時代なんでしょう。作品的にはなんかなあですが(笑)。でも撮影がロビー・ミューラーだったのにはびっくり。画質音質は水準レベル。B-AVG.-5.71MB/sec.

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2005年10月 3日 (月)

DVD『ワイルド・ブリット』

20051002_132430436ブックオフで安かったので衝動買い。ジョン・ウー版『ディア・ハンター』というべき内容で、トニー・レオンやサイモン・ヤムも出ている。ただあまりにさまざまな要素が盛り込まれているために見終わるとドッと疲れる1本。画質は元の画調のためか、色表現が妙な感じ。ディスクリートにも関わらず音域がかなり狭い印象。特典映像は寂しい。
B-AVG.-6.3MB/sec.

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2005年10月 2日 (日)

『感染』

20051006230045☆☆1/2 迷走した物語は結局自滅。
 Rec-Potが満タンだったので仕方なく鑑賞。(うーん最近前向きな鑑賞態度じゃないケースが多いなあ) なんか途中まで頑張っていたのに自滅&討ち死にした感じです。
 前半はかなりいい感じできます。そもそも病院自体が人の生死を左右する怖いところですから、舞台として充分怖い。医療ミスが起きるところまではかなり怖かった。ところが感染症の患者がやってきてから話が迷走をはじめます。『遊星からの物体X』になるわけでもなく、結局日本チックな恨みの世界をスパイスにした箱庭的な『世にも奇妙な物語』レベルのオチ(事実この作品はその中の1エピソードを拡大しているのですが)へと自爆。この監督の『催眠』は評価をしているのですが、なんかダリオ・アルジェンとのようにやりたいイメージだけが先行するタイプなのかもしれません。役者陣はそこそこ頑張っています。中でも星野真里は菅野美穂に続き、ホラーで行ける女優さんとして大発見です。佐野史郎はいいのですがあまりにタイプキャストな気がします。
 ジャパニーズホラーの隆盛が続いていますが、玉石混淆であることも事実です。その中で高い志をもつ人が意識をして作っていかないと、観客の方が飽きてしまうのは自明の理。落合正幸監督は次作に期待したい人なのですが、脚本はやめた方がいいかもしれません。

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『マシニスト』

☆1/2 思わせぶりではない。これは露骨で下手くそなダンサーだ。
 やられました。久しぶりに予告編に騙された!という感じ。ということは中味は? はい、バッテンです。<以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>とにかくはやばやと二重人格的なネタは割れたと思います。だってほとんど超常現象に近い出来事ばかりですから、論理的に考えてもミステリー的な解答ではない。その上、これでもかとヒントに近いことをみせつけられるのですから。ドストエフスキーに、あの遊園地のファンハウス。もうばればれでしょう。後半はすっかり退屈してしまい『エンゼルハート』は偉大だったなあ、とぼやきたくなりました。マイケル・アイアンサイドがいい奴だったのはちょっと嬉しかったかも。なんだかんだと言われるM・ナイト・シャマランが非凡な点はそこにあります。つまり観客への提示の仕方が抜群にうまいこと。この作品は思わせぶりとかのレベルではなく、下手くそなダンサーが露骨に腰をふっているようなものです。あの色彩のない映像設計もちっともいきてこない。またクリスチャン・ベールには悪いですが、そんなに痩せても・・・という感じでムダ脱ぎならぬムダ痩せ。彼の演技も作品感にあっていません。それから鑑賞するまでジェニファー・ジェイソン・リーが出演していることを知りませんでした。それにしても最近ちょっとタイプキャストが多くて残念。
 不眠症の映画ですが眠気を誘います。この現実は皮肉にすらなっていません。

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2005年10月 1日 (土)

『ステルス』

20051001232654☆1/2 結局プロットは何も進化していない。
 実は全然みる気はなかったのです。時間にあったのがこれしかなかったので・・・。で、これがつまらなかった(笑)。技術的にはがんばってます。中でもビジュアルエフェクツは抜群。以上。それ以外はなーんもなし。何もかも中途半端。
 迫力はあります。でも爽快感や緊張感はありません。そもそもプロットがとても古くさい。軍隊内での友情、秘密の作戦、敵陣からの脱出、テクノロジーの反乱。使い古されたそれらのいいとこどりをしようとして、まずい料理になったところに、新しい技術で見た目だけ整えました・・・といったところでしょうか。ロブ・コーエンは『トリプルX』でも感じましたが、なんだか大味な監督になってしまいましたね。『ドラゴンハート』のような作品はもう作れないのでしょうか。
 劇場でみる価値がゼロだとはいいませんが、期待に応えるものは皆無かもしれません。それと配給&宣伝担当の方、イメージソングでの宣伝は、いい加減にやめてください。誰も得しませんから。この作戦が何度悲劇として(いや笑い事として)繰り返されても学ばれないことが不思議です。
(先行レイト チネチッタ・チネ11にて)

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