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2005年8月17日 (水)

『ゴジラ FINAL WARS』

89aa5967☆ 台詞言うたびにかっこつけるな!

 
北村監督もこう言いたいでしょう。この予算、このスタッフ、このスケジュール、自分の思いの何%しか実現できないと。では私自身も昔のゴジラがよかったとか、懐古主義的にこの映画を測るのはやめましょう。でもこの作品ひとことで言ってしまうとずばり、つまらない。
 結局北村監督は「けれん」がわかっていない人なのでしょうか。そもそも歌舞伎のいわゆる見せ物的な演出をさすこの言葉、ゴジラ映画における「けれん」とは、やはり怪獣レスリングであり、防衛軍との戦いであると思うのです。そこに人間ドラマがほどよく織り込まれると最高なのだと思います。この作品は見せ場の要素は盛りだくさんですが、ミュータント同士の戦い、怪獣VS人間、怪獣VS怪獣、X星人VS人間、どれをとっても中途半端でしかなく、緩急の急しかないところがけれんをいかせない原因です。演技陣は意思の疎通がバラバラとしか感じられず、オマージュ的な出演者も空回り気味。いちいち台詞がかっこつけて言われるのには、こっちが赤面もの。また菊川怜はしばらく演技はしない方がいいです。ドン・フライがほとんど地でやっているかの快演(演技と呼べるかは別問題)と、さすがの北村一輝の怪演が印象に残る程度です。
 他の人も語ってきたことだと思いますが、東宝はゴジラという財産を食いつぶしてきたわけで、もし何年か後に復活するのであれば、本当に誰か本腰を入れて出来る「映画」が作れる人を呼びましょう。(金子修介? 『ガメラ』は確かにみられるレベル。でも彼の力じゃなかったことは、次の『ゴジラ』作品で馬脚を現しました。必要なのはSFXを理解しているプロデューサーと、活劇が描ける脚本家。です)

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