『スイミング・プール』
☆☆☆ 眩しすぎる肢体と、むせかえるほど強烈な女の性にくらくら。
たまたまHVでオンエアされていたのでみました。これは個性的な作品です。
雰囲気としてはそれこそ『家政婦はみた!』的なこぢんまりとした世界ですが、そこはフランソワ・オゾン。まるでむせかえるほど匂いのきつい香水のごとく、不可思議な女のフェロモンで充満した世界を構築しました。語り口も抑制が効いており、魅力充分です。ただ惜しむらくはこの作品においてそれがカタルシスにならないところ。再見する価値のある作品なのですが、みる度に発見がある作品ではなく、そこは残念です。
シャーロット・ランプリングはさすがの貫禄。見事な演技で主人公である作家のキャラクターを奥行きのある人物にしています。ひとつひとつの所作、ちょっとした表情に、作家の心の奥にある深く暗い沼のような感情をにじませています。またこの年齢でヌードになってしまうのも驚きました。
大傑作とはいえない作品ですが、見終わったあとに友だちと感想交流を楽しめる作品で、フランソワ・オゾンの豊かな才能を感じられる作品です。
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