「アニメーション監督 原恵一」
劇場版『クレヨンしんちゃん』の監督として知られる原恵一についての考察本です。東京大学大学院教授でメディア関連のライターでもある浜野保樹氏がまとめたもので、本人へのロングインタビューやスタッフ、関係者のコラムなどがあり、いかにして傑作『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』がうまれたかの背景を探っています。
感激したのは絵コンテが抜粋掲載されていたことで、これだけでも資料的価値あり。特に『戦国大合戦』のコンテはそれだけでも充分楽しめる一級品。残念なのは浜野氏が原恵一という存在に心酔しきっているので、第三者的な視点が足りないこと。特にアニメーションの特性という点から論じられなかったのは残念。なお原恵一監督の資質の追求という意味では、本来映画関係のライターが行うべきことを、やや門外漢の浜野氏が行っているという状況には、映画マスコミの方々、ぜひ危機感を持ってください。
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