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2005年8月29日 (月)

『セルラー』

☆☆☆ ワンアイディアを巧みにふくらませた脚本の勝利。
 全米公開時の紹介で気になっていたサスペンススリラー。約90分を一気にみせる佳作です。この作品、いわば『フォーン・ブース』の姉妹編。あっちが公衆電話から身動きとれなくなった男、こっちは携帯電話で偶然「助けて」とうけたことから救出のために右往左往する男。でも出来映えは断然こちら。
 まず展開にムダがない。(無理はややある) のっけから一気呵成、LA近辺での出来事を巧みに伏線をはりながらタイトに物語が展開されます。脚本はラリー・コーエン。この人、近作『フォーン・ブース』のようにワンアイディアを膨らませることができる人ですね。監督もするとなぜか『空の大怪獣Q』『スタッフ』のように「うっそー」な珍作になりますが(笑)。キャスティングも地味ですが適材適所です。キム・ベイシンガーは正直やりすぎで目立ちすぎるぐらい。主役のクリス・エバンスはこの秋日本でも公開される『ファンタスティック・フォー』にも登場する(そう、ヒューマン・トーチ役です! 燃えてるぜぃ)注目株。本作では正直無難にこなしたという印象です。ジェイソン・ステイサムの存在感はいつもながらさすがですね。やはり敵役は強くて憎たらしくて魅力的でないといけません。渋い系でも金太郎飴にならず微妙な演じわけが出来るのがいいです。またウィリアム・メイシーのガンアクション! 渋い! 渋すぎる! 『フォーリング・ダウン』のロバート・デュバルを彷彿とさせる役柄です。この2人でぐっと締まりました。
 残念ながら日本では大ヒットというわけにいきませんでしたが、これを見逃すのはもったいないです。だまされたと思ってみて、万が一お気に召さなくてもわずか90分。でも見終わったら「ああ、おもしろかった!」になること請け合いです。

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2005年8月28日 (日)

フジロックフェス、オンエア

 昨日、待ちに待ったFUJIROCKがWOWOWでオンエア。ロックフェスが大流行の昨今ですが、残念ながらすでに所帯持ちの人間にはかなりハードルが高いのです。ましてやFUJIROCK、日帰りがかなり厳しい環境で行われていますから、年に1度のひとり旅ですら頭下げまくりで許してもらっている私にはまず無理。いつもは指をくわえて見送る。そんな私ですら今年は頭を悩ませました。そうそう、あの超豪華ラインナップ。コールドプレイとニュー・オーダーでもかなりきたのに、とどめはシガー・ロス! 第2子が今夏でなければ! まあこんなことを思うのは不謹慎ですが、でもそのぐらい今年は迷いました。
 今日放送分、まずはメインステージのヘッドライナー中心のセレクト。いきなりコールドプレイとは!(でも日程順でいくとそうか) で、さっとみた感じですが、一番良かったのはフー・ファイターズかな。これはアツかったです。それからファットボーイ・スリムとベックもお見事でやんした。意外な大穴は、さすがの忌野清志郎さん。さすがにわかってらっしゃるはじけっぷり。で、ニュー・オーダーは・・・。うんオヤジだった! ライブDVDを持っていますが、やはりそのときと同じようにオヤジだったわけで。まあ今更変わりようがないですがね。
 9月にまたオンエアされます。そっちの方が知らないアーティストがたくさんいるので、別の意味で楽しみです。

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2005年8月27日 (土)

「アニメーション監督 原恵一」

20050827_183355780 劇場版『クレヨンしんちゃん』の監督として知られる原恵一についての考察本です。東京大学大学院教授でメディア関連のライターでもある浜野保樹氏がまとめたもので、本人へのロングインタビューやスタッフ、関係者のコラムなどがあり、いかにして傑作『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』がうまれたかの背景を探っています。
 感激したのは絵コンテが抜粋掲載されていたことで、これだけでも資料的価値あり。特に『戦国大合戦』のコンテはそれだけでも充分楽しめる一級品。残念なのは浜野氏が原恵一という存在に心酔しきっているので、第三者的な視点が足りないこと。特にアニメーションの特性という点から論じられなかったのは残念。なお原恵一監督の資質の追求という意味では、本来映画関係のライターが行うべきことを、やや門外漢の浜野氏が行っているという状況には、映画マスコミの方々、ぜひ危機感を持ってください。

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2005年8月26日 (金)

『サスペクト・ゼロ』

☆☆1/2 ディテールが雑なので説得力がない

 予告編をみる限りではすごく面白そうで期待していた作品。微妙に裏切られました(笑) <以下ネタバレ(ドラッグ&反転でお読みください)>超能力による犯罪捜査というのは、今までも描かれていたのですが、今回はその部分がとても雑でした。ベン・キングズレー扮する能力を持った男が味方なのか敵なのか、という観客の興味も、いつの間にかそうなの?という感じなのです。思わせぶりが多い割に話があまりにご都合主義であるところ、また最近流行のミスディレクション的なアプローチをしている点など、素材として面白いところがいかされる演出になっておらず、とてももったいないと思いました。たとえば特殊な能力を持つことの悲劇性などにもっとウェイトがかけられると『デッドゾーン』『スキャナーズ』などのレベルにまで行けた素材です。
 とにかくベン・キングズレー! 彼の怪演でもっているような映画です。もう『サンダーバード』のトンチンカンなキャラは許します! 本当にすごい。さすがです。しかしアーロン・エッカートは相変わらず野暮ったくて繊細さに欠け、キャリー・アン・モスにいたってはどうでもいい役です。この2人の過去の色恋沙汰なんて要素は物語の展開には添え物どころか、パセリにすらなっていません。ベン・キングズレーのキャラ、絶対スピンオフでやると面白いと思うのですが。
 サイコスリラーというジャンルも完全に曲がり角ですね。そうそうのことでは観客は驚きません。しかしだからこそ細部の描写を丁寧に描けることが大切なことだと痛感させられます。楽しもうと思ってみている作品から、そんな教訓めいたことを教わっても、ちっとも嬉しくはありませんが。

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2005年8月25日 (木)

『復讐者に憐れみを』

20050825_103652294 ☆☆☆ 痛い描写の隙間にある虚無感。

 あまりに暗い展開で韓国では興行的に大失敗したという話や、とにかく残酷描写がすごいとか、そんな情報が先行した中で、ようやくみたのですが、見終わった後、どっと疲れが出てくる作品でした。
 シチュエーションの原型に黒澤明の『天国と地獄』を感じたのは私だけでしょうか。最後の2人の対面は息が詰まりそうでした。復讐には際限がなく、復讐を果たすものは復讐される側になるという展開は『オールド・ボーイ』と同じです。避けられない『オールド・ボーイ』との比較でいうと、完成度は明らかにあちらが上ですが、なるほど本作を経て洗練されたのだと納得できます。この作品は荒削りなところがあります。復讐者とはどちらのことなのかを観客に突きつけてくる展開は真っ暗で、エンディングまでまったく救いがありません。ここまで徹底して不幸だと、逆にそこはかとなくユーモアが漂うことも多いのですが、本作には皆無。しかし緊張感が張りつめているという感じではなく、静寂の中で炸裂する暴力という感じで『3-4x10月』の頃の北野武作品を彷彿とさせます。逆に言うとユーモアを漂わせる余裕や、詩的な描写にまで高める技量が描き手になかったと言えるかもしれません。痛さを感じさせる残酷描写はさすがで、それでも埋められない心の空白、虚無感を感じさせたのはこの監督ならではです。ソン・ガンホはいつもながら的確な演技です。しかし注目はやはりシン・ハギュンとペ・ドゥナの若手2人ですね。彼らの存在がこの映画にイノセンスという要素をもたらしており、これがなかったらこの映画の作品価値は半減していたでしょう。
 この秋には復讐三部作の最終編『親切なクムジャさん』も公開されます。パク・チャヌクが三部作を通して描く世界は何か、とても興味があります。万人に勧められるタイプの作品ではありません(特に痛いのがダメな人は×)が、力作のわりに知る人が少ないのはもったいないと感じさせる作品です。

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2005年8月24日 (水)

『少林寺木人拳』

☆☆ 正統派のカンフー映画に不思議な木人を少々。

 ジャッキー・チェン、若き日の主演作。親が殺されて復讐を誓って、修行をして、意外な敵が現れて・・・どこをきってもいわゆるカンフー映画で懐かしく感じました。題名の木人との修行は、何がそんなに大変なのかよくわからなかった、その程度の難易度にしかみえず(ずっと前にスチルをみた記憶ではもっとすごそうだったのですが)、ただ笑うのみでした。こういうプログラムピクチャーでは仕方がないですが。ただNHK-BSオンエアのものとはいえ、シネスコのトリミングにボロボロのプリントで、それだけでもみる気半減。そういう点で損をしたかも。

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2005年8月23日 (火)

微妙なテーマ?レストラン

 ずいぶん前の話なのだが、東京ドームシティに家族と出かけた時、昼間入ったレストラン。ババ・ガンプ・シュリンプというのだが、この名前にピンと来た人、いるでしょう。そうあの『フォレスト・ガンプ』をテーマにしたシーフードレストランなのです。東京と大阪にあって、もともとはアメリカからスタートしたそうです。 おもしろそうなので入ってみましたが、まあなんというかオーダーの時にも映画の中に出てくる "stop, Forrest. stop!"と書かれたプレートで店員さんを止めるという手の込んだ仕込みがあり、微妙なテンションのお店でした(笑)。味はまあまあですが、値段はかなりします。ファミレスの感覚ではありません。まあひとついえるのは、こんな映画までレストランのネタにしてしまうしたたかさと、こういう映画はいくらなんでもテーマパーク的なアプローチのレストランには向かないということ。グッズ自体も購入欲はあまり刺激されなかったですし。そのうち他の映画でもっといろいろ出てくるのかと考えこんじゃいました。とりあえず立ち食いそば屋は、みんな『ブレードランナー』風にします?(汗)

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2005年8月22日 (月)

『アメリカン・サイコ』

20050823152511 ☆☆ ヤッピー文化をおちょくるには毒が薄い。

 近年8 0年代を振り返る中で、あの時代がとても軽薄だったと論じることが多いように思います。原作は未読ですが、エリスという作家も『レス・ザン・ゼロ』から出発した人ですから、物質的には恵まれているはずなのに、心の豊かさを感じられないヤッピー世代を、シニカルに描いた物語なのだなとは映画をみても感じられました。しかしどうもそれがピンとこないのです。おそらく毒が薄いからではないでしょうか。
 同じようなテーマを扱ったデビッド・フィンチャーの『ファイト・クラブ』のような突き抜け方と比較すると、やはりこの映画はどこかおとなしくピントもずれています。でもこの作品をみてすごく印象が似ているのと感じたのは、『ファイト・クラブ』ではなく、デパルマの『虚栄のかがり火』でした。トム・ウルフの大ベストセラーであるヤッピーを描いたブラックコメディも、映画になった時に毒が薄くなってしまい、結果的に中途半端な作品になってしまいました。その半端さが似ていると感じたのです。少なくともこの『アメリカン・サイコ』には共感できる登場人物は誰もいません。でも描き手はあの主人公へのシンパシーを観客に求めるような描き方をしています。それは間違いです。本来この作品はもっとコメディとして撮ってよかった素材です。それがどこかでボタンを掛け違えたように、描写が上滑りをしています。あのラストの現実を認識できないもどかしさ。それが効いてこないのは、そこまでの行動に白昼夢のような非現実さを与えられなかった演出家の力量不足です。
 クリスチャン・ベールはそういう意味では最大のミスキャスト。努力は認めますが、ちょっと違う感じがします。それこそ今でいうと「フレンズ」に出ているマット・ルブランクとかのようなコメディ俳優がやっていたらと思います。
 虚無感を描写から浮かび上がらせる難しさ。『ルールズ・オブ・アトラクション』同様、エリスの映画化は本当に難しいようです。この作品もその殻をやぶることには失敗しました。

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『シークレット・ウインドウ』

b2adc175☆1/2 この手のオチはもうやめにしようぜ。

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2005年8月21日 (日)

『ソウ』

☆☆☆ やりすぎ、半歩手前。まあ、今回だけは許しましょう。

 
予告編や宣伝を通して、ときどき「おっ!」と思ってみたくなる映画があります。そういうのはスリラーやホラーが多く、どちらかというとはずされることが多い(涙)。そのほとんどが稚拙な描写と強引な展開という弱点を持っていますね。ところが貴重なあたりをひいた時も稚拙な描写と強引な展開という弱点はそのままに、「おっ、そうきたか!」という感じで「一本とられました」と納得させられる「妙に説得力のある勢い」を加えた作品であることが多いです。これがそうでした。

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2005年8月20日 (土)

『スーパーサイズ・ミー』

07e152aa☆☆☆ がんばりました!

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2005年8月19日 (金)

『サンダーバード』

fac8cf65☆1/2 思い入れはないが面白くない。活劇に子どもが出るとロクな事がない。

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2005年8月18日 (木)

『スイミング・プール』

20050823152507☆☆☆ 眩しすぎる肢体と、むせかえるほど強烈な女の性にくらくら。

 たまたまHVでオンエアされていたのでみました。これは個性的な作品です。
 雰囲気としてはそれこそ『家政婦はみた!』的なこぢんまりとした世界ですが、そこはフランソワ・オゾン。まるでむせかえるほど匂いのきつい香水のごとく、不可思議な女のフェロモンで充満した世界を構築しました。語り口も抑制が効いており、魅力充分です。ただ惜しむらくはこの作品においてそれがカタルシスにならないところ。再見する価値のある作品なのですが、みる度に発見がある作品ではなく、そこは残念です。
 シャーロット・ランプリングはさすがの貫禄。見事な演技で主人公である作家のキャラクターを奥行きのある人物にしています。ひとつひとつの所作、ちょっとした表情に、作家の心の奥にある深く暗い沼のような感情をにじませています。またこの年齢でヌードになってしまうのも驚きました。
 大傑作とはいえない作品ですが、見終わったあとに友だちと感想交流を楽しめる作品で、フランソワ・オゾンの豊かな才能を感じられる作品です。

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2005年8月17日 (水)

『ゴジラ FINAL WARS』

89aa5967☆ 台詞言うたびにかっこつけるな!

 
北村監督もこう言いたいでしょう。この予算、このスタッフ、このスケジュール、自分の思いの何%しか実現できないと。では私自身も昔のゴジラがよかったとか、懐古主義的にこの映画を測るのはやめましょう。でもこの作品ひとことで言ってしまうとずばり、つまらない。
 結局北村監督は「けれん」がわかっていない人なのでしょうか。そもそも歌舞伎のいわゆる見せ物的な演出をさすこの言葉、ゴジラ映画における「けれん」とは、やはり怪獣レスリングであり、防衛軍との戦いであると思うのです。そこに人間ドラマがほどよく織り込まれると最高なのだと思います。この作品は見せ場の要素は盛りだくさんですが、ミュータント同士の戦い、怪獣VS人間、怪獣VS怪獣、X星人VS人間、どれをとっても中途半端でしかなく、緩急の急しかないところがけれんをいかせない原因です。演技陣は意思の疎通がバラバラとしか感じられず、オマージュ的な出演者も空回り気味。いちいち台詞がかっこつけて言われるのには、こっちが赤面もの。また菊川怜はしばらく演技はしない方がいいです。ドン・フライがほとんど地でやっているかの快演(演技と呼べるかは別問題)と、さすがの北村一輝の怪演が印象に残る程度です。
 他の人も語ってきたことだと思いますが、東宝はゴジラという財産を食いつぶしてきたわけで、もし何年か後に復活するのであれば、本当に誰か本腰を入れて出来る「映画」が作れる人を呼びましょう。(金子修介? 『ガメラ』は確かにみられるレベル。でも彼の力じゃなかったことは、次の『ゴジラ』作品で馬脚を現しました。必要なのはSFXを理解しているプロデューサーと、活劇が描ける脚本家。です)

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2005年8月12日 (金)

DVD: ACROSS AMERICA / Art Garfunkel

20050717_142607304NHKでもオンエアされたアート・ガーファンクルのライブドキュメンタリー。この間、米アマゾンで間違ってCDの方を発注してしまい(これはこれでよかったが)、こっちを再発注。選曲がとてもよくS&G時代の曲もたっぷりで歌手としての魅力を再発見できる。しかしDVDとしてはほめられた出来ではなく、スタンダード収録は仕方ないとしても、65分の作品にもかかわらず音声はDD5.1chのみで、しかもそれがエコーがかかったようなひどい音。そういう収録だったとしても、ちょっと考えてほしかった。なおリージョンコードは、1, 2, 3, 4, 5, 6に対応。
B-AVG.-6.19MB/sec.

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2005年8月11日 (木)

DVD: I HAVE A DREAM

20050822_085144929そう、私の卒論でもテーマにさせていただいたキング牧師の有名なスピーチの映像を収めたDVDでございます。今まで音声で聞いたことはあったのですが、映像ははじめてです。何となくアマゾンでのぞいていたらあったので購入。さすが宣教師の迫力。存命だったらと、ふと思う時があります。字幕もCCも未収録。テキストブック片手にじっくりみましょう(笑)。
B-AVG.-6.3MB/sec.

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2005年8月10日 (水)

DVD: COLORS

20050719_70449094 『カラーズ』
デニス・ホッパー監督のポリスムービー。公開当時にこれに刺激されて暴動騒ぎが起こったことでも有名。今からみるとそれほど過激でもないし、映画としても普通。役者陣の演技は素晴らしく、脇役陣に無名時代のドン・チードルがいたいるするのが楽しい。しかし実はこれ、ディレクターズカット版は127分。で、この間WOWOWでオンエアされていたのが120分の劇場公開版だったので、米アマゾンでスペックを確かめて購入したら、あらら、こちらも120分版! なぜだ!(よくあることではあるが) ざんねん! 画質はよくいえばフィルムライク。悪くいうとポジおこしか?と突っ込みたくなる感じ。音質は水準レベル。英字幕はCCのみ。
B-AVG.-6.25MB/sec.

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2005年8月 7日 (日)

『片腕カンフー対空とぶギロチン』

☆☆ 良くも悪くも往年の香港映画。

 
その昔、レンタルビデオ店でバイトをしていた頃、これと『子猫物語』を一緒に借りた女性客がいました。その時に強烈に題名がインプットされてから、早十数年。とうとうみちゃいました。だって上映時間が短かったんですもん(汗)
 作品としてはその程度です。つまらなくはないけれど、良くも悪くも往年の香港映画の典型。パワーはあるけれどむちゃくちゃ。それがなぜ悪いと言う人も多いと思いますが、でも面白さを感じられないのですから仕方がありません。みんなでワイワイ言いながらみると楽しいかも。致命傷はカンフーシーンに迫力がないこと。これが何とかなっていれば好きだったかもしれません。
 あ、もう1本、ジミー・ウォングが眠っているぞ。どうしようかなあ・・・。

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『ビッグ・ウェンズデー』

☆☆ サーティースの撮影の見事さ。ドラマ部分はお粗末。

 
映画の評価はみた時の心理と時期とリアルタイムで体験できるかが大きく影響します。ようやくみることが出来た作品。でもこういう時ははずされることが少なからずあるのですが、これはハズレでした。でもそれは前述の部分も少なからずあると観賞後に強く感じました。
 昔の作品はなるべくコンディションのよい状態でみたいと思っています。そういう意味で昨今のDVDやBS・CSの恩恵は大きく、ニュープリントのような状態で楽しめるのは素晴らしいですね。本作もブルース・サーティースの撮影は見事で、ダイナミックなサーフィンシーンもさることながら、カリフォルニアの青春物語を5つの章で組み立てたミリアスの意図を遙かに凌駕する映像を作り出しています。反面ドラマはお粗末で、少なくともルーカスの『アメリカン・グラフィティ』のような繊細さや、巧みな構成力はありません。主演3人の演技力だけの問題ではないと思います。サーフィンにまったく興味のない私は、サーフィンの映像は素晴らしいと思いましたが、サーファーの心理は『ハートブルー』の方に共感するものの方が大きかったです。また女性キャラの描き方は、いかにもミリアス的なレベルです。ここも『アメリカン・グラフィティ』と違う部分です。
 サーフィンをやっている人はきっと好きなのでしょうか。でもそうでない人にも楽しませるだけの力は正直足りないと思いました。そして製作から30年たった今、この映画がこれからどういう評価になっていくのか。興味があります。

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2005年8月 6日 (土)

『くたばれ!ハリウッド』

98e114de☆☆1/2 こういう男の口車は楽しくもあるが、酒の肴にしかならぬ限界もある。

 
1970年代に活躍したパラマウントのプロデューサー、ロバート・エバンスについてのドキュメンタリー。柳下さんの批評で俄然みる気になった(でも映画館では見逃していた)。
 なるほど、エバンスの原作をもとに、ひたすらエバンスのモノローグが続きます。ハリウッドの虚々実々が暴露といえば聞こえがよいですが、リアリティを余り感じないのはなぜか? それはオープニングのテロップに表出しています。つまりここには事実をエバンスにとって都合のいい解釈でとらえられた世界があり、現実というよりは妄想癖のある酔っぱらいのホラ話的な物語であるということです。写真の使い方が如実に示していて、この作品はエバンスのモノローグに当時のフィルムやスチルで構成されている。しかしスチルはどうにでも使えるわけで、演出する側もそうやってエバンスの話に懐疑的な視線をさりげなく向けていることが感じられるところが面白いですね。(ジョン・ベイリーの撮影監督としての力量はやはりすごい!) しかしそこが限界でもあって、「ふーん、あっそう」で終わってしまう世界でもあります。少なくとも本人が話さない限りは真実は藪の中、どこまでいっても本音が出ない可能性もあるわけです。やはり複数の人の証言であぶり出した方が面白い人物ではあると思うのですが。
 映画ファンは、こういうプロデューサーという人種を知っておくにこしたことはないので、一見の価値はあると思います。でも楽しい気分になるというより、映画ファンはつくづく映画会社に踊らされているんだなあという、自虐的な気分になりますので、気分が滅入っている時はやめた方がいい作品です。

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『バットマン ビギンズ』

46a215af☆☆☆ 真正面からの活劇作りはマル。

(メルシャン品川アイマックスシアターにて)

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2005年8月 2日 (火)

『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』

(TOHOシネマズ二条1にて)

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『ロボッツ』

3c656ca6☆☆ デザイン感覚の豊かさとは裏腹にモラルの押しつけを感じる物語の窮屈さ。

(TOHOシネマズ二条10にて)

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