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2005年7月30日 (土)

『マイ・ファースト・ミスター』

☆☆1/2 作者がそこから逃げてどうするの?

 
これもBSでオンエアされていたものを途中までみていて、続きをようやくみた次第です。しかもどうやらおもしろかったのはそこまでだった(涙)
 前半はすごく魅力的です。リリ・ソビエスキー演じるゴス少女と、アルバート・ブルックス演じる堅物中年男がひょんなことから出会い、心の交流が始まります。しかしそれが恋愛なのか、それとも友情なのか、家族愛的なものなのか、そこに話の焦点が行き始めた時に、急に話が散漫になってしまいました。私は2人の物語にどのような未来があるのかを知りたかったし、描く価値があったはずです。しかし作者側が逃げてしまった感じです。中年男とゴス少女の心の交流だけでも話は充分おもしろかったはずなのに、難病もの、家族の絆、疎遠な家族との再会する話まで必要だったのでしょうか。こういう逃げをするぐらいなら、この題材は選ぶべきではありません。驚いたのは音楽がTOTOのスティーブ・ポーカロだったこと。こんな仕事までしているのにはちょっとびっくり。でも全然スコアは印象に残りませんでした。
 リリ・ソビエスキーはこういう役柄も合っているのには少なからず驚きました。また特筆すべきはアルバート・ブルックスで、本当に芸達者ですね。正直『ブロードキャスト・ニュース』の頃はあまり評価していなかったのですが、『ファインディング・ニモ』のボイスアクトといい本作といい、すっかり脂ぎったところが抜けて、いい味わいになりました。未公開でも仕方がないかなという感じではありますが、ニモのお父さんの顔がみたい人はぜひどうぞ。

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