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2005年7月31日 (日)

『ドラッグストア・カウボーイ』

cf2629af☆☆ そこでやめられるなら、なぜ最初からドラッグに手を出すのかが納得いかない。

 
CATVで途中までみていたのを最後まで鑑賞。惜しい。すごく惜しい。『俺たちに明日はない』になれた題材だったのに。予告編が素晴らしい出来(いまだに強烈に残っている。DVDの映像特典で鑑賞できます)だっただけに余計にそう思います。
 たとえば同じくジャンキーを扱ったテリー・ギリアムの『ラスベガスをやっつけろ!』は映像によるトリップ体験を突き詰めた作品。またアロノフスキーの『レクイエム・フォー・ドリーム』はジャンキーの日常を突き詰めた作品。しかし共に不満だったことが人間の描かれ方がステレオタイプで、ドラマとしてのおもしろさに欠けていたこと。そして結局倫理的な立場からの描き方になってしまったこと。そういう意味でこの作品はジャンキーをスタイリッシュに描いてくれるのかなあと期待していました。(こういう感覚がすでに背徳的ですね) オープニングは鮮やかだったのに、ヘザー・グラハム演じる女の子のアクシデントあたりから話の疾走感が失われてしまいました。結局ドラッグを利用することに魔を感じさせられなかったこと、そしてマット・ディロンがなぜ改心するかに説得力を持たせられなかったことが敗因でしょう。
 ガス・ヴァン・サントと私はあまり相性がよくないですね。『エレファント』以外は見事にダメです。『マイ・プライベート・アイダホ』や『グッド・ウィル・ハンティング』でもわかるように、彼が描こうとする対象との距離のとり方に芸がなさすぎです。ディロンとケリー・リンチには彼らのキャラクター以上の演技を必要とされない不運があります。本作も目新しさはありません。ジェームズ・レマーはその顔つきだけで相変わらず迫力充分。ウィリアム・バロウズは・・・あえて出す必要はあったのでしょうか(まあ出てくるだけでも後光は差してますが)。

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2005年7月30日 (土)

『マイ・ファースト・ミスター』

☆☆1/2 作者がそこから逃げてどうするの?

 
これもBSでオンエアされていたものを途中までみていて、続きをようやくみた次第です。しかもどうやらおもしろかったのはそこまでだった(涙)
 前半はすごく魅力的です。リリ・ソビエスキー演じるゴス少女と、アルバート・ブルックス演じる堅物中年男がひょんなことから出会い、心の交流が始まります。しかしそれが恋愛なのか、それとも友情なのか、家族愛的なものなのか、そこに話の焦点が行き始めた時に、急に話が散漫になってしまいました。私は2人の物語にどのような未来があるのかを知りたかったし、描く価値があったはずです。しかし作者側が逃げてしまった感じです。中年男とゴス少女の心の交流だけでも話は充分おもしろかったはずなのに、難病もの、家族の絆、疎遠な家族との再会する話まで必要だったのでしょうか。こういう逃げをするぐらいなら、この題材は選ぶべきではありません。驚いたのは音楽がTOTOのスティーブ・ポーカロだったこと。こんな仕事までしているのにはちょっとびっくり。でも全然スコアは印象に残りませんでした。
 リリ・ソビエスキーはこういう役柄も合っているのには少なからず驚きました。また特筆すべきはアルバート・ブルックスで、本当に芸達者ですね。正直『ブロードキャスト・ニュース』の頃はあまり評価していなかったのですが、『ファインディング・ニモ』のボイスアクトといい本作といい、すっかり脂ぎったところが抜けて、いい味わいになりました。未公開でも仕方がないかなという感じではありますが、ニモのお父さんの顔がみたい人はぜひどうぞ。

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2005年7月26日 (火)

DVD『サスペリア2』

20050827_151905563今回紀伊國屋書店から再リリースされたダリオ・アルジェンとのスリラー。今回『サスペリア』と同時リリースで、あっちがメインな感じですが、すでに米国盤で私は同仕様のものを所有しているのでパス。内容もまったく無関係で実はこちらの方が制作年度は古かったりする。まあ以前がカルチュア・パブリッシャーズからだったので、雲泥の差。まず完全版126分と劇場公開版106分が収められたこと。吹き替えもいい感じ(昔そっちでみて震え上がったことを思い出しました)。映像特典は予告編のみ。画質は水準レベルですが、元のプリントはほめられた感じではなく、また劇場公開版の方はおまけ的な扱いで、かなり画質が悪い。音質はどこが5.1chなのよという程度のリミックスで、劇的な音質向上という感じではなし。でも紀伊国屋書店はすごいですね。今回『回転』もリリースしましたし。今後も要注目です。
B-AVG.-5.14MB/sec. 

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2005年7月25日 (月)

『ビフォア・サンセット』

☆☆☆ あの暗転で終わらせられる成熟した描写力。

 
先日みた『恋人までの距離』の続編。これはいいですね。私は前作より好きです。それはきっと自分の実年齢や立場が近いことにも関係しているとも思いますが。まず尺が短いのがいい。これ以上にダラダラと続けられたら、ちょっといやだったかもしれないこの物語をきちんと小品としてまとめた才覚は素晴らしいです。不必要に2時間を超える映画が多い中、描きたい世界にあった小さなキャンバスを選択できない監督が昨今は多すぎです。(前作は少しそう感じた。あれでも長い)
 今回は物語と同様に実際に時間がたっているのですが、こういう発想自体はそんなに珍しくはないです。我らが日本の寅さんなんて、そういう感覚に近いし、クロード・ルルーシュの『男と女』なんて、主演2人が同じで、もっと1と2の時間があいています。しかしこの作品は蛇足にならずにすみました。それは小品で収めた作り手の謙虚さと脚本の巧さ、そして演じ手の技量によってでしょう。どちらもあの1日を引きずっているにも関わらず、それを素直に認められないもどかしさを観客と共有させ、最後にあの暗転で終わらせる描写には成熟したものを感じます。イーサン・ホークとジュリー・デルピーはさすがの好演。特にジュリー・デルピーには感服。年相応の生活感と心のゆらぎをにじませつつも、なんとチャーミングであること! 歌声も素敵でした。(しかしフランスの女優さんは年を上手にとる人がたくさんいますね)
 はたして続きはあるのか? ちょっと怖い気もするけれどでもすごくみてみたいという気にさせられる、そんな世界観を持った佳作です。

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2005年7月22日 (金)

『恋人までの距離』

d032987f☆☆1/2 同年代で見ていたらきっと評価が違っていたはず。今ではちょっと気恥ずかしい世界。

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2005年7月21日 (木)

『21グラム』

535722a0☆☆☆ もつれた紐の面白さと、それを収束できなかった演出。

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2005年7月20日 (水)

『下妻物語』

fe4d4df2☆☆☆1/2 テンポ抜群、ラストまで一気!

 
驚きました。他人様がほめるだけのことはあります。やはり食わず嫌いならぬ、見ず嫌いはいけないと久しぶりに痛感した作品でした。 とにかく最後まで飽きません。テンポも抜群、語り口にもブレがないし、それでいて下品にならないセンスも
感じました。また画も安っぽくなっていません。この点は高く評価したい部分です。この作品を私はあえてファンタジーに分類したいと考えます。まずディテールが非常に細かい。それでいて捨てるべき情報を捨てる潔さがある。これは非日常を作る上でとても重要です。その選択が上手に出来ると『ロード・オブ・ザ・リング』になり、下手になると『ハリー・ポッター』になるわけです。そういう意味でこの作品は良質なファンタジーだと言えます。また深田恭子のキャスティングもはまりました。彼女の素材としての良さがいかされているといえます。同じ意味で監督の中島哲也氏の演出もはまったという言い方の方が適切かもしれません。なぜなら深田恭子の演技も、中島哲也の演出も、一歩間違うと目を覆わんばかりの失態すれすれのところを歩いているからです。次回作に期待できるかとなると素材次第というのが正直なところかもしれません。 とりあえずこのポスターと題名でひいてしまって未見の人、もったいないです。一見の価値は充分ある快作です。

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2005年7月19日 (火)

DVD『ボーン・スプレマシー』

20050719_005225436というわけで昨日みたものです。画質音質は水準レベルだが、画に関しては、どうも最近のユニバーサルのDVDは色調が暗い感じで、黒っぽい部分が潰れているような印象を受ける。特典類の中味は平凡。
B-AVG.-6.65MB/sec.

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2005年7月18日 (月)

『ボーン・スプレマシー』

867663dc☆☆☆ カット短すぎ。何が起きてるんだ?

 
前作はなかなかの出来映えだったことと、今回監督があの傑作『ブラディ・サンデー』のポール・グリーングラスにバトンタッチされたこともあって、期待していた1本ですが、出来としては可もなく不可もなくといったところだと思います。
 キャラクターの説明が必要だった前作と比較して、いきなりエンジン全開になるのもよく、また肉体を駆使してフィジカルでリアルなアクションをみせる路線も選択肢としては正解です。しかしどうもカットひとつひとつが短すぎることが(特にベルリンのホテルから)、観客にどんな場面なのかを理解させる上で短所になっている気がします。ロシアに到着してからが緊迫した見事な展開をみせるだけに惜しいと思います。また復讐劇なのか、そうではなく前作同様の自分探しなのかも、今ひとつすっきりしていなかったところも最後の謝罪が唐突に感じる理由でしょう。役者陣の演技はさすがで、中でもジョアン・アレンとカール・アーバンは儲け役。マット・デイモンも2作目なので、もう少し引き出しのある役作りをみせてほしかったと思うのは贅沢なのでしょうか。
 シリーズは原作通りならばあと1本。とりあえずアンチハリウッド系のカラーは貫いてほしいものです。

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2005年7月14日 (木)

MILLION DOLLAR BABY

d02f855a『ミリオンダラー・ベイビー』
国内盤まで待てずに購入。(というか国内盤がどこからのリリースになるか非常に心配) で、イーストウッドの無骨ぶりがさらに染みいる米国盤。あのNHKでもおなじみ"Inside actor's studio"のリプトン氏が聞き手の座談会が特典ではおもしろかったが、正直特典にはもう一声の充実がほしかった。画質音質ともにそれなりのレベル。特に暗部表現はなかなか優秀。
B-AVG.-6.71MB/sec.

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2005年7月 7日 (木)

STAND AND DELIVER

9428f072『落ちこぼれの天使たち』
エドワード・ジェームズ・オルモス主演の劇場未公開作。高校教師になったJ・エスカランテ氏の体験をもとにした実話なのだが(CBSの60 minutesでも取り上げられていました)、映画としても素晴らしい出来映えで、オルモスはこれでオスカーにもノミネーションされています。DVDになっただけでもありがたいのですが、英語字幕はCCのみ、しかもトリミング収録というのはちょっと残念。
B-AVG.-5.46MB/sec.

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2005年7月 6日 (水)

DVD『ドラムライン』

048e0b24米国盤で持っていたのですが、こちらも格安だったので国内盤を追加購入。しかーし! まず映像特典がない!(これにはかなりがっかり) さらに画質音質ともに米国盤が上。特に音はキレが薄皮一枚違う感じ。この作品が好きな人はぜひ米国盤をおすすめする。
B-AVG.-8.16MB/sec.

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2005年7月 5日 (火)

THE BUTTERFLY EFFECT

088b6bfaディレクターズカット版の存在がどうしても気になって購入してしまいました。最近クオリティには定評のあるNewLineのDVDなので、画質はなかなか優秀で、発色がよく肌表現も自然。また音もdts-es&DD-EX収録で、SEも派手に鳴ります。さて一番気になっていたディレクターズカット版はシーンにして3ヶ所。特にラストが激変。だってオアシスの曲がかかりません! どっちが好きかと言われれば私は劇場版でしょうか。とりあえずスクリプトも読めてお買い得な1枚です。
B-AVG.DC版-5.42MB/sec. 劇場版-4.95MB/sec.

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2005年7月 4日 (月)

DVD『メン・イン・ブラック2』

5f2961ccこれは未購入だったのですが、視覚効果をもう一度じっくりみたくて購入。しかし中味はくだらなすぎる(汗) 画質音質はまあまあ、サラウンドがド派手。
B-AVG.-5.72MB/sec.

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2005年7月 3日 (日)

DVD『メン・イン・ブラック』

2d1ec5721&2のセットが投げ売りだったので中古で購入。
1はジュエルケース版からの買い換え。若干特典が変更になっていますが、どうでもいいレベル。本編の画質音質には大差なし。
B-AVG.-5.32MB/sec.

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2005年7月 2日 (土)

Miracle Mile

28eb7d60『ミラクル・マイル』
なんとなく買ってしまったSFスリラーの佳作。小品ながら前半まではかなりいいテンポでいきます。『ER』のグリーン先生こと、アンソニー・エドワーズが髪の毛ふさふさ。メア・ウィニンガムがどうしても好みではないので、このあたりも減点。タンジェリン・ドリームの音楽は花マル。今頃トリミング版というのは納得がいかない。画質はVHSレベル。
B-AVG.-5.82MB/sec.

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2005年7月 1日 (金)

Eddie Murphy: Raw

88a21d44『エディ・マーフィー/ロウ』
エディ・マーフィのトークショーを記録したドキュメンタリー。日本では小規模公開で終わってしまったが、もったいないぐらいのできばえ。オープニングの回想シーンにサミュエル・L・ジャクソンもちょい役で出てます。きちんと英語字幕も入ったのでとりあえずDVDになっただけでも嬉しいです。ミスターTのネタがとにかく最高。画質音質は水準レベル。

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