『ターミナル』
☆☆ 寓話なのか、小品なのか、それとも何も考えていないのか。
再びトム・ハンクスと組んだスピルバーグの新作。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は他人様が言うほど嫌いではないのですが、でもこれはいけません。一言で言うならば味がない。
何がうまくいかなかったのかを考えると結局これが小品としての可愛らしさがなかったからではないでしょうか。長いし、金をかけたことが画からにじみ出ているし、トム・ハンクスもミスキャストだと思います。いえ、トム・ハンクスはさすがなのです。でもちっともヨーロッパ人がアメリカで戸惑っているようにみえない。これは問題です。演技陣ではキャサリン・ゼダ・ジョーンズがキュートでした。あと『ヒドゥン』のマイケル・ヌーリーの顔が見られたのは嬉しかった(汗)。
最後にスピルバーグはヤヌス・カミンスキーを撮影監督に指名するのはやめた方がいいと思います。確かに彼のセットアップは早いのだろうし、画としてもスタンダードな撮り方をしているのだと思います。でもスピルバーグの作品をすごく雑だと感じるのは彼と組むようになってからで、成功しているのは『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』ぐらいではないでしょうか。『宇宙戦争』が心配だ!
(109シネマズMM横浜9にて)
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